本シリーズはコンサル転職に際して出題される「ケース面接」の例題及び解答集である。
実際にケース面接を突破したことのある現役コンサルタントがケース問題を解き、回答や考え方をお見せする。
本記事では、「回答そのもの」に加え、その回答を導く為の「考え方」にも比重をおいて解説する。
Contents
問題
お題:東京からカラスを減らすには?
考える時間:10分
難易度:★★★
種類タグ:非ビジネス系、手書き回答
回答
(i)前提のすり合わせ
いつものようにお題の主語が誰なのか?を定義します。つまり、誰からの依頼なのか?を定義します。
今回は「東京都」からの依頼として定義しました。(余談ですが、コンサルプロジェクトでも官公庁からの依頼は多いで、ケースも官公庁に関連するお題が多いです)
- 依頼主:東京都
(ⅱ)施策方針整理
具体的な施策をアイディアベースでブレストしていきながら、抽象化の構造を考えていきます。例えば、"ゴミ箱の設置”や"駆除"といった施策が出たら、これは"攻め"と"守り"に整理できそうだなぁ、といった具合です。
上記の作業を繰り返していくと、最終的には以下のようなフレームワークで「カラスを減らす施策方針」が出てきます。
- カラスを減らす施策方針
- 直接的
- 間接的
- 住
- 食
(参考)手元メモ
(ⅲ)施策方針特定
カラスを減らす施策方針を整理したら、今回注力すべき優先度の高い方針を絞り込みます。
今回は以下のようなロジックで、施策方針を「食系施策」に絞り込んでいきました。
大分類 | 中分類 | 方針優先度 | 優先度ロジック |
直接的施策 | 駆除 | ✕ | 駆除施策は既に取り組まれている可能性が高いやリーガル/社会通念的に好まれない施策であり優先度は劣後 |
間接的施策 | 住 | ✕ | 東京はそもそもカラスにとって住む場所は限定的であり、優先度は劣後 |
食 | ◯ | 東京はカラスにとって"食"が多く、東京にカラスが多い重要なファクター。対策優先が高い。 |
(ⅳ)施策出し
"食系施策”に絞って施策を出していくことが決まれば、あとはアイディアベースで施策を出していきます。
最終的には以下のような施策案が出てきます。
A) 蓋付きプラスチックゴミ箱の支給
B) においを発さないゴミ袋の開発・支給
C) ゴミ出しの時間に応じたインセンティブ付与(ゴミ回収の直前に出せばインセンティブ)
D) カラスが嫌がる"カラスよけ"の支給
E) カラス撃退担当を地域別にアサイン
上記の施策を対象セグメント(toC or toB)によって整理し、合計10個の施策を抽出します。
(参考)手書きメモ
(ⅴ)施策評価
最終的に実行すべき施策を抽出する為に、施策の評価を行っていきます。
評価軸については、実現性(Feasibilty)とインパクト(Impact)で評価をすることにしました。
評価は数値に落とし込み、各評価軸を1~3の数値で評価し、かけ合わせた数値で優先度をつけていきます。
※数値の大小は、感覚でつけつつ、ツッコまれたら一応回答ができるように評価付けを行います。
最終的には以下のような形で施策を提案していきます。
「カラスを減らす施策の方向性としてカラスが餌とする”食"を減らす方針で決定しました。その中で、今回、toC、toBの2つのターゲットに対して、施策案をそれぞれ5つ考えました。
実現性とインパクトを鑑みたときに、具体的な施策として最も優先度が高いと考えたのは、toB/飲食店への蓋付きプラスチックゴミ箱の支給・義務化、次点でtoB/飲食店へのにおい対策機能付きゴミ袋の支給、時間別インセンティブの仕組み導入です」
ケース面接での想定質問・ディスカッション
実際の面接で聞かれそうな質問を以下に整理しておきます。ご自身の面接・ケース対策にご活用ください。
- 今回の施策を実行する上で考えられるボトルネックは何か?
あとがき・ケース対策中の方へのコメント
公共系は意外と出題される問題であるため、対策は必須になる。
今回の肝は「いかに早い段階で施策を構造化できるか?」という点であり、いろいろなフレームワークを頭に入れておいて損は無いと言える。
より詳しく知りたい方は、【ケース面接対策】東京からカラスを減らすには
また、本記事(フェルミ推定・ケース対策)に関するご質問はコメント・Twitter・問い合わせフォームにて受け付けているため、お気軽にご質問いただきたい。
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