レイヤーズコンサルティングは、アクセンチュア出身者と公認会計士によって設立された日本発のプロフェッショナルファームである。
本記事ではそんなレイヤーズコンサルティングの転職大全として、詳細な面接内容から中途採用難易度、志望動機を徹底的に解説していく。
なお、本記事を作成するにあたっては、実際に現役・元レイヤーズコンサルティング社員複数人にインタビューを行っているためぜひ参考にして頂きたい。
- レイヤーズコンサルティングの中途難易度
- レイヤーズコンサルティングの選考フロー
- レイヤーズコンサルティングの面接内容
- レイヤーズコンサルティングへの転職を成功させるためにやるべきこと
レイヤーズコンサルティングを含むコンサルへの転職を目指す上では、おすすめのコンサル転職エージェントの記事を参考にして頂きたい。
Contents
レイヤーズコンサルティングとは
株式会社レイヤーズ・コンサルティングは、新規事業開発、ビジネスモデル改革、M&A支援、経営管理等を専門としたコンサルティング会社であり、本社は日本の東京にある。
1983年12月に設立され、2023年4月時点で450名の従業員数が所属しているだけでなく、アメリカ・シンガポールの海外拠点、ドローン事業を手掛けるFuture Dimension Drone Institute、人事・経理分野におけるアウトソーシングサービスを手掛けるHorizon Oneをグループ会社として有する。
会社名 | 株式会社レイヤーズ・コンサルティング |
英語表記 | Layers Consulting Inc. |
従業員数 | 450人(2023年4月時点) |
本社所在地(国内) | 東京都品川区上大崎 |
レイヤーズコンサルティングの中途選考フロー
レイヤーズコンサルティングの中途選考フローは年度によって異なるが、募集しているポジションがある限り、随時選考が行われている。
基本的には以下のような中途選考フローになる。
- 書類選考
- Webテスト
- 1次面接(場合により2次面接あり)
- 最終面接
レイヤーズコンサルティングでは中途選考開始から内定獲得まで、転職活動は早くても2-3ヶ月を要する。
以下ではレイヤーズコンサルティングの選考フローを分解し、それぞれについて詳しく解説していく。
レイヤーズコンサルティングの書類選考・志望動機
レイヤーズコンサルティングへの転職の第一歩は書類選考である。
書類としては、履歴書と職務経歴書が必要となり、日本語か英語の指定は特に無い。
書類選考で特に注意して見られる書類は、履歴書と職務経歴書であり、記述すべきポイントとしては、「なぜ、レイヤーズコンサルティングで働きたいのか」、「どのようなスキル・経験を有するのか」の2点が挙げられる。
例として、実際にレイヤーズコンサルティングへの転職を成功させた2名の方の志望動機をお聞きしたので簡略化したものをご紹介する。
現職は、コンサルティング会社で事業・経営戦略を中心としたプロジェクトに従事している。日々、クライアントの事業・経営戦略を立案しているが、短期的な視点が多く、中長期的にクライアントを支援し続けていくための関係性を築こうという考えが抜けており、物足りなさを感じている。一方で、レイヤーズコンサルティングでは、クライアントとの末長い関係性を目指す「ロングリレーションシップ」を確立することに重視しており、その点について共感したので、応募に至った。
レイヤーズコンサルティング転職成功者Aさんの志望動機
現職は、事業会社の人事部で勤怠、労務、採用、福利厚生等、幅広く担当している。人事担当者として数年経験してきているが、課題感として感じていることがある。それは、経営陣の人事面での方針が現場の現状に合っていないことが多く、現場の社員が働き方・待遇面で不満を感じていることである。そういった現場が疲弊するような会社を人事の立場から支援していきたいと考えており、レイヤーズコンサルティングの特徴にある実行主義(現場、現物、現実に密着する三現主義に基づき、さまざまな経営課題解決に向け、クライアントの現場に常駐し、泥臭いところまで実行責任を持って支援する)は、自分自身の目的と非常に合っていると感じている。
レイヤーズコンサルティング転職成功者Bさんの志望動機
レイヤーズコンサルティングのWebテスト
レイヤーズコンサルティングへの転職活動で書類選考を通過すると、次の選考フローは適正試験としてWebテストを受験する必要がある。
レイヤーズコンサルティングでは、GABを使ったテストが実施される。
GABは、新卒での就職活動の際にも出てきた形式であるが、Webテストで落ちてしまうことは非常に勿体ないので、しっかりと予習・準備しておくことをオススメする。
