プロフィール
N.S(29)
経歴と転職理由
ー これまでの経歴となぜコンサルタント業界へ転職しようと思ったかを教えてください。
2016年に大学を卒業し、新卒で保険会社に入社して社内業務を改善するチームに所属していました。
転職しようと思ったのは、ジョブローテーションの激しい保険会社で多岐にわたる業務を経験するよりも業務改善やIT領域に特化した専門的スキルを身につけたいと考えたこと、また頑張りやパフォーマンスが昇進や報酬に反映される環境に身を置きたかったことが理由です。
また保険会社はジョブローテーションが激しく、同じ部署にい続けることは基本的に難しいです。さらに、コーポレートが長くて役職が上がった人が現場にいきなり放り出されることもありますが、そうなると仕事の進め方や雰囲気が全く異なるので、そのギャップで休職してしまうケースも散見されていました。
その点で自身のキャリアを考えた時にも長期的に働くイメージが湧きづらいと感じてしまったというのもあります。
転職活動について
スケジュール・進め方
ー 実際に転職活動をはじめる際にどのようなタイムラインで、どのように進めたかを教えてください。
2020年1月からコンサルで働く友人・知人の話を聞き始めました。その直後にコロナの影響があったので転職が難しいのではと考え、3-4月頃に一時中断しました。
その後10月頃から再開して、11月にエージェントと話すようになりました。そこから12月にかけてレジュメ作成や選考対策を進め、12月に面接が始まりました。年末年始を挟んで2021年1月に内定を頂き、転職活動を終了しました。
ー なぜ転職エージェントを利用しようと思ったのですか?
元々知人経由のリファラル選考のみ受ける予定でしたが、第一志望のファームでケース面接があること、登録していた転職サイトでエージェントからお声掛けがあったことをきっかけに、レジュメ作成・ケース面接対策を目的にエージェント経由の選考も受けることにしました。
ー 具体的にどのようなサポートをしてくれましたか?
主に条件に合う求人の紹介、レジュメ添削、企業の人事との交渉、面接対策をしていただきました。
ー エージェントを使ったことで良かった点はありますか?
レジュメの添削をしていただいたことと、過去の選考情報を基に作成した対策資料を共有いただいたことです。それらを用いて事前に面接対策をしっかり準備したことにより、気持ちに余裕を持って面接に臨めました。
またリファラルの場合、その会社が他社と比べてどのような特徴があるかなどは把握が難しいですが、業界を網羅的に把握されているため、比較検討をしながら選考を進められた点も助かりました。
ファーム選び
ー 受けるファームはどのような基準で決めたか教えてください
リファラルでBCG、DTC、ベイカレントの3社、エージェント経由でEY、ACの2社に初期的に応募しました。
前職がフル出社だったので体力的にそれ以上の会社を受けることが厳しく一旦5社に絞りました。
ですが、うち1社選考における対応が雑であったこと、またもう1社は女性からの評判が悪く、結局選考を進めたのは5社中3社でした。
色々な人からコンサルがマッチしていると言われていたのでどこかには受かるのではと思っていましたし、最悪全滅したら現職に残ってから再チャレンジすればよいと考えていました。
ー その中で実際に入社されたファームをどのようなどのような基準で決めたか教えてください
すべて内定をもらえた場合の優先順位を事前に決めていました。具体的には「その後のキャリアの選択肢」「年収」「内定までのスピード」を基準に考えていました。
「内定までのスピード」については、2月末に辞令が出るため早めに所属する課に伝える必要があり、重要視したポイントでした。
転職活動を通じてやって良かったこと
ー 転職活動を通じて大変だったことについて教えてください
体力面がとにかくきつかったです。周りも忙しくてやりくりが大変という話は聞いていましたが、実際に大変でした。
現業をしながら対策をする必要があり、疲れもある中で頑張らなければいけないというプレッシャーがありました。
また、前職の人間関係が良かったので内緒で転職活動をしていることへの後ろめたさと葛藤があり、精神的にも辛かったです。
ー そのハードルをどのように乗り越えたのですか?
