DX領域に強みを持つコンサルファームとして知られているのがシグマクシスである。
本記事ではそんなシグマクシスの全貌を徹底的に解説していく。
本記事を作成するにあたっては、実際に現役シグマクシス社員複数人にインタビューを行っている。
- シグマクシスの強み・特徴
- シグマクシスの将来性
- シグマクシスの激務の実態や評判
シグマクシスへの転職を目指す上では、おすすめのコンサル転職エージェントおよびシグマクシス転職大全も参考にして頂きたい。
Contents
シグマクシスとはどんな会社?
株式会社シグマクシスは、3つの変革(DX、SX、MX)の推進に加え、プログラム&プロジェクトマネジメント、基幹システムのクラウド化や業務プロセス変革、マルチサイド・プラットフォーム構築、新規事業開発等を専門としたコンサルティング会社であり、本社は日本の東京にある。
設立日は2008年5月9日であり、2021年10月に持株会社体制への移行に伴い、会社分割によりコンサルティング事業を承継して新設されており、現在はグループ会社である株式会社シグマクシス・インベストメントと連携しながら、事業を成長させており、親会社の株式会社シグマクシス・ホールディングスは東証プライムに上場している企業である。
会社名 | 株式会社シグマクシス |
英語表記 | SIGMAXYZ Inc. |
グループ従業員数 | 595人(2023年3月時点) |
本社所在地(国内) | 東京都港区虎ノ門 |
シグマクシスの歴史
シグマクシスの歴史は2008年まで遡る。
2008年5月に、三菱商事グループのITサービス及びコンサルティング・サービス事業の強化を目的として、東京都港区赤坂に三菱商事株式会社及びRHJ International Saによる合弁で設立。
2013年12月に、東京証券取引所マザーズ市場への上場を達成。
2014年10月には、M&Aアドバイザリー事業の強化のため、株式会社SXA(旧社名:T-Model インベストメント株式会社)株式を取得し連結子会社。
2016年9月に、株式会社SXキャピタルと資本・業務提携開始。
2017年11月には、東京証券取引所本則市場第一部へ市場変更。
2019年2月に、株式会社SXF設立。
2021年の4月には、株式会社シグマクシス・インベストメント設立。また、三菱商事グループからその競合である伊藤忠商事グループに移ったことで大いに話題になった。
同年の10月は、持株会社体制へ移行「株式会社シグマクシス・ホールディングス」へ商号変更、および、株式会社シグマクシスを設立し、コンサルティング事業を承継。
2022年1月には、公益性の高い企業に与えられる国際的認証「B Corporation認証」を取得、および、4月には東京証券取引所の市場第一部からプライム市場に移行し、現在に至る。
シグマクシスの強み・特徴
上場企業として成長を続けるシグマクシスだが、他のコンサルティングファームと比してどのような強み・特徴をもつのか。
ここでは現役シグマクシス社員に話を伺い、そこから見えてきたシグマクシスの強み・特徴について解説しよう。
グループ会社と連携した価値提供
シグマクシスの特徴の1つ目として、グループ会社であり、投資事業を手掛けるシグマクシス・インベストメントと連携した価値提供が挙げられる。
グループ会社どうしで連携することで、クライアントに対して「コンサル事業 + 投資事業」を組みあせたサービスを提供することによって、他のコンサルティングファームには無い差別化を図ることができている。
また、既存の事業やビジネスモデルにとどまらず、新たなビジネスモデルの創造に向けたグループ会社どうしの連携等も検討しており、新規事業の開発にも積極的なようだ。
シグマクシス・インベストメントとの連携による、シナジーは出せていると思います。顧客のベンチャー企業の方々からも、「ビジネスモデルだけでなく、企業価値向上についても支援してもらって、助かっている。」との声をよく聞きます。コンサルと投資を組み合わせてサービス提供できる会社って多くないので、差別化できているのだと思いますね。
現役シグマクシス社員A
ベンチャー向け支援が強い
グループ会社のシグマクシス・インベストメントはクライアントとのジョイントベンチャー等に出資しているが、そこからの引き合いもあって、ベンチャー向けへのコンサルサービスの経験が豊富なことも特徴と言える。
大手のコンサルティングファームでは、いわゆる、日系の大企業をメインにコンサルサービスを提供しているファームが多いが、シグマクシスはベンチャー企業向けの案件も多く扱っており、ベンチャー企業特有の課題への解決策を提案するための経験・ノウハウを有している。
ベンチャー企業向けの支援は多いですね。日系の大手のクライアントに比べて、ベンチャー企業は問題が多いのに、予算が少ないため、大手のコンサルティングファームはあまりやりたがらない傾向にあると思います。一方で、シグマクシスは、そのホワイトスペースを狙って事業を展開していることもあり、競争におけるポジションを確立しつつあると思います。また、ベンチャー企業を支援しておいて良かったなと思うのが、新規事業開発等の経験・ノウハウを、近年では、日系の大手クライアントも知りたがっており、ベンチャー向けの経験・ノウハウを大手向けにも応用できつつあります。
現役シグマクシス社員B
パートナー企業との提携が多い