レイヤーズコンサルティングの中途面接
ここではレイヤーズコンサルティングにおける中途面接の内容について解説していく。
一次面接(場合により二次面接あり)
- 面接担当者:シニアマネージャー、もしくは、ディレクター
- 質問内容:前職での業務内容、志望動機
レイヤーズコンサルティングの一次面接では、シニアマネージャー、もしくは、ディレクターが面接担当者になり、質問内容としては、前職での業務内容、志望動機等の書類選考の際の志望動機に関する深堀り質問がメインになる。
面接において見られているポイントとしては、「なぜ、レイヤーズコンサルティングを選んだのか。なぜ、そのポジションを応募したのか。そのポジションにマッチしているスキル・経験を持っているのか。」といった応募したポジションのマッチング度合いを注視している。
なぜなら、レイヤーズコンサルティングの求人情報には、該当するポジションの役割、担当するプロジェクト概要、必須・歓迎スキル等が詳細に抱えており、レイヤーズコンサルティング側で具体化に欲しい人材が明確になっているからである。
したがって、応募者は、事前に求人情報と自分自身のスキル・経験等が、どれくらい合っているか、を事前に確認しておくことをオススメする。
なお、コンサル未経験者の採用も積極的に実施しているが、その場合は、マネージャーレベルが面接官として1次面接、次にシニアマネージャー、もしくは、ディレクターが面接官として2次面接が実施される場合もあることを留意いただきたい。
私は、製造業におけるSCM部門出身で、SCMコンサルタントとして中途入社したのですが、面接ではかなり詳細の部分まで、自分の業務内容を質問されましたね。当時の面接官(今の上司)は、入社後に私が活躍できるのか、ということをイメージしながら、面接していたのだと思います。
レイヤーズコンサルティング転職成功者Cさん
最終面接
- 面接担当者:マネージングディレクター
- 質問内容:前職での業務内容、志望動機
レイヤーズコンサルティングの最終面接では、質問内容は1次面接と同様で、前職での業務内容、志望動機がメインとなる。
ここでも、「なぜ、レイヤーズコンサルティングを選んだのか。なぜ、そのポジションを応募したのか。そのポジションにマッチしているスキル・経験を持っているのか。」といった応募したポジションのマッチング度合いを注視しているが、マネージングディレクターは専門家というより、経営者よりであるため、業務内容の説明や志望動機等は、1次面接よりも「分かりやすい言葉、表現」で説明する方が、相手に理解されやすいので、その点を考慮することをオススメする。
また、面接担当者がマネージングディレクターということもあり、若干、威圧感を感じるかもしれないが、臆せず質疑応答できるようにしておこう。
マネージングディレクターは現場の専門家というより、どちらかというと会社の経営陣なので、正直、現場の話を細かくしても、あまり理解されないです。「結局、自分は、そのプロジェクトの課題に対して、どうしたのか。その結果、どうなったのか。」くらいのシンプルな説明でちょうど良いくらいだと思います。あと、ここだけの話、多くのマネージングディレクターは昭和のサラリーマン的な人が多いので、自分の情熱等を語ると受けが良かったりします。みなさん、熱い方々なので。(笑)
レイヤーズコンサルティング転職成功者Dさん
レイヤーズコンサルティングの転職難易度
ここではレイヤーズコンサルティングへの転職難易度や採用の傾向について解説する。
転職難易度
レイヤーズコンサルティングは、経営戦略、事業戦略・事業開発、経営管理、SCM、HR、IT、DX等の様々な領域のコンサルティングサービスを提供しており、(コンサル未経験も含めて)多くのポジションが採用中となっている。
また、各ポジションにおいても募集人数が3~10名と複数人数を求めているため、他のコンサルティングファームに比べて、転職難易度は高くないようだ。
おかげさまでクライアントからの引き合いが多いため、様々なポジションで人が足りない状況になっています。なので、募集しているポジションに適性な人材がいれば、喉から手が出るほど欲しいですね。人がいないからクライアントからの依頼を断るような販売損失は避けたいので、積極的に採用活動を行っていますよ。もちろん、誰でも良いっていうわけではないですけど。
レイヤーズコンサルティング転職成功者Eさん
求める人物像・選考基準
他のコンサルティングファームと比べて、転職難易度が低い印象があるレイヤーズコンサルティングだが、それでも最低限のコンサルスキルや特定の業界に関する専門性等、求める人物像・選考基準はあるようだ。