なるべく人に頼るということを意識していました。ケース面接対策を友人に手伝ってもらったり、レジュメをエージェントに添削してもらうなどです。
あとは無理し過ぎないということも意識しました。大手コンサルファームは網羅的に受けた方がよいという考え方もありますが、実際問題、時間的な制約でハードルは高いですし、疲弊するとパフォーマンスも出づらいので最終的に3社に絞ったことは良かったなと思います。
ー その他、転職活動を通じてやって良かったことはありますか?
『自分の言葉で話すこと』が大事だと思い、本当に転職したいのか、なぜ転職をしたいか、現状の課題は解決されるか、などを考え抜き、腹落ちした状態で臨むようにしたことが一番良かったなと思います。
現在~将来について
ー 転職されて2年程経ちますが、今の仕事のやりがいについて教えてください
大きく3つあります。まず、これまで自社の業務改善にのみ携わることができましたが、現在は業界問わず様々なクライアントの業務改善に貢献できる点です。
次に各プロジェクトの経験を次のプロジェクトに活かす過程で自身の成長を実感できる点、最後に自身の成長に応じて昇進や賞与という形で報酬アップが期待できる点です。
ー 他業界からコンサル業界への転職で大変だったについて教えてください
転職直後は、本当に自分が成長しているかという実感がわかなかったです。
PPTも苦手ですし、新卒同期は一切おらず、バックグラウンドが異なる中途しかいない状況で、かつプロジェクトの既存メンバーは自分より経験がありました。
その中で自分が順調なのか遅れをとっているかが分からず、不安が大きかったです。
また、もし劣後していた場合のキャッチアップの仕方も分からないことも不安でした。
そうした中で、特にプロジェクトで自分より経験のある人に、自分の現在地(ここまでは分かるがここからは分からない)を事細かく伝えて、徹底的にコミュニケーションを取っていました。
1年くらい続けてようやく前進の仕方が見えてきたという感じです。
ー あえて転職後の不満や課題を挙げるとどのようなことがありますか?
インターナルの仕事が意外と多いなという印象です。
自社ツールのクライアントへの導入率や業務効率化率など様々な指標があり、アカウントごとにKPIが設定されていて、それの進捗報告のミーティングが開催されます。
そのミーティングにはユニットに所属するコンサルタント以上全員を招集されておりますが、目的が不透明で形骸化しているプロセスになってしまっており、時間が無駄に取られているなということが度々あります。
あと前職と比較してボーナスが少なかったり、評価方法が不透明なこと、社内ツールが使いづらいなどがあげられます。
ー 短中期、長期のキャリアの目標があれば教えてください。
正直、ワークライフバランスが第一です。今後のライフイベントに伴い、フリーランスになる選択肢を残したいので、コンサルタントとしての"自分の色"はしっかり見つけていきたいなと考えています。
とはいえ、ファームに在籍している方が自分の枠を超えた経験が詰めるので、まずは色々な経験をしたいと考えています。
資料作成などだけではなく、自分で判断し提案できる幅を広げ、コンサルタントとして力をつけたいです。
最後に
一 これからコンサル業界への転職にチャレンジする方に一言お願いします
転職活動においては、自分の判断に腹落ちするというのが一番大事だと思っています。
転職をしない理由はいくらでも探せます。親世代は日系大手の方が好みますし、人間関係が良い場合は現職に退職を伝えづらですし、本当に転職先でやっていけるという保証もありません。
今は一部のファームを除いてアンコントローラブルなレベルで激務になることは少ないですし、人間関係についてもドライと思わがちですが、事業会社出身者が多いので意外とwetな面もあります。
実際、家に遊びに行ったりという仲の人もたくさんできましたし、対人関係でのストレスは今のところ感じていません。
納得感さえあればそこまで身構えず転職しても後悔はないと思います。本当に最悪合わなくてもコンサルはその後のキャリアの選択肢は広いしその経験は無駄にならないので、リスクを必要以上に考えすぎなくても良いと思います。
少しでもチャレンジしてみたい気持ちがあるのであればイメージ先行で躊躇わず、まずは内情を知っている人に話を聞くのが吉かと思います。