本シリーズはコンサル転職に際して出題される「ケース面接」の例題及び解答集である。
実際にケース面接を突破したことのある現役コンサルタントがケース問題を解き、回答や考え方をお見せする。
本記事では、「回答そのもの」に加え、その回答を導く為の「考え方」にも比重をおいて解説する。
Contents
問題
お題:TSUTAYAの経営再建施策を考えよ
考える時間:10分
難易度:★★★★
種類タグ:その他ビジネス系、経営再建、手書き回答
回答
(ⅰ)前提確認・課題特定
まずはじめに「経営再建」のケース問題の場合は、かなり明確に「課題」があることが多いです。
ですので、今回のケースではまずは課題を明らかにして定義をすることからはじめました。
今回のTSUTAYAのケースでは、
- オンライン動画サービス等の増加によりレンタル需要が下がっている
- 上記の結果、店舗型ビジネスの売上が下がっている
という前提となる課題をもとに解答をしていきました。
ですので、経営再建の中でもコスト改善ではなく売上創出をしていく施策を考えていく方針となります。
※今回、手書き紙の中では書いておりませんが、「既存事業売上」「新規事業売上」については後者を対象に考えていくこととしています。
実際の面接の中であれば、
「〇〇のような課題があると思っていますが、その認識でよろしいでしょうか?」
と、課題について面接官に確認しておくのもいいかもしれません。
(見当外れの課題からスタートしてしまうと悲惨な結果となってしまいます!)
(ii)強みの特定
次に新規事業売上の施策を考える上で、TSUTAYAの持っている強みを特定します。
TSUTAYAの強みとしては「会員情報(映画・音楽等の娯楽データ)」が挙げられます。
(ここは本来であればもう少し思いつきたかったですが、時間の都合上、1つでストップ)
(iii)事業案出し
上記の強みが活かせる、かつ、成長市場にある、という2つの軸で事業案を出していきます(つまり成長市場にある店舗事業 or 嗜好データが活かせる店舗事業)
その結果、医療領域や娯楽領域で以下のような事業案を思いつきます。
TSUTAYAの会員情報を活かせる事業案についてはミニシアターを思いつきました。
(例)TSUTAYAが保有するデータをもとに、地域住民にパーソナライズされたミニシアターを既存店舗にて展開する
- 医療領域
- 介護・リハビリセンター
- 娯楽
- サウナ
- ジム
- ミニシアター
(ⅴ)事業案評価
最後に事業案を評価していきます。
今回、評価の軸は3つ用意します。市場規模、成長性、強み(とのシナジー)
評価は、1〜3段階で行い、上記の指標を賭け合わせたもので打ち手の優先度を決めます。
最終的には、以下の2つのが有力な施策(事業)仮説として挙げることにします。
・TSUTAYAの強みとのシナジーは少ないが、市場規模が