ロジックツリーとは?作り方や仕事での事例を現役コンサルが解説
コンサル実務で頻繁に使う思考ツールが「ロジックツリー」である。 ロジックツリーはコンサル実務だけでなく、幅広いシーンで有効なツールとなる。 本記事ではロジックツリーとはどのようなものかについて、仕事での事例を用いながら作る際のポイントやパワーポイントでの作成方法を現役コンサルが徹底解説していく。

ロジックツリーとは

ロジックツリーとは、対象の事象をツリー状に分解するフレームワークである。 とある事象の構成要素や発生原因、解決方法などをMECEに分解していく手法で、全体像の把握や原因の特定、打ち手を明確する際など様々なビジネスシーンで活躍するフレームワークとなっている。 ※MECEとは「Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive」の頭文字を取った造語で、"漏れなくダブりなく"という意味。

ロジックツリーのメリット

ロジックツリーを活用するメリットとしては大きく以下の2つがあげられる。
  • 全体像を可視化できる
  • 検討時の"地図"になる

1. 全体像を可視化できる

ロジックツリーを活用するメリットの1つ目は「全体像を可視化できる」ことである。 ロジックツリーで全体像を可視化することで、検討の抜け漏れ防止ができるだけでなく、関係者間で共通認識を持つことができる。 これだけ変化の早い事業環境において、どれだけ経験豊富な方でもこうした「全体感の可視化」というステップを踏まないと当然ながら抜け漏れが発生してしまう。 また、関係各所を巻き込んでいく必要がある場合は特に自分自身がわかっているだけでは不十分であり、相手にわかりやすく伝える必要がある。 そうした時にロジックツリーというのは効果を発揮する。 実際のビジネスシーンにおいては何か課題が出たときにこうしたロジックツリーで全体像を可視化した上で、「他に考慮すべき事項はありますか?」「まずはXXから検討していきます」などの質問や方向性提示を行っていくことで、スムーズに議論を進めることができる。

2. 検討時の"地図"になる

問題が複雑になればなるほど、その構成要素や原因、考えうる打ち手は多岐に渡っていく。 そうした問題解決にロジックツリーなしで臨むと、まず間違いなく"検討迷子"(全体感を見失い枝葉の議論や検討に終始してしまうこと)になると言っても過言ではない。 以下は、売上減少の要因を構造化せずに枝葉に突き進んでいった結果、全体感を見失い「SNSでの集客」を深掘りしてしまった失敗例イメージである。 全体感を捉えずに枝葉に突き進んでいってしまうと、例えば上記の例でいくと「そもそも顧客単価が課題なのでは?」「既存顧客の方が急務なのでは?」と本質的な課題を見落としてしまうことが頻出してしまう。 実際、コンサル実務を行っていてもクライアントが「課題に対してほとんど効果がない打ち手をかなり緻密に計画している」という事態によく遭遇する。 これはロジックツリー不在により起こる問題で、実際にロジックツリーを使って現状の課題と打ち手を整理していくと、クライアント自身で「今検討している施策は枝葉の話だからストップしよう」と気づく場合が多い。

ロジックツリーの種類

ここではロジックツリーの種類について解説する。 ロジックツリーと一言で言っても、大きく以下の3つが存在する。
  • 要素分解ツリー(What)
  • 原因追求ツリー(Why)
  • 問題解決ツリー(How)
実際に「売上」をテーマに各種類のロジックツリーを紹介する。

1. 要素分解(What)

要素分解ツリーは、対象の事象や物事を構成している要素をMECEに分解したロジックツリーである。 構成している要素を何らかの軸で分解していくため、軸の置き方によって複数パターンのロジックツリーを作成することができる。 以下は売上を要素分解した3パターンのロジックツリーになる。これらはあくまで例であり、この他にも時間軸や期間軸、店舗軸、チャネル軸などなど様々な分解の仕方が存在する。 要素分解ツリーを作成する上では、自社の事業内容や特性、分析の目的を踏まえて最適な分解の軸を設定することが重要になる。

2. 原因追求(Why)

原因追求ツリーは、問題の要因をMECEに分解したロジックツリーである。 要素分解ツリーと同様に、軸の置き方によって複数パターンのロジックツリーを作成することができる。 逆に言うと、いくつものパータンを作成できてしまうため、ロジックツリーを作成する段階である程度の仮説を持って臨まないとムダなロジックツリーを量産することになる。 以下の例で言うと、商品軸ではなく「顧客単価」や「顧客数」の減少が要因になっていそうだな・・・と仮説を持った上で実際にロジックツリーを作成していく必要がある。 「顧客単価」と「顧客数」という形でファーストカットを決めた後は、それらの要素をさらに分解していき、考えうる原因を漏れなく書いていく。(上記はあくまで例で、実際のビジネスシーンではさらに分解していく必要あり)

