本記事ではコンサル業界を長年見てきた筆者が、未経験からのコンサル転職について徹底解説していく。
筆者のコンサル業界での経験に加えて、実際に未経験からコンサル転職を成功させた方々へのインタビューを踏まえてご紹介する。
- 未経験からコンサル転職の最新トレンド
- 未経験からコンサル転職のメリット・デメリット
- 未経験からコンサル転職を成功させる方法
未経験からコンサル転職を目指す上でぜひ参考にしていただきたい。
Contents
コンサルにおける中途未経験採用の比率
以下はコンサルキャリアにてコンサル転職経験者にインタビューを行った情報をもとに、コンサル転職者における「コンサル経験者」と「コンサル未経験者」の割合を表したものである。
直近はコンサル人口が増加していることもあり、コンサル経験者によるコンサル転職も増えているが、それでも8割程度がコンサル未経験者となっている。
よく「コンサル転職は未経験だと難しいか?」という質問をいただくが、実際にファクトを見ていくと多くの人が未経験でコンサル転職を成功させているという実態がある。
難しい?未経験からコンサル転職の難易度
結論から言うと、現状未経験からのコンサル転職難易度はかなり下がっていると言える。
その大きな理由として「コンサル業界の拡大」がある。
以下はIDC Japanによる国内ビジネスコンサル市場の市場予測である。
これまで急激な成長を遂げてきたコンサル業界であるが、今後の引き続き伸び続けることが予測されている。
こうしたコンサル需要の拡大に伴い、各コンサルファームが人員数の拡大を強化している。
また、広告代理店やSIerなど業界外からコンサル市場への参入も活発になっている。
ドリームインキュベータやイグニションポイントとの資本提携でコンサル機能を強化する電通。
電通の他にも日系大手企業によるコンサル部署やコンサル子会社の設立といった動きが増えてる。(事例はスレッド👇)https://t.co/OvHza4jao3 pic.twitter.com/PDQPCiF7oZ
— コンサルマン (@mr_grayhair) February 26, 2023
従来は少数精鋭としてコンサル業界への転職難易度は非常に高かった。
しかし、上述の市場規模拡大(=採用数拡大)に伴い、転職者の学歴や職歴、年齢の幅も広がり、転職難易度も下がっている状態と言える。
ただし、過去から相対的に転職難易度が下がっているというだけで、未経験からのコンサル転職は決して簡単ではないという点はご留意いただきたい。
未経験からのコンサル転職者の学歴・職歴のリアル
コンサルファームの採用数拡大に伴い、未経験からコンサル転職者の学歴や職歴の幅も広がっているとご紹介したが、ここでは詳細について解説していく。
学歴
特に大手コンサルファームになると、現状でも東大/京大/旧帝大/一橋/早慶/MARCH/関関同立などが一つの基準になっているようだ。
しかし上述の通り、学歴ハードルは年々下がっており、過去には「MARCH/関関同立」は難しいと言われていた時代もあった。
未経験からコンサル転職をする場合、学歴によらず前職の深い知見や経験があれば、その点を評価されて入社されるケースも増えている。
少し極端な例ではあるが、工業高校から中小企業に就職後、未経験で大手コンサルファームの1社であるPwCコンサルティングに転職を成功させた方もいるようだ。
参考記事:【山下良輔】工業高校から、有名コンサルに転職した31歳の逆転人生
職歴
上記の通り、中小企業やベンチャーからでも未経験でコンサルファームに転職することも可能である。
一方で、一定の傾向というものがあるのは事実であり、特に「SIer」「法人営業」「経営/事業企画」のいずれかの職歴を持つ方が多い傾向がある。
SIerについては、”DX”が大きなトレンドになる中でコンサルファームとしても特に「テクノロジーの知見がある人材」の採用ニーズが大きくなっており、高く評価される。
また、法人営業については、"顧客に提案をして実際に動いてもらう"というコンサルワークと類似した経験が詰めている点が評価されやすい傾向がある。