なので、転職を検討する人は、面接の限られた時間の中で、レイヤーズコンサルティングが求める人物像を、自身の経験や人柄と合わせて十分にアピールすることが求められる。
具体的には下記のような経験やスキルセットを保有している人が比較的採用されやすいようだ。
- 物事を深いレベルで考えることができる
- スピード感を持って業務に取り組める
- チームワークを発揮して課題に取り組める
- 責任感と完遂力を持って業務に取り組める
- 高いコミュニケーション能力を持つ
- 新しいことにチャレンジする柔軟性がある
レイヤーズコンサルティングへの転職後の年収
レイヤーズコンサルティングの役職 | 年次(目安) | 年収(目安) |
コンサルタント | 1~5年目 | 400~600万円 |
シニアコンサルタント | 4~8年目 | 600~800万円 |
マネージャー | 8~14年目 | 800~1400万円 |
シニアマネージャー | 14年目~ | 1100~1500万円 |
ディレクター | 実力による | 1500万円~ |
マネージングディレクター | 実力による | 2000万円~ |
上記はレイヤーズコンサルティングの役職別・年齢別の目安年収である。
役職に紐づく形で年収レンジが定められており、年収レンジの中では評価の積み重ねで変わってくる。
未経験からレイヤーズコンサルティングに転職した場合、ポジションは「コンサルタント」または「シニアコンサルタント」になるため、転職後の年収は400~800万円程度になる。
ただし、コンサル未経験でも前職でSIerなどで要件定義やPMO経験が豊富な方は「マネージャー」として採用される人もいるようだ。
年俸制なので、スポーツ選手のプロ契約のような気持ちになり、プロフェッショナルとしての自覚が芽生えますね。頑張った分だけ、次年度の年俸が上がるのでモチベーションが上がりますし、変に残業して稼ごうなんて気持ちもおきません。賞与があると、もらった次の日から燃え尽き症候群みたいになってやる気が無くなりそうですけど、年俸制ならそういった状況には陥りにくいと思います。
現役レイヤーズコンサルティング社員D氏
各プロジェクトでの評価を総合して年収が決まるので、「1人の上長次第」で評価が決まることはありません。なので、極論、合わない上長からの悪い評価をもらったとしても、他の複数のプロジェクトの上長の評価が良ければ、総合的には「良い評価」をもらえます。評価に歪が起きないように、分散されている点も良い仕組みだなと思います。また、評価基準については、定性的な部分が多いですが、改善していこうという動きもあるので、今後は、更に公正に評価される仕組みになっていくと思います。
現役レイヤーズコンサルティング社員E氏
レイヤーズコンサルティングの評判
ここではレイヤーズコンサルティングのポジティブ・ネガティブの両面の評判をご紹介する。
ポジティブな評判
「やばい」という噂も多いレイヤーズコンサルティングだが、ここでは元・現役レイヤーズコンサルティング社員に入社して良かったことを聞いた内容をご紹介する。
忖度なしの意見をもらったのでぜひ参考にしていただきたい。
日本企業らしく「顧客ファースト」が根付いており、熱心に仕事に取り組んでいる社員が多いことは、良いことだと思います。仕事ってそもそも顧客の課題を解決するためにあると思いますし、全員が、一途にその目的に向かって取り組んでいますね。真っ直ぐに仕事に取り組むことの大切さを教えてくれる企業です。
現役レイヤーズコンサルティング社員B氏
「手を挙げれば、チャレンジさせてもらえる環境」があったと思います。特に若手社員にはチャンスを与えて、どんどん成長させようという文化がありました。残念ながら育った若手社員が様々な理由で退職していったこともありましたが、「レイヤーズコンサルティングで培った経験・ノウハウを外で試したい!」という前向きな理由で辞めた社員もいるので、全てをマイナスに捉える必要は無いかなと。「有望なコンサルタントをどんどん輩出する企業のレイヤーズコンサルティング」というイメージがあっても、それはそれでレイヤーズコンサルティングのブランドになると思います。ちなみに、私も「外で実力を試したい!」と思って辞めた若手の1人ですが(笑)。レイヤーズコンサルティングには感謝しています。
元レイヤーズコンサルティング社員E氏
ネガティブな評判
一方で、元・現役レイヤーズコンサルティング社員からネガティブな声もあがっている。
ネガティブな声は「やばい」という評判に繋がる要素でもあるためぜひ参考にして頂きたい。
