
ここ数年、コンサルティングファーム各社は採用を拡大しているが、その筆頭が総合系コンサルティングファームである。
そんな総合系コンサルティングファームは、転職者の人気も高く、転職を検討しているという方も多いのではないだろうか。
総合系コンサルティングファームの変遷
歴史を紐解くと、総合系コンサルティングファームは非常に複雑な変遷を辿っており、いざ面接を受けようとファームのことを調べても、その歴史が良く分からないという方も多いだろう。
そこで本記事では、複雑な総合系コンサルティングファームの変遷について解説する。
もし総合系コンサルティングファームへの転職に興味がある方がいれば、ぜひ一度ハイクラス転職に強いリクルートエージェントに登録し、自身の適正や内定確率について聞いてみて頂きたい。
総合系コンサルティングファームとは
総合系コンサルティングファームの比較対象として語られるのが戦略系コンサルティングファームである。
もともとは、戦略系コンサルティングファームが上流の戦略策定を中心に手掛け、総合系コンサルティングファームが実行支援を中心に手掛けるといった棲み分けがあったが、現在は戦略系も総合系も展開するサービスの幅が均一化しており、現状を表した呼び名ではなくなってきてはいる。
代表的な総合系コンサルティングファームとしては、以下のファームが挙げられる。
- アクセンチュア
- デロイト
- PwC
- KPMG
- EY
- アビーム
- IBM
- クニエ
代表的な総合ファームの変遷
かつてBIG5と呼ばれていた会計事務所を出自としたファームは、アーサー・アンダーセンが監査とコンサルティングを提供していたエンロンの会計粉飾に関与した事件をきっかけに、会計事務所によるコンサルティング業務の提供に規制が設けられ、それに伴う再編が行われた。
特に、現アクセンチュア、KPMG、PwC、IBMは非常に入り組んだ再編が行われてきた。
- アクセンチュアは、アンダーセンブランドの使用禁止を受けて、社内公募により「accent」と「future」の造語である「accenture」に社名を変更した
- PwCコンサルタントは、「Monday」という企業名に変更して上場準備を進めていたものの、直前でIBMに買収された
また、以下については内部再編のため上記図からは省略した。
- KPMG
2011年にKPMGマネジメントコンサルティングを設立、2012年にKPMGビジネスアドバイザリーを設立後、2014年に両社を統合してKPMGコンサルティングに社名変更している。
- PwC
2010年にPwCアドバイザリー株式会社、プライスウォーターハウスクーパースコンサルタント株式会社、プライスウォーターハウスクーパースHRS株式会社を統合し、プライスウォーターハウスクーパース株式会社に社名変更している。
その後、2016年にプライスウォーターハウスクーパース株式会社のコンサルティング部門、Strategy&、プライスウォーターハウスクーパースPRTMマネジメントコンサルタンツジャパンを統合し、PwCコンサルティング合同会社に社名変更している。
かつてのデロイトトーマツコンサルティングは現在のアビームコンサルティングであり、現在のデロイトトーマツコンサルティングはかつてトーマツコンサルティングという企業名であったという、これまたややこしい社名変更が行われている。
- アビームコンサルティングは、デロイトグループが独立する際に、デロイトコンサルティングから台湾オフィスを買収している
- アビームコンサルティングの戦略立案・M&Aアドバイザリー部門がマーバルパートナーズとして分離・独立した後、最終的にPwCに買収されている
総合系コンサルティングファームの変遷の中で、登場人物として外資系が多い中、NTTデータはEYやキャップジェミニを出自とするファームを買収し、そのプレゼンスを向上している。
また、以下については内部再編のため上記図からは省略した。
- EY
2010年にEYアドバイザリー株式会社を設立後、2017年にEYアドバイザリー・アンド・コンサルティング株式会社に社名変更している。
まとめ
上記のように、総合系コンサルティングファームは様々な再編を辿って現在に至っている。
その他にも、DeloitteによるMonitor Groupの買収、PwCによるBooz and Company(現Strategy&)の買収など、戦略ファームを交えて再編も行われている。
そうした幾つもの再編が行われているコンサルティング業界においては、「どのファームに入るか」よりも「どんな人」と「どんなテーマのコンサルティングを行うか」が重要になってくる。
それを一人で考えるのは非常にハードルが高いため、ぜひ一度ハイクラス転職に強いリクルートエージェントに登録し、キャリアアドバイザーの知見を活用しながら、自身のコンサルキャリアについて、解像度を上げて頂きたい。