3. 問題解決(How)

問題解決ツリーは、原因追求ツリーと似たロジックツリーである。 違いとしては、原因追求ツリーは名前の通り原因(Why)にフォーカスして分解していくのに対して、問題解決ツリーは解決方法(How)にフォーカスして分解していくことになる。 大上段には解決したい問題や達成した目標を記載して、それを解決する方法・達成する方法をMECEに書き出していく。 全ツリーに共通して言えることですが、軸の置き方によって複数パターンのロジックツリーを作成できるため、軸の選定方法を慎重に行う必要がある。

ロジックツリーの作り方

ロジックツリーの具体的な作り方は以下になる。

1.正しい"問い"を設定する

"問い"の設定は以降の作業の発射台を決める作業になる。 かのピーター・ドラッガーも主張している通り、"問い"の設定こそ最重要と言っても過言ではない。
重要なことは、正しい答えを見つけることではない。正しい問いを探すことである。間違った問いに対する正しい答えほど、危険とはいえないまでも役に立たないものはない。

by ピーター・ドラッガー

関係各所が関連する検討事項の場合は、しつこいくらい関係者と"問い"の擦り合せを行う必要がある。

2.ツリーの種類を選ぶ

"問い"を設定したら、"問い"(=目的)に合わせて「要素分解」「原因追求」「問題解決」のいずれかのツリーの種類を選択する。 ロジックツリーの種類さえ頭に入っていれば、この工程はそこまで時間も労力もかけずに捌くことができる。

3.軸の切り方を選ぶ

次に"問い"を分解する軸を選定する。 前述の通り、軸の切り方によって複数パターンのロジックツリーを作成できる。 各パターンによって当然導き出されるアウトプットは変わってくるので、軸の選定方法は慎重に行う必要がある。 実務においては1種類のみを作成するというよりも、複数パータン作成した上で、周囲を議論しながら絞っていく形が理想である。

4.MECEに因数分解する

最後に、選定した軸に合わせてMECEに因数分解していく。

ロジックツリーをパワポで作る方法

実際に実務でロジックツリーを作成する際は、パワポ(パワーポイント)で作成することも多い。 ここでは、ロジックツリーをパワポで作る方法をご紹介する。

1.パワポを作る前にまず紙で書く

「ロジックツリーをパワポで作る方法」と言いつつ、一番最初にやるべきことは"紙で"ロジックツリーを書くことである。 なぜならパワポはアウトプットの手段であり、中身を考えながら試行錯誤するには圧倒的に紙が便利だからである。 紙以上にパワポの方が使いやすいという人がいれば話は別だが、どれだけパワポをラフななぐり書きをする上で紙ほど簡単に扱える人はいないと言っても過言ではない。 書いては消してを繰り返す際にパワポに取り掛かってしまうと、時間を浪費してしまうことになるので、アウトプットイメージが固まるまでは、まず紙でロジックツリーを作ることをおすすめする。 実際、コンサルファームに入社すると"まず紙で書け"ということは耳にタコができるほど言われるポイントである。

2.ボックスを配置する

紙でアウトプットイメージができたら、実際にパワポに取り掛かっていく。 ロジックツリーを作る上ではまずボックスを配置する。「挿入>図形>正方形/長方形」の順で選択していく。 「正方形/長方形」(=ボックス)を選択したら、それらを等間隔に配置する。

3.鍵コネクタで連結する

ボックスを配置したら、鍵コネクタで連携していく。 ロジックツリーでは1つのボックスに対して複数のボックスが紐づく形になるため、「コネクタ」ではなく「鍵コネクタ」を選択することがおすすめである。 「挿入>図形>鍵コネクタ」の順で選択していく。 鍵コネクタを選択したらボックスとボックスを繋ぐ。

4.各階層を補足する

最後に何の軸で切っているのかがパッとわかるように各階層(=軸)の補足をしていく。 補足を加えるだけで、いちいちボックスの中身を読む必要がなくなるので、読み手にとって優しい資料になる。 これでパワポでのロジックツリーは完成となる。 マインドマップツールXMindについてはこちらの記事で詳しく解説されているのであわせてご確認いただきたい。 参考:【無料】簡単操作のマインドマップツールXMind【思考を整理できる】 | takalog
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