給与、評価制度、福利厚生等は、まだまだ改善傾向にあると思いますね。数年前までは、「24時間働けます」という体育会のノリの日系コンサルだったので、変革にはまだ時間がかかると思います。ただし、時間はかかっていますが、制度自体は整いつつあったりするので、後は文化としていかに形成していくことが課題なのかなと思いますね。
現役レイヤーズコンサルティング社員D氏
私が在籍していた頃は、女性の社員は少なく、キャリアプランや福利厚生も整っていませんでした。良く言えば「男女関係無く、成果を出せば評価される職場環境」でしたが、悪く言えば「家庭、育児、プライベートを顧みず、仕事一筋の社員だけが、活躍できる職場環境」でした。ただ、今では、母体保護休暇、出産休暇、育児休業、ベビーシッター補助等の制度が導入され、女性社員も昔に比べるとかなり増えてきているので、退職した身ではありますが、今後もこの流れが続いていって欲しいなと思いますね。
元レイヤーズコンサルティング社員F氏
レイヤーズコンサルティングへの転職成功者が教えるやるべきこと
ここでは、レイヤーズコンサルティングに転職を成功させた方々に、そのポイントをお聞きしたいので紹介する。
レイヤーズコンサルティングへの転職を成功させるためにやるべきことは大きく3つあげられる。
レイヤーズコンサルティングの調査
レイヤーズコンサルティングへの転職では、まず、「レイヤーズコンサルティングをよく知る」ということが重要になる。
志望動機・面接時に注視されるポイントでも記載したが、レイヤーズコンサルティングへの転職を成功させるためには、「なぜ、レイヤーズコンサルティングを選んだのか。なぜ、そのポジションを応募したのか。」をしっかりと記載、説明できるようにしておくことが必要になる。
そのためにも、レイヤーズコンサルティングの特徴や応募を考えているポジションの役割や、必須・歓迎スキル等を調べておくことをオススメする。
レイヤーズコンサルティングのHPはある程度、情報が豊富にあるので、レイヤーズコンサルティングの特徴、紹介されているコンサルタント、最新ソリューション・事例等は見ておきましょう。また、最近では福利厚生や研修制度にも力を入れているので、そういった部分もしっかりと調査しておくことをオススメします。
レイヤーズコンサルティング転職成功者Aさん
自分の経験・スキルの整理
レイヤーズコンサルティングの調査を実施した後には、自分の経験・スキルの整理をしておこう。
この点も、志望動機・面接時に注視されるポイントである「そのポジションにマッチしているスキル・経験を持っているのか。」といった応募したポジションのマッチング度合いについて、面接時に詰められないようにすることが転職への近道となるため、しっかりと自己分析をしておいた方が賢明である。
特にコンサル未経験者の応募者は、コンサル出身者に比べて、募集ポジションにマッチングできる要素が少ないため、現職の業務の棚卸を、友人・知人・転職エージェントの力を借りてでも、実施しておくことをオススメする。
自分の経験・スキルを整理し、分かりやすく説明できるように準備しておくことは必須と考えて良いです。そこをサボって、書類選考で落ちると勿体ないので。あと、レイヤーズコンサルティングだけではなく、転職活動全般として自分の経験・スキルの棚卸をしておいて損は無いので、今回を機に整理しておく方が、将来的に楽になりますよ。
レイヤーズコンサルティング転職成功者Bさん
選考対策
最後は、何と言っても選考対策である。
レイヤーズコンサルティングは積極的に人材を採用しているという背景がありつつも、レイヤーズコンサルティングへの転職チャレンジは、何度もできることではないので、徹底した選考対策をしておくことをオススメする。
ここでいう選考対策とは、面接対策はもちろん、書類準備、Webテストの勉強等、選考フロー全般を指す。
書類は自分自身で何度も見直すだけでなく、友人・知人にも協力してもらうことも効果的だ。
また、Webテストは就職活動の時の記憶はあてにならないので、しっかりと勉強しよう。
そして、言わずもがな、面接対策は何度も、質疑応答のシミュレーションをして、訓練することをオススメする。
面接官次第では、自分の業務のことについて、重箱の隅をつつくような質問をしてくる可能性があるので、友人・知人、もしくは、転職エージェントに意見をもらいながら、対策していくことが、レイヤーズコンサルティングへ転職には重要になる。
書類選考、Webテストはもちろんですが、一番、対策を練ったのは、やっぱり面接ですね。業務説明については、かなり細かい内容まで聞かれると聞いていたので、しっかりと準備しました。多分、面接担当者の人が、私の業務内容の説明を全部覚えていたら、業務をそのまま引き継げるレベルでしたよ。(笑)
レイヤーズコンサルティング転職成功者Cさん