ケース面接例題&解答:東京からカラスを減らすには?

本シリーズはコンサル転職に際して出題される「ケース面接」の例題及び解答集である。
実際にケース面接を突破したことのある現役コンサルタントがケース問題を解き、回答や考え方をお見せする。

本記事では、「回答そのもの」に加え、その回答を導く為の「考え方」にも比重をおいて解説する。

中野周平
解答者

中野周平

欧州系戦略コンサルタントティングファームのローランド・ベルガー入社→フリーコンサルにて大小様々なファームの案件を経験→Webマーケティング系ベンチャーを2社を経験。現在は株式会社Flow Group代表取締役、とあるスタートアップのCMOを兼任。

コンサルマン
監修者

コンサルマン

コンサルキャリア編集部。コンサルキャリアおよびコンサルマンは株式会社Flow Groupが運営しています。Twitterフォロワー1.9万人

問題

お題:東京からカラスを減らすには?
考える時間:10分
難易度:★★★
種類タグ:非ビジネス系、手書き回答

回答

(i)前提のすり合わせ

いつものようにお題の主語が誰なのか?を定義します。つまり、誰からの依頼なのか?を定義します。

今回は「東京都」からの依頼として定義しました。(余談ですが、コンサルプロジェクトでも官公庁からの依頼は多いで、ケースも官公庁に関連するお題が多いです)

  • 依頼主:東京都

(ⅱ)施策方針整理

具体的な施策をアイディアベースでブレストしていきながら、抽象化の構造を考えていきます。例えば、"ゴミ箱の設置”や"駆除"といった施策が出たら、これは"攻め"と"守り"に整理できそうだなぁ、といった具合です。

上記の作業を繰り返していくと、最終的には以下のようなフレームワークで「カラスを減らす施策方針」が出てきます。

  • カラスを減らす施策方針
    • 直接的
    •  間接的

カラスを減らす施策方針_ケース面接解法

(参考)手元メモ

カラスを減らす方法の施策方針_ケース面接解法

(ⅲ)施策方針特定

カラスを減らす施策方針を整理したら、今回注力すべき優先度の高い方針を絞り込みます。
今回は以下のようなロジックで、施策方針を「食系施策」に絞り込んでいきました。

大分類 中分類 方針優先度 優先度ロジック
直接的施策 駆除 駆除施策は既に取り組まれている可能性が高いやリーガル/社会通念的に好まれない施策であり優先度は劣後
間接的施策 東京はそもそもカラスにとって住む場所は限定的であり、優先度は劣後
東京はカラスにとって"食"が多く、東京にカラスが多い重要なファクター。対策優先が高い。

東京からカラスを減らす方針の絞り込み_ケース面接解答

(ⅳ)施策出し

"食系施策”に絞って施策を出していくことが決まれば、あとはアイディアベースで施策を出していきます。

最終的には以下のような施策案が出てきます。

A) 蓋付きプラスチックゴミ箱の支給
B) においを発さないゴミ袋の開発・支給
C) ゴミ出しの時間に応じたインセンティブ付与(ゴミ回収の直前に出せばインセンティブ)
D) カラスが嫌がる"カラスよけ"の支給
E) カラス撃退担当を地域別にアサイン

上記の施策を対象セグメント(toC or toB)によって整理し、合計10個の施策を抽出します。

カラスを減らす食系施策の整理_ケース面接解法

(参考)手書きメモ

東京からカラスを減らす施策案_ケース面接解答

(ⅴ)施策評価

最終的に実行すべき施策を抽出する為に、施策の評価を行っていきます。

評価軸については、実現性(Feasibilty)とインパクト(Impact)で評価をすることにしました。

評価は数値に落とし込み、各評価軸を1~3の数値で評価し、かけ合わせた数値で優先度をつけていきます。
※数値の大小は、感覚でつけつつ、ツッコまれたら一応回答ができるように評価付けを行います。

カラスを減らす食系施策の優先度_ケース面接解法

カラスを減らす施策評価_ケース面接解答

 

最終的には以下のような形で施策を提案していきます。

「カラスを減らす施策の方向性としてカラスが餌とする”食"を減らす方針で決定しました。その中で、今回、toC、toBの2つのターゲットに対して、施策案をそれぞれ5つ考えました。

実現性とインパクトを鑑みたときに、具体的な施策として最も優先度が高いと考えたのは、toB/飲食店への蓋付きプラスチックゴミ箱の支給・義務化、次点でtoB/飲食店へのにおい対策機能付きゴミ袋の支給、時間別インセンティブの仕組み導入です」

ケース面接での想定質問・ディスカッション

実際の面接で聞かれそうな質問を以下に整理しておきます。ご自身の面接・ケース対策にご活用ください。

  • 今回の施策を実行する上で考えられるボトルネックは何か?

あとがき・ケース対策中の方へのコメント

公共系は意外と出題される問題であるため、対策は必須になる。

今回の肝は「いかに早い段階で施策を構造化できるか?」という点であり、いろいろなフレームワークを頭に入れておいて損は無いと言える。

より詳しく知りたい方は、【ケース面接対策】東京からカラスを減らすには

また、本記事(フェルミ推定・ケース対策)に関するご質問はコメント・Twitter・問い合わせフォームにて受け付けているため、お気軽にご質問いただきたい。

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