本シリーズはコンサル転職に際して出題される「ケース面接」の例題及び解答集である。
実際にケース面接を突破したことのある現役コンサルタントがケース問題を解き、回答や考え方をお見せする。
本記事では、「回答そのもの」に加え、その回答を導く為の「考え方」にも比重をおいて解説する。
Contents
問題
お題:スタバがインドに参入するに当たっての論点整理
考える時間:10分
難易度:★★★★★
種類タグ:論点整理、海外進出
回答
(ⅰ)前提整理
論点を整理していく上で以下のような前提を置きます。
- 海外参入の大目的は売上増・利益増の為(CSR等の観点での経営判断ではない)
- インドにはまだ参入していない(検討フェーズである)
(ⅱ)論点仮説出し
次に、「どのような論点が考えれるか?」について仮説を出していきます。
参入の理由(Why?)
まず「なぜ?」に着目し、論点を整理しました。
なぜ海外進出をそもそもするのか?:さらに中論点として「脅威(Threat)はなにか?」と「機会(Opportunity)はなにか?」も挙げることが出来ます。
論点に対する仮説例としては、以下のようなものが考えられます。
- 脅威はなにか?国内市場がシュリンクしている(為、海外進出をすべき)
- 機会はなにか?:インドのカフェ市場が急成長している(為、海外進出をすべき)
なぜインドなのか?:海外進出すべきか?という問いの次には「なぜインドなのか?」という論点を挙げました。
課題はなにか?(What?)
次に「(インドへ進出していく上で)何が課題か?」という大論点を挙げました。この大論点はさらに以下の2つの中論点へ分けました。
社内の課題はなにか?:社内リソース等の「社内上の課題」を検証する為の論点
社外の課題はなにか?:社外課題はさらに「ニーズ・需要」「法規制」「競合」の3つに論点を分解↓
- ニーズはあるか?:インドにスタバに対するニーズがないと海外進出は成立しない為、検証が必要
- 法規制はあるか?:外資規制等、そもそも参入できるのか?出来たとしても運営が難しい場合、海外進出が成立しない為、検証が必要
- 競合はいるか?強いのか?:地元に根ざしたカフェチェーンがある等、競合が強すぎる場合も事業上、進出しないほうが良い可能性もある為、検証が必要
どのように参入するか?(How?)
そもそもインドへ参入すべき理由(Why?)とインドへ参入する上での課題(What?)の論点を検証し、仮に「インドへ参入すべき」という結論が決まったら、次はインドへの参入方法(How?)が論点となる。
インドへの参入方法は2つの中論点に分解した。
単体参入orパートナーと組むか?:海外参入する際には、自社単独で事業を展開するか、地場の企業と組んで事業を展開するか?は検証すべき重要な論点となる為、中論点に加えた。
事業モデルは直営orフランチャイズか?:飲食店の場合、直営で入るか、フランチャイズとして事業運営するか?は大きな論点となりえる為、加えた。(おそらくスタバは全ての店舗を直運営している為、今回の論点としてはなくても良かった)
事業性はどの程度あるのか?(How much?)
今回の「インド参入」の最終目的は売上・利益の創出なので、「実際いくら儲かるのか?」という問いに答えなければいけない(How much?)。つまり事業性である。事業性の論点は「売上・利益」と「投資回収」という2つの中論点に分解した。
売上・利益はどの程度になるのか?:最終的に売上・利益はいくらぐらいになりそうか?(実際のコンサルティングのプロジェクトであれば「シナリオ」に分けて考えたりします(ネガティブシナリオ、ベースシナリオ、ポジティブシナリオ))
投資回収はできるのか?回収までに何年かかるのか?:店舗ビジネスの場合は初期投資がかかる為、投資回収の可否や期間は重要な論点となる為、論点として加えておく。
(ⅲ)論点整理
最終的には以下のような形で論点を整理しました↓
「スタバがインドに参入するに当たっての大論点としては大きく4つ挙げられる。
「①参入理由」「②課題・実現可能性」「③参入方法」「④事業性」
①参入方法については、なぜそもそも海外進出すべきなのか?その中でもなぜインドなのか?という中論点に分解が出来る。
②課題・実現可能性については、社内の課題(特にリソース面)はなにか?社外の課題はなにか?という中論点に分解が出来る。
③参入方法については、単独なのか、パートナーを活用するか?直営なのか、フランチャイズなのか?という中論点に分解が出来る。
④事業性については、売上・利益はいくら程度になりそうか?投資回収は可能か、いつ頃にできそうか?という中論点に分解が出来る。
以上がスタバがインドに参入するに当たっての論点になります」
ケース面接での想定質問・ディスカッション
実際のケース面接は以下のような質問やディスカッションが想定される↓
- 今回、最も重要と考えている論点はどこか?なぜそう思うか?
- When、Whereという論点はどう思うか?なぜ考えなかったのか?
あとがき
論点整理系のケースは改めて「非コンサル出身者」の方にはハードルが高いな、と解答を書きながら感じた。
数をこなして「論点」というふわっとした概念に慣れていただく必要がある。
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