シグマクシスは、シグマクシス・インベストメントとの連携、ベンチャー企業への支援等だけでなく、パートナー企業と提携し、新しい価値のある事業を創出する機会が多いことも特徴的である。
パートナー企業はIT、製造、鉄道、セキュリティ等、様々な業界の企業であり、業界・業種を超えたコラボレーションを実施し、新しいサービス・製品を創り出すための活動を積極的に実施している点も、他のコンサルティングファームでは、なかなか見られない特徴と言える。
外部企業との提携、いわゆる、アライアンスの話は多いですね。ある意味、「コンサルティング会社」という考えに縛られていないからだと思います。コンサルサービスは手段の1つであり、協業等の方がベターなら、そちらを選ぶということを続けてきたからこそ、他のコンサルティング会社と差別化できているのかなと思いますね。
現役シグマクシス社員C
伊藤忠グループとしての総合ソリューション提供
前述の通りシグマクシスは現在は伊藤忠グループ傘下のコンサルティングファームとして事業展開を行っている。
伊藤忠商事はデータ分析を行うBrain Padへの出資や、広告代理店であるAKQAとのデザインコンサル会社設立など総合ソリューションを提供する基盤を整えている。
その結果、シグマクシス単体では難しい"全方位的な顧客支援"を実現することができているという強みを持っている。
伊藤忠、元三菱商事子会社のコンサル会社シグマクシスに出資したり、世界最大手の広告代理店である英WPP傘下の米AKQAとデザインコンサル会社を立ち上げたりと、総合コンサル化を進めてる。https://t.co/BruKK0X2Um
— コンサルマン (@mr_grayhair) March 23, 2023
シグマクシスの将来性
シグマクシス・グループは、昨今の変化の激しい環境においては、毎年機動的に戦略を見直し、翌年度事業計画に反映していくことが望ましいと考えているため、中期経営計画を策定していないことが経営方針の特徴としてある。
一方で、シグマクシス・グループの中長期の成長イメージを株主・投資家と共有する目的で、数年ごとに参考情報として「ありたい姿」という名の数値目標を公表しており、具体的には、2026年3月期に連結売上高250億円、経常利益70億円、利益率28%、人員数約800名という目標を掲げている。
近年、コンサル業界は大手の規模・人員数の拡大、新興のコンサル企業の台頭等、競争が激しくなっている中で、「ありたい姿」の目標を達成できるのか、という将来性を不安視する声があがっていることも事実としてある。
そういった将来性を不安視する声を払拭するために、シグマクシスの経営陣が考えている戦略として、積極的な採用活動と、社員の健康管理プログラムの推進が、あげられる。
コンサル企業の競争力の源泉として、「人材」が考えられるが、シグマクシスは「人材の価値」を重要視しており、新卒・中途入社者の拡大だけでなく、社員の心身の健康を維持・向上させることにより、社員の離職率の低下やパフォーマンスの向上を目指していることを、経営方針として掲げている。
コンサル業界は激務がゆえに、退職者も多いという課題があるが、そういった課題を解決し、更なる成長を目指そうとしている方針は、企業の成長戦略として有効な手段と言えるため、今後もシグマクシスは成長していく、堅調な将来性があると言える。
社員を増やすだけでなく、退職を減らす、もしくは社員のパフォーマンスを向上させるために「社員の健康」という視点に着目していることは、非常に良い一手だと思います。キャリアはマラソンみたいなものですから、心身ともに健康を維持しなければいけないですし、健康を厳かにする企業は中長期的には成長しないでしょう。そういった意味も含めて、シグマクシスは今後も成長していけると確信しています。
現役シグマクシス社員D
「人材」が企業の競争力の源泉であるという考えは、同意します。私は、他のコンサル企業から転職してきましたが、体調を崩して休む社員が多く、社員の幸福度も低かったと思います。そういった経験を踏まえると、何よりも健康は大事ですし、そこに着目しているシグマクシスは良い会社だと思います。
現役シグマクシス社員E
シグマクシスの激務の実態
シグマクシスについては、他社の戦略コンサルティングファーム等ほど激務という印象が無いイメージかもしれないが、ここではその激務の実態について解説する。
シグマクシスの実態
以下は主要コンサルファームの月間残業時間をランキング化したものである。(出所:Open Work)
順位 | ファーム名 | 月間残業時間(h) |
1 | アーサー・D・リトル | 85.4 |
2 | マッキンゼー・アンド・カンパニー | 76.7 |
3 | ドリームインキュベータ | 75.5 |
4 | A.T.カーニー | 72.6 |
5 | ローランド・ベルガー | 68.2 |
6 | ベイン・アンド・カンパニー | 64.4 |
7 | デロイト・トーマツ・コンサルティング | 63.1 |
8 | ボストン・コンサルティング・グループ | 62.8 |
9 | PwCコンサルティング | 62.4 |
10 | EYストラテジー・アンド・コンサルティング | 53.1 |
11 | アクセンチュア | 52.1 |
12 | KPMGコンサルティング | 43.4 |
13 | シグマクシス | 41.7 |
14 | アビームコンサルティング | 36.3 |