最後に経営/事業企画については、コンサルとやり取りすることが多い部署であり、当事者の立場で社内の複雑な力学を体感しながら物事を進めてきたという経験は評価されやすい傾向がある。
未経験コンサル転職の年齢別トレンド
未経験でコンサルに転職できる年齢というのは一定の基準が存在する。
未経験でのコンサル転職を年齢別で考えた時に特に気をつけるべき「第二新卒」と「30代」について以下について詳述する。
未経験×第二新卒
未経験×第二新卒でのコンサル転職は引き続き根強いトレンドがある。
数年であっても他業界で経験があるというのは、コンサル転職において評価される。
- 数年でも他業界の経験があり、業界の内情や構造を経験値として知っている
- 目立つようなスキルや知識でなくても、他業界で培ったスキルや知識がある
- プロフェッショナルとしての振る舞いが求められる中で、社会人の基礎ができている
前職では多くの経験や深い知見を身につけられていないかもしれないが、第二新卒であればまだまだビジネスパーソンとしての柔軟性も持ち合わせており、転職後にコンサルタントとしてのお作法を身に付けやすいという点も採用側のコンサルファームとしても評価しやすいポイントである。
未経験×20代後半~30代前半
未経験×20代後半~30代前半はもっとも採用ニーズが強い年齢層である。
前職での経験や知見を持っており、クライアントに対して新卒コンサルとは異なる価値を提供できるため、未経験であってもコンサルファームは常にこの年齢層の採用を積極的に行っている。
一方で根強いニーズがある中で、未経験からならではの転職失敗事例が多くなるのもこの年齢層である。
筆者自身、コンサルファームで様々な人を見てきたが、未経験×20代後半~30代前半でのコンサル転職の場合は、具体的に以下の覚悟が必要だと考えている。
- 未経験として1からスタートであるという意識を持つ
- ランクを上げ過ぎない
現職でどれだけ活躍していようとも、未経験でコンサル転職する以上、これまでの経験や実績は一度捨て去ることが必要になる。
もちろん活用できる経験やスキルはあってもコンサルワーク自体は未経験であり、コンサルティングスキルで見ると新卒コンサルとの差は歴然である。
そして場合によっては「年下の上司」に詰められることや教えを乞うことが必要になる点も認識しておく必要がある。
未経験×30代後半~40代
これまで未経験×30代後半~40代でコンサル転職をするのは難しいと言われてきた。
しかし、最近では未経験×30代後半~40代であっても徐々にコンサル転職成功事例も出てきているようだ。
総合ファームの場合は重点領域への深い知見や業界のパイプラインを持つ方であれば、コンサルティング未経験であってもそこはチームで補填できると考えるファームも存在しているため、特に事業会社やSIerで"DX"関連の経験がある人であれば、未経験であっても総合ファームへの転職という道が開かれている。
ただし、決して門が広いわけではない点は留意しておく必要がある。
未経験からのコンサル転職成功者例
上述の通り、未経験からのコンサル転職者は多い。前職としてはSIerや法人営業、経営/事業企画経験者が多い傾向があるが、その他にも幅広いバックグラウンドの方々がコンサル転職を成功させている。
以下は未経験からコンサル転職を成功させ、コンサルキャリアにて独自インタビューを行った方々である。
自身の未経験からのコンサル転職のイメージを具体化させる上で、ぜひ参考にしていただきたい。
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前職 | 転職時年齢 | 転職先 |
大手保険会社 | 29歳 | EYストラテジー&コンサルティング |
レジャー企業 | 30歳 | アクセンチュア |
メガベンチャー | 29歳 | デロイトトーマツコンサルティング |
自動車部品メーカー | 26歳 | ベイカレント・コンサルティング |
繊維メーカー | 29歳 | アクセンチュア |
国内機械メーカー | 30歳 | PwCコンサルティング |
