論理的思考力がある人は頭がいい、仕事ができるなどと言われることがある。
しかしそもそも「論理的思考力」とは何かについて言語化できている人は意外に少ない。
本記事では論理的思考力について解説するとともに、論理的思考力の鍛え方についてもご紹介していく。ぜひ論理的思考力を身に付け、ぜひビジネスや様々な場面で役立てていただきたい。
Contents
論理的思考力とは?
論理的思考力とは、物事を全体的に捉えて要素ごとに分解し、論理の矛盾や飛躍がないように要素を組み合わせたり、筋道立てて整理したりする考え方のことである。
ロジカルシンキングとも呼ばれ、現状を分析したり問題を解決したりするのに役立つ。論理の矛盾や飛躍がないため、自分の考えを相手にわかりやすく伝えることが可能になる。
現状分析や問題解決能力、個人の感情によらない論理的な主張など、役立つ場面はビジネスで頻繁に出てくるため、論理的思考力はビジネスで求められる考え方とも言える。
論理的思考力の具体的なアプローチ法には、主に演繹法と帰納法が存在する。
演繹法は既存のルールや誰もが納得できる事実に事象を当てはめていき、結論づけるものである。
一方帰納法では、現在ある事象やデータを組み合わせて、共通する事柄から結論を出していくもので、ビジネスシーンでは帰納法が活用されることが圧倒的に多いと言われている。
以下は帰納法をベースに論理が成立している場合とそうでない場合をわかりやすく表したものである。
上記を見ると「まさか自分はこんな間違いはしない」と大半の人が思うが、ビジネスシーンで論理が成立していない人は驚くほど多い。
また思考の過程でロジックツリーという仕組みを使うこともある。これは現状の要素を漏れなくダブりなく並べて整理し、原因を掘り下げていくのに役立つ思考のフレームワークの一つである。
論理的思考力が高い人の特徴
次に論理的思考力が高い人の特徴について解説していく。
何に対しても「なぜこうなっているのか?」と考えられる
上司からの指示や会社の慣習など、そのまま受け入れがちなことであっても、論理的思考力がある人は一旦「なぜこうなっているのか?」を考えることができる。
たしかな根拠があるのか自分で考えてみたり、不明点があるときは質問したりすることができる。このように身近な様々な事象に対して疑問を持って考えることができるのが、論理的思考力が高い人の特徴である。
目標を理解し適切な行動をとることができる
論理的思考力がある人は物事を筋道立てて考えられるので、達成したい目標から順序だてて逆算して行動することが得意である。
たとえば営業で前年比20%増の利益を上げたいという目標があったとして、ただ闇雲に営業を頑張るだけではなかなか達成できない。
そうではなくまず目標から逆算して現状を分析することで、単価が高い商品を購入してくれる会社に集中的に営業をかけるなどの具体的な行動を設計した上で動き始めることができるのも、論理的思考力が高い人の特徴である。
相手にわかりやすく話を伝えることができる
論理的思考力が高い人は筋道立てて話を伝えられる。。途中で話が急に飛ばないので、相手にわかりやすく伝えられる。
また、論理的思考力が高い人の主張には、たしかな根拠や理由がセットになってくる。そのため話に説得力があり、話を聞く相手の立場や年代が違う場合でも伝わりやすい。
さらに、論理的思考力が高い人は相手に話をわかってもらうために、自分だけでなく相手の立場からも考えることができる。
「わかりづらい部分はないか?」「相手が受け入れられる主張か?」と話を聞く相手のことを考えながら、わかりやすく話せるのも論理的思考力が高い人の特徴である。
論理的思考力を鍛えるメリット
上記にて論理的思考力の高い人の特徴を解説したが、なかなかハードルが高く、「今の自分は論理的思考力が高い人に当てはまらない」と考える人も多いかもしれない。
しかしコンサルキャリア編集部の実体験からも論理的思考力は鍛えることが可能であると言える。まずはそのメリットを解説していく。
効率よく状況や全体を把握できる
現状を把握したいときに必要な情報が1か所にまとまっていないことは多い。こうした状況把握や分析に論理的思考力が役に立つ。
たとえば売上が低いという会社の現状を分析したいとき、問題が営業部と製造部、さらには離職率が高く会社の利益に貢献できる若手が育たないという人事部にもあった、という形で取得すべき情報が分散している場合も多い。
論理的思考力を鍛えれば、必要な情報を漏れなく集めて構造的に組み合わせることができる。ロジックツリーなど思考のフレームワークが身に付けばさらに思考スピードも向上し、効率よく把握することが可能となるのだ。
問題解決に役立つ
論理的思考力は問題解決に使える考え方である。
論理的に問題を考え整理することで、原因を特定できたり本質的な対応策を立てることができる。
ビジネスシーンでは顧客の課題に対応して最適な商品を提案したり、売上低下の改善策を考えたりするなど、問題解決能力が求められる場面が頻繁に出ててくる。
そのため、ビジネスシーンでは"常に"論理的思考力を活用できると言っても過言ではない。
提案力やプレゼン能力の向上
論理的思考力が高い人の提案には、明確な根拠や理由が必ず添えられている。
しかも根拠を考え抜いた上での主張であるため浅い考えの反論では崩れない。
また、相手の立場に立って考え、自分も相手も受け入れられる形で主張ができるため、結果的に提案が通りやすいという特徴もある。
論理的思考力の鍛え方
続いて、論理的思考力の鍛え方を紹介する。
結論から簡単に言うと、「普段から論理的に考えることを意識する」ということがポイントになる。
常に論理的に物事を考えると自分の感覚的な判断や思考のクセにも気づき、より論理的に考えられるようになる。
「普段から論理的に考えることを意識する」とは具体的にどのようなことかと詳しく解説していく。
物事に常に疑問を持ち、分析して仮説を立てる
身近な物事に「なぜこうなっているのか?」と疑問を持ち、自分なりの仮説を立てる方法である。
たとえば上司から「若い人の離職率を下げてほしい」という指示が出たとする。それに対してまずなぜ離職率が高いのか疑問を持ち、「フォローアップ体制がない」「業界の平均より給料が低いのでは?」などの仮説を立てていく。
さらに言えば「そもそも若い人というのは入社何年目を指すのか?」など指示も具体的に解読することで、より精度の高い対策が立てることができる。
主張は結論からわかりやすく話す
主張があるときは結論ファーストで話すことを意識することも非常に重要になる。
結論ファーストで話す効用として「そもそも何が言いたいのかが途中までわからないという状態を防ぐ」「相手の余計な思考リソースを使わせてしまうことを防ぐ」という点があげられるが、それ以外にも自分自身の思考を研ぎ澄ますことができるという点があげられる。
また意見には根拠や理由を付けて、筋道立てて話すということを意識することも重要である。論理的に筋道が通っていることが、話のわかりやすさにつながり、ひいては論理的思考力の向上につながる。
具体的な言葉で話す
話のわかりやすさにもつながるが、具体的な言葉で話すことも重要である。
相手と自分で解釈が一致する具体的な言葉で話すことを意識し、たとえば「頑張ります」は「〇〇を頑張ります」に、「できるだけ早くやります」は「〇日までにやります」といった形である。
上記のような形で話すことで、自分の思考の曖昧性を排除し、論理的思考力を向上することができる。
論理的思考力の鍛える上でおすすめの書籍
論理的思考力を鍛えたい人にぜひおすすめしたいのが、マッキンゼー出身の波頭さんの『思考・論理・分析』である。
思考とは何か、論理とかは何かが言語化されていて、その実践である分析における解説もかなり読み応えがあり、周囲でもバイブルとしている人も多い。
論理的思考力を鍛える上で、ぜひ参考にしていただきたい。
思考力を鍛えたい人におすすめしたい本がマッキンゼー出身の波頭さんの『思考・論理・分析』
— コンサルマン (@mr_grayhair) November 19, 2022
思考とは何か、論理とかは何かが言語化されていて、その実践である分析における解説もかなり読み応えがあり、周囲でもバイブルとしている人も多い。 pic.twitter.com/MCWG17aYsr
論理的思考はマーケティングの基盤となる。マーケティングについて更に詳しく知りたい方は「マケドリ」をチェックしてみていただきたい。
参考:MarketingDriven マケドリ | 現場で使える本物のマーケティングが学べる