15 | ベイカレント・コンサルティング | 33.0 |
シグマクシスの月間残業時間は41.7時間と、主要コンサルファームのと比較すると相対的に激務ではないと言える。
(業界内で働き方改革が進んでいると言われるアクセンチュアよりも少ない水準)
一方で実態としては、案件次第で激務になるかどうかが、決まるようであり、具体的には戦略系、システム導入の終盤、ベンチャー企業向けの案件等は徹夜が続く時もあるという話もあがった。
何が普通かは分かりませんが、組織改革や業務改善等のプロジェクトはある程度、残業が少ない気がします。一方で、戦略系やIT系等は状況によっては激務を強いられているようですね。もちろん、そのことについては経営陣も危惧しており、激務の社員へのケアとして「健康管理プログラム」が導入されたりしていますし、いかに激務に陥らないようにするか、議論を重ねているようです。
現役シグマクシス社員A
ベンチャー企業向けの案件は忙しい印象がありますね。ベンチャー企業なので、スピード感もありますし、ジェットコースターのように状況が日々変わります。それに対応するために、こちらも忙しくなり、結果として激務になる時があります。しかし、そういった経験をすれば、かなり経験値が上がるので、1回くらい経験してみるのも、キャリア的にはアリだと思います。(笑)
現役シグマクシス社員B
シグマクシスが激務の理由
シグマクシスが激務の主な理由を、複数の社員に語ってもらうと、やはり、シグマクシスが得意とするベンチャー企業向けの支援や、協業企業との業務が多いから、というシグマクシス特有の理由があげられた。
シグマクシスは、他のコンサル企業と比べて、ベンチャー企業への支援における多忙、パートナー企業との業務における調整等に時間を費やすといったことが多く、それらが激務につながっているようである。
ベンチャー企業の案件は自転車操業な部分もあるので、常に動いておかないといけないので、忙しいプロジェクトになりがちですね。クライアント側の人員も少ないので、クライアント側の仕事を手伝うこともあります。「ある意味、貴重な経験だな」と思いながら、割り切って仕事をしています。(笑)
現役シグマクシス社員C
パートナー企業との調整や、今後の進め方についての議論には時間と労力を費やすことが多いです。まず、何かを話す際には、お互いの関係者のスケジュールを調整しないといけませんし、会議の参加人数が多くなると議論が発散してしまい、会議を複数回しないといけないこともあります。そういった、業務の「前段階」のような作業が多く、結果として残業が多くなったりしますね。双方の窓口どうして「お互い、大変だね」なんて話したりします。(笑)
現役シグマクシス社員D
シグマクシスの評判
そんなシグマクシスだが、現役シグマクシス社員にポジティブ・ネガティブに思うことをお聞きした。
リアルな生の声であるためぜひ参考にしていただきたい。
ポジティブな評判
仕事の種類が豊富にありますので、様々な経験ができ、圧倒的に成長できます。ベンチャーやパートナー企業との話が多いかもしれませんが、大手のクライアントもいますので、幅広く経験を積めます。若手のみならず、中堅・ベテラン勢も更にレベルアップできる環境だと思います。
現役シグマクシス社員E
様々なステークホルダーと関わるので、人生経験が上がりますね。考え方が違う方々をいかに同じ方向に向かわせて、動かしていくか、ということはコンサルタントにとって大事なことですので、そういった訓練もすることができます。
現役シグマクシス社員A
ネガティブな評判
上場企業なので、常に投資家から企業の価値が見られているという緊張感があるかもしれません。年度末になると、ピリッとした空気になることもあります。なので、どうしても売上目標等対してはシビアになりますが、その分、高い給料をもらっているので、しょうがないですね。
現役シグマクシス社員B
社員によれば、激務の日々が続くので、そういった社員の方々へのケアが重要になると思います。健康管理プログラムもそうですし、有給休暇等を気軽に取れるような文化を構築していくことが重要になると思います。今も、そういった文化が無いわけではないですが、まだまだ改善の余地はあるかと考えています。
現役シグマクシス社員C
コンサルファームではケース面接を始めとする特殊な選考が行われ、非常に難易度が高いと言われている。 また、コンサル業界自体が外から見えづらい業界であるため、転職前にリアルな実態を把握することも難しい。 そのため、「コンサル転職の成功率を上げる」「コンサル転職を通じて理想のキャリアを実現する」上では、コンサル業界への知見や対策ノウハウを持つエージェントを選ぶことをおすすめしたい。コンサルへの転職を成功させるためには
コンサルキャリアは株式会社Flow Groupが運営しています。当社は厚生労働省から有料職業紹介事業の認可を取得し、求職者の転職支援と企業の採用支援を行っています。
会社名 | 株式会社Flow Group |
会社HP | https://consul-career.com/corp/ |
所在地 | 東京都新宿区市谷田町3丁目8 市ヶ谷科学技術イノベーションセンタービル 2F |
法人番号 | 5011001129632 |
厚生労働省 有料職業紹介事業認可番号 | 13ーユー315272 |
適格請求書事業者登録番号 | T5011001129632 |