デロイト出身の連続起業家・海山氏はどんなコンサルキャリアを歩んだか?

海山龍明氏。早稲田大学卒業後、デロイトトーマツコンサルティング合同会社に入社。大企業向けの経営戦略立案、業務改善提案、システム導入支援などのプロジェクトに従事。その後、集客、広告戦略、M&Aに関するコンサルティングを行う株式会社HITを創業。上場企業への自社事業売却を2度経験。現在は株式会社HIT代表、株式会社フォーカスチャネル代表、株式会社Wiz執行役員CXOを務める。

「コンサル出身者は実行力が弱い」と言われることも多い中で、デロイト出身の連続起業家・海山氏は30歳にして2つの事業を上場企業に売却した経験持つ。今回はそんな海山氏がどんなコンサルキャリアを歩んだのか、またコンサルから起業のリアルについてお話を伺った。

連続起業家のコンサルキャリア

ー海山さんは2年でコンサルを辞めて起業されています。起業するタイミングは決めていたのですか?

もともと親族全員が起業家であることもあり、いつかは起業するというのは自分の中で当たり前の感覚としてありました。なので、コンサルに入る前から2年で辞めて起業することは予め決めていました。

ーデロイトではどのようなプロジェクトを経験したのですか?

デロイトではAutoユニット(自動車関連)、FSIユニット(金融関連)、CFOユニット(会計関連)の案件を担当しました。案件テーマで言うと、戦略から業務改善、システム導入のPMOなど幅広く経験しました。中でも多く経験したのは業務改善系のプロジェクトだと思います。

ー業務改善系のプロジェクトとなると少し起業から遠いテーマかと思いますがプロジェクトを選んだ軸などはありましたか?

2年程度しかコンサルにいないとするとあまりテーマは関係ないと思っていました。2年間で得られるものは「テーマに関わる深い知見」というよりもテーマに関わらず身につけることができる「ベースのコンサルスキル」だと思います。

ですので、起業に役立ちそうなテーマというよりも「人」やその時「興味がある領域/デロイトが強みを持つ領域」という軸でプロジェクトを選びました。ありがたいことにデロイトではすべてのプロジェクトのアサインで自分の希望を叶えることができました。

起業家から見たコンサルの強み・弱み

ー連続起業家である海山さんから見てコンサル出身者の弱みについて教えて下さい。

どんな時も細部にこだわり過ぎてしまうことかなと思います。特に起業はやってみないと分からないという世界の中で、起業当初の自分は細部にこだわってしまい時間を無駄にしてしまったなという反省があります。

共同創業者はサイバーエージェント出身なのですが、「細部は後で、とりあえずやってみよう」というスピード感があり、一緒に起業して大きな学びになった部分でもあります。

ー逆にコンサル出身者の強みについて教えて下さい。

起業でも細部を求められるシーンはあります。例えば、融資や出資を受ける際の銀行や投資家とのコミュニケーション、自社の業績管理などです。そうしたシーンではコンサル出身者の緻密な思考や作業能力というのは大きな強みになるかなと思います。

また、起業すると多くの経験したことがないテーマや業務と向き合うことになるので、早期にキャッチアップでき、自分の中で構造化した上で人に伝えられるというのもコンサル出身者の大きな強みだと思います。最後に強みというほどではないですが、起業をして様々な人とお話したり、様々な場に立つことがありますが、これまでの経験を通じて「コンサル出身者」という経歴は第一印象として強い肩書だと感じています。

連続起業を経て考えるコンサルキャリア

ー連続起業を経験された今、仮にもう一度新卒1年目に戻る場合どのようなコンサルキャリアを歩みますか?

結論としては、過去と同様のコンサルキャリアを歩むと思います。繰り返しになりますが、コンサルの2年間で得られるものというのは「テーマに関わる深い知見」というよりもテーマに関わらず身につけることができる「ベースのコンサルスキル」だと思います。

ですので、例えば起業に直結しそうだから新規事業系のプロジェクトを選ぶのではなく、自分が没頭できそうなテーマか、魅力的なチームメンバーかという軸で選びます。自分がデロイトで過ごした2年間はまさにこのような軸でプロジェクトを選んできたので、結果として同じコンサルキャリアを歩むと思います。

>>海山さんTwitterアカウント:https://twitter.com/umiyama0723

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