監査法人 | 31歳 | EYストラテジー&コンサルティング |
ベンチャー企業 | 27歳 | PwCコンサルティング |
大手日系電機メーカー | 25歳 | アクセンチュア |
未経験でコンサル転職するメリット
ここでは未経験からコンサル転職のメリットについて、実際に未経験からコンサル転職を成功させた方々にインタビューした内容をご紹介する。
大きく3つあります。まず、これまで自社の業務改善にのみ携わることができましたが、現在は業界問わず様々なクライアントの業務改善に貢献できる点です。
次に各プロジェクトの経験を次のプロジェクトに活かす過程で自身の成長を実感できる点、最後に自身の成長に応じて昇進や賞与という形で報酬アップが期待できる点です。
保険会社から未経験でコンサル転職したN.Sさん
知的好奇心が満たされるところにあります。
日々、お客様とコミュニケーションしていく中で幅広い業界知識と業務レベルでの知識が求められますが、膨大な量をキャッチアップしていく過程において蓄積されてきた知と知が相関を生み、予期せぬ化学反応が起きる瞬間にやりがいと快感を覚えます。
勿論、平坦な道のりではありませんが、仕事を通じて様々な分野について学べる環境にあることが非常に恵まれていると感じています。
繊維メーカーから未経験でコンサル転職したK.Kさん
多種多様な案件に関与できるため純粋に好奇心が満たされことや、クライアントの経験豊富なリーダーシップクラスの方と直接コミュニケーションが取れるという刺激的な機会にやりがいを感じます。
また、徐々に個人でプロジェクトを推進できるようになっている実感を感じられるため、スキルアップや成長という観点でも充実した3年間を過ごせています。
前職でプロジェクトのリードを担うのはもっと年次を積み重ねる必要があったため、早いうちにこのような経験ができていることは前向きにとらえています。
メガベンチャーから未経験でコンサル転職したM.Yさん
様々なプロジェクトを通じて、自分自身のビジネススキルを養うことができる点です。 課題の分析、提案内容の検討、実現方法の検討など、をクライアントとディスカッションしながら、プロジェクトを成功に導くためのスキルを実践を交えながら、培うことができます。
また、様々な業界やクライアントについて、勉強できる点も良いです。 業界の知見を広げるだけでも、労働市場において価値ある人材になれているという実感が持てるのもやりがいにつながっています。
ベンチャーから未経験でコンサル転職したA.Mさん
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未経験でコンサル転職するデメリット
一方で、未経験からのコンサル転職はメリットだけではなくデメリットも存在する。
ここでも実際に未経験からコンサル転職を経験した方々からインタビューを通じて生の声を集めたのでぜひ参考にして頂きたい。
これまでの仕事の進め方よりも物事がスピーディーに進んでいくので、納期が近いと感じるタスクを常に抱え、かつどのように問題解決をするかが見えていない状態からスタートするため、頭をフル回転させ続ける癖をつける必要がある点が大変です。
コンサルとして当然ではあるのですが、頭の使い方を新たに学ぶことに日々奮闘中です。
レジャー企業から未経験でコンサル転職したN.Aさん
専門用語、コンサルとしての基本動作等、何もかも知らない段階からのスタートだったので、とにかく必死についていくことで精一杯でした。
特に大変だったのは、夜遅くまで仕事をするための体力が必要なだけでなく、大変な中でも良い提案を考えなければいけないという点でした。
また、短時間で頭をフル回転させて、物事を考えるということも大変でした。言っていることを理解するだけでも精一杯なのに、そこから自分なりの付加価値をつけることはタフな業務でした。
ベンチャーから未経験でコンサル転職したA.Mさん
特に自分の様なコンサル未経験者が多くぶちあたる壁ではありますが、 ロジカルシンキングを徹底すること、しゃべる内容の1フレーズであっても筋が通っていて相手を納得されられること、自転車をいかに早く上手く乗れるかと言った半暗黙知的なコンサルベーシックスキルを初めはどの様に身につければいいのか戸惑いました。
加えてドキュメンテーションの品質についても前職とは比較にならない水準を求められるので(お金を頂戴して場合によっては成果物として納品するので当たり前なのですが)その点に苦労しました。
機械メーカーから未経験でコンサル転職したM.Yさん
働き方や求められる素質が180度変わる中で、その環境に順応していく過程が非常に大変でした。
前職のなごりから、プロジェクト単位でジョブを進める働き方にも慣れていなかったため、プロジェクトが変わる度に、求められる知識のキャッチアップや一からステークホルダーとリレーション構築していく過程に苦労しました。
前職でもジョブローテーションはありましたが、ローテーション期間が3~5年と比較的現職より、長期スパンであったことや、部署異動をしたとしても、商品(自社)知識があれば、比較的キャッチアップが容易な環境であったことからも、現職の働き方に苦戦した背景があります。
繊維メーカーから未経験でコンサル転職したK.Kさん
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未経験のコンサル転職で向いている人・向いていない人
筆者はこれまでコンサルで活躍している人から、なかなか力を発揮できなかった人まで様々な人を見てきた。
その経験を踏まえて、コンサルに向いている人の特徴をまとめると以下の6個にまとめられる。
- 人間的な魅力がある(チャームがある)
- 肉体的にタフである
- 精神的にタフである
- 成長意欲が高い
- 知的好奇心が強い
- クライアントの成長を喜べる
逆に上記のうち1つでも決定的に欠けるものがあれば、未経験でコンサル転職するのは危険と言える。
実際に、筆者が過去に出会った"コンサルに向いていなかった"方の事例をご紹介する。
まずはAさんは思考力や各種ハードスキルも高いレベルで備えており、一見コンサルに向いている人に思えた。しかし、唯一「肉体的なタフである」という特徴だけがなく、結果として激務な仕事環境の中で、肉体が悲鳴を上げてしまいコンサル業界を去ることになってしまった。
次にBさんは肉体的にも精神的にもタフで、成長意欲や思考力も高く、早いスピードで昇格しており、同様にコンサルに向いているように思えた。しかし、下位メンバーの接し方が雑で、気配りができずチームコンディションは悪化する一方で、「Bさんの下にはアサインされたくない」という人が続出してしまった。
未経験のコンサル転職で見られるポイント
未経験のコンサル転職では「思考力」と「コミュニケーション力」が基本的に見られることになる。
実際、筆者はコンサルファーム時代に面接官経験があるが、明確に上記2点については評価項目として定められていた。
思考力について
言わずもがなではあるが、コンサルワークにおいて思考力は最重要要素である。
難易度が高い課題を解決するからこそクライアントから高いフィーをお支払い頂けるため、そうした難易度が高い課題に向き合う思考力が求められる。
具体的には複雑な問題に直面した際に思考停止しないか、物事を多角的に俯瞰して考えられるか、それを素早く思考できるかと言った点を見られることになる。
そのためにコンサルファームの面接ではケース面接を行うことが多い。
コミュニケーション力について
どれだけ質の高い合理的な提案をしても、それが実行されなければ価値が発揮されないのがコンサルファームのアウトプットの特徴である。
提案の仕方はもちろん、提案を受け入れてもらいやすいようなクライアントとの関係構築、言語化されていないクライアントの心情や社内力学の把握など、コミュニケーション力が重要になってくる。
時折、魅力的な経験があり、かつ思考力は高いがどこが無愛想(=コミュニケーション力が低い)ということでコンサルファームの面接で落ちてしまう人がいる。
そのぐらいコミュニケーション力は重要であるという点は認識していただきたい。
未経験のコンサル転職でMBAや英語は必要なのか?
未経験からのコンサル転職をする方から寄せられる質問としてトップクラスに多いのが「MBAや英語は必要か?」である。
ここでは未経験からのコンサル転職において「MBAや英語の必要性」について解説する。
結論としては、MBAや英語は必須ではない。
MBAについて
コンサルファームの面接官経験を踏まえて、コンサル転職においてMBAの有無で選考に有利になることはないと言い切っても決して過言ではない。
MBAで学べる内容自体はコンサルワークで学べると言われることも多く、採用側としてもMBAの有無よりも実際の思考力やコミュニケーション力が遥かに重要視している。
実際にMBAを取得した方から話を聞くと「MBAで学べることは正直コンサルで学べる。MBAの価値は学ぶ内容ではなく、ネットワーク形成」(コンサル出身のMBAホルダー)といったコメントがあった。
英語について
英語についてはファームにより多少濃淡はあるが、特に近年は英語力を問われることが極端に少なくなっているようだ。
過去にはマッキンゼーやベインなどの戦略コンサルファームでは英語面接が存在したが、規模拡大に際して英語面接はなくなったと言われている。(仮にあったとしても最低限の英語力や英語への抵抗がないかをチェックされる程度)
また、総合コンサルファームではもともと戦略コンサルファームほどグローバルオフィスとの交流がないこと、また英語が得意な人とそうでない人との業務上の棲み分けができていることから、全員に英語力は求められていない状況である。
一方で、コンサルファームに入社後は英語できる/できないでアサイン機会が大きく変わってくるため、入社時に求められなくとも自己研鑽していく必要がある点は覚えておいて頂きたい。
未経験からコンサル転職を成功させるためのポイント
ここでは未経験からコンサル転職を成功させるためのポイントを解説する。
実際に未経験からコンサル転職を成功させた方々複数人にインタビューを行い、「転職を成功させるためにやって良かったこと」をお聞きしたのでランキング形式でご紹介する。
1位:コンサル転職特化のエージェント活用
未経験からコンサル転職を成功させるためにやって良かったこととして、もっとも多くあがったのが「コンサル転職特化のエージェント活用」である。
コンサル転職特化のエージェントを通じて様々なコンサルファームの紹介を受けたことや、実際に複数社にエントリーしたことで、自分自身の市場価値を知ることができました。
リファラル採用や、エントリー先を絞った転職活動ではどうしても市場価値を測れず、場合によっては自身の市場価値よりも低い年収での転職になる可能性もあります。私の場合は、知見・ノウハウが豊富なコンサル転職特化のエージェントを活用したため、結果的に年収も1.5倍くらいにUpできました。
監査法人から未経験でコンサル転職したD.Tさん
コンサルティングファームに入社するためにはケース面接対策が欠かせません。ケース面接は一般的な面接と異なり徹底的な対策なしでの通過は難しいですが、対策ができるエージェントは限られています。
コンサル転職に特化したエージェントにサポートしてもらいながら対策を進めることができたことは転職成功のポイントだったと思います。
繊維メーカーから未経験でコンサル転職したK.Kさん
2位:自分のキャリア・強みの棚卸し
未経験からコンサル転職を成功させるためにやって良かったこととして、次に多かったのが「自分のキャリア・強みの棚卸し」である。
「自分がどのようにキャリアを積んできたのか」を整理するということはやって良かったなと思いました。
自分に何ができて、どういう業界が得意か、強みは何なのか等を可視化できるようになったので、面接時もスムーズにお話することができました。
ベンチャーから未経験でコンサル転職したA.Mさん
未経験からコンサルに転職される方は、「今後、コンサルとして活躍できるポテンシャルがあるか」を見込まれて入社されるケースが多いと感じています。
そのため、転職前に培った業界知識や業務レベル、スキルなどを面接で問われることも多く、面接前に自分自身のこれまでのキャリア・強みなどを棚卸し言語化しておくことがおすすめです。
繊維メーカーから未経験でコンサル転職したK.Kさん
得意なことの棚卸しをする上では以下の「totolabo」の記事も参考にしていただきたい。
>>https://totonoesan.com/how-to-discovery-goodpoint/
3位:コンサル業界・業務の解像度を上げる
未経験からコンサル転職を成功させるためにやって良かったこととして、さいごが「コンサル業界・業務の解像度を上げる」である。
自分と同じようなバックグラウンドを持つ現役コンサル・元コンサルから話を聞き、コンサル業界・業務の解像度を上げておくというのが最も効果的でした。
やはりコンサルと言っても中には様々な人がいます。とにかく最速昇進・昇給、キャリアアップを考えて激務歓迎というタイプ、私のように長期的なキャリアの選択肢としてワークライフバランスも意識しながら着実にスキルアップもしていきたいというタイプ、辞める前提でキャリアチェンジの機会として割り切っているタイプ、など。
自分としてこういうキャリアを歩みたいと言い切れると面接では強いなと思います。
レジャー企業から未経験でコンサル転職したN.Aさん
面接を通じて転職先として「なぜコンサルなのか?」というのは繰り返し問われました。その背景としては、未経験からコンサル業界に転職するにあたり、コンサルとしてやっていく覚悟はあるか、働くイメージが持てているかを確認されていたのだと思います。
なので、現役コンサル・元コンサルから話を聞き、正確ではなくてもできる限り業界や業務の解像度を高めておくというのは重要かなと思います。
オフィス家具メーカーから未経験でコンサル転職したT.Mさん
未経験からコンサル転職を成功させるための対策・スケジュール
採用規模が拡大して、選考ハードルが低くなっているとは言え、未経験からのコンサル転職の難易度はまだまだ高いと言える。
そのため、コンサル転職を目指す上では戦略的にスケジューリングを行い、徹底的な対策が必要になる。
以下ではスケジュール例と具体的な対策方法について解説する。
コンサル転職スケジュール
過去に筆者が未経験からのコンサル転職をサポートした事例や、未経験からコンサル転職を成功した方々のお話を踏まえると、平均的な転職スケジュールは以下のようになる。
- エージェントとの面談/戦略策定(1-2週間)
- 応募書類の作成/応募(1-2週間)
- 対策(適性試験/面接)(2-6週間)
- 適性試験(筆記/web)(1-2週間)
- 面接(1-5回)(1-6週間)
- 内定(1-2週間)
以下では特に重要な適性試験(筆記/web)と面接対策について解説する。
適性試験(筆記/web)対策
コンサル転職における適性試験のポイントとして以下の2つは覚えておいていただきたい。
- 効率的に適性試験対策を行うためには、受けるコンサルファームの選定が重要
- 適性試験の難易度が高い分、早めにかつ計画的に対策を進めることが重要
適性試験の内容が共通しているコンサルファームも存在するが、オリジナル試験となっているファームも多い。
適性試験の難易度が高く、徹底的な対策が必要なコンサル転職において、すべてのコンサルファームの適性試験対策を行うことは時間/労力が分散してしまうため、決して望ましいとは言えない。
そのため、志望度の他に適性試験の内容という観点からも受けるコンサルファームの選定を行う必要があるのだ。
また、各試験の難易度が高く、後続に控えるケース面接の対策も行う必要がある分、できるだけ早めにかつ計画的に対策を進めていく必要がある。
以下の記事で各ファームの適性試験の内容と、対策テキストをご紹介しているのでぜひ参考にしていただきたい。
面接対策
未経験からのコンサル転職で特に大きなハードルになるのが「ケース面接」である。
ケース面接とは、与えられたお題に対してお題を定義した上で、事実と仮説を使い分けて論理的に解を出していく面接である。
ケース面接を通じて、論理的思考力や課題解決力、コミュニケーション力を評価されることになる。
▼ケース面接における例題
- コンビニの売上を1.5倍にするには
- 1000円カットの売上を上げるには
- 地球温暖化を防止するためには
- 日本サッカーを盛り上げるためには
ケース面接は徹底的な対策をしなければ通過することが難しいと言っても過言ではない。
実際、未経験からコンサル転職を成功させた方からもそういった声があがっている。
ケース対策を行う上では「紙とペンを使って、机上でひたすらケース問題を解く」→「慣れてきたら転職エージェントに模擬ケース面接を繰り返し行ってもらう」という流れをおすすめしたい。
机上で解けない問題は、ケース面接の場で解けることは絶対にないため、まずは徹底的に机上で訓練をすることである。
その際、"何となく考える"ではなく、紙とペンを使って頭が擦り切れるくらい考えるということを繰り返し、稽古量を積む必要がある。
>>ケース対策でおすすめの本はこちら
机上でのケース問題に慣れて来たらより実践に近い形で対策するために、転職エージェントに模擬ケース面接をしてもらうことをおすすめしたい。
この際、すべての転職エージェントがケース面接対策ができるわけではないという点はご注意いただきたい。
未経験からのコンサル転職支援実績があり、元コンサルファーム出身者が在籍するコンサル特化の転職エージェントを活用することをおすすめしたい。