ケース面接例題&解答:地方銀行の売上向上

本シリーズはコンサル転職に際して出題される「ケース面接」の例題及び解答集である。
実際にケース面接を突破したことのある現役コンサルタントがケース問題を解き、回答や考え方をお見せする。

本記事では、「回答そのもの」に加え、その回答を導く為の「考え方」にも比重をおいて解説する。

中野周平
解答者

中野周平

欧州系戦略コンサルタントティングファームのローランド・ベルガー入社→フリーコンサルにて大小様々なファームの案件を経験→Webマーケティング系ベンチャーを2社を経験。現在は株式会社Flow Group代表取締役、とあるスタートアップのCMOを兼任。

コンサルマン
監修者

コンサルマン

コンサルキャリア編集部。コンサルキャリアおよびコンサルマンは株式会社Flow Groupが運営しています。Twitterフォロワー1.9万人

問題

お題:地方銀行の売上向上
想定の考える時間:10分
難易度:★★★★★
種類タグ:売上向上、toB×カネ系

回答

前提整理

今回のケースは以下のような前提を置いた↓

  • 国内の地方銀行
  • 地域については一都三県以外の県を想定
  • 主要売上は、地元企業への融資を通じた金利収入。売上については減少トレンド

現状分析

まず本地方銀行の売上を事業セグメント別に分解する↓

売上=(A)金利収入+(B)その他収入
(A)金利収入=(A-1)地場企業融資+(A-2)その他企業融資+(A-3)その他金融商品投資

売上をまず金利収入とその他収入に分け、さらに金利収入を3つの事業セグメントへ分解する。

地方銀行の売上分解

課題特定/施策スコープ

上記フェーズで分解した事業セグメントについて、今回のケースで対象とする事業セグメントを決めていく。
本ケースでは(A-1)地場企業融資を対象に売上向上施策を検討することにする。

理由

(A-1)を選んだ理由は大きく3つの視点(インパクト、ビジョン、競合)がある。
以下、その理由。

  • 縮小しているとはいえ、最も売上貢献している事業であり、(インパクト視点)
  • 地方銀行の提供価値そのもの。(ビジョン視点)
  • 地方銀行の強みが発揮できる領域であり、他領域はメガバンク・ネットバンクと戦うには分が悪い(競合視点)

 

地方銀行の課題特定

(A-1)地場企業融資を対象に売上向上施策を検討することにすると決めたら、次はその売上をさらに分解する。
地場企業融資の売上を分解すると以下のように分解可能

(C-1)融資希望企業数×(C-2)地銀選択率×(C-3)1件当り金利収入

(A-1)地場企業融資売上を3つの構成要素に分解したら、どこに課題があるのかを特定する。

  • (C-2)地銀選択率については既に高い選択率を実現できている点
  • (C-3)1件当り金利収入については市場相場で大まかに決定される点

の2点からC-2,C-3については課題感(伸ばしうる余地)は少ない。

本ケースでは(C-1)融資希望企業数、つまりそもそも融資を希望する地域企業数を増やすための施策を考えていくこととする。(≒地域経済を伸ばすための施策)

 

地方銀行の課題特定2

施策出し

地域企業を元気にし、融資希望企業数を増やす上で、なぜそもそも地域企業が衰退しているのか?を考えてみる。
そうすると、2つの課題が挙げられる。

地域企業の衰退要因=(D)地域人口減少+(E)地域内競争激化

(D)地域人口減少は比較的自明で、地域内の人口が減少することで需要が減り、地域内企業の売上が減少している、という課題。(E)地域内競争激化については、(実態はどうかわからないが)総需要が減っているにもかかわらず、供給=企業数が変わっていない結果、個々の企業の売上が減っているのではないか、という仮説から記載した。

今回は上記の2つの課題を解決する施策を提案する↓

地域人口減少

地域人口減少に対しては2つのアプローチの施策を提案する。流入人口を増やす or 他エリアで売上を作る、という施策である。

流入人口を増やす施策:

a. インバウンドプロモーション支援:地銀として海外へのプロモーションを積極的に行い、県内への流入を強化
b. 新産業誘致活動:県内での新規事業立ち上げや起業家を誘致する活動を行う

他エリアで売上を作る施策:

c. ECビジネスコンサルティング:県内向けに事業を行っているメーカーに対して、県外でも売上を上げられるようにECビジネスの立ち上げを支援する
d. 他地域進出支援:他金融機関とのネットワークを活かし、他地域に進出する為のヒト・モノ・カネを支援する

地域内競争激化

地域内競争激化に対しては以下のような施策を提案する。

e. M&A・統合支援:地域内の同業種企業に対して、地銀のネットワーク・営業力を活用し、M&Aを提案・実行する施策。M&Aを行うことで規模の経済が働き、より効率的に地域内のビジネスを行うことが可能となり、他地域や新規事業への投資が増える。

整理をすると以下のような施策が出た↓

地方銀行の売上向上施策整理

施策評価

最終的には以下のように施策を評価し、結論を出した。

「a.b.については即効性のある施策ではなく、長期的な施策として取り組むべき。一方で、c.d.e.については比較的短期での実行・効果が見込まれる為、優先度高く取り組むべき。」

今回のケースで利用したフレームワーク

  • 売上分解(金利収入、その収入)
  • 売上分解(融資希望企業数、地銀選択率、1件当り金利収入)
  • 要因分解(人口減少、競争激化)
  • 施策分解(流入人口を増やす、他エリアで売上を作る)

ケース面接での想定質問・ディスカッション

実際のケース面接は以下のような質問やディスカッションが想定される↓

  • 金利収入ではなく、その他収入に着目すると、どのような施策が考えられるか?
  • 地銀の競合としてはどのようなところが考えられるか?

あとがき

金融系のようにビジネスモデルがややイメージしにくいテーマは、前提の整理や売上分解が肝となる。

今回のケースの場合は、比較的初期段階で「M&A支援」という施策がいいのではないか?という仮説を持ち、逆算しながら解答を組み立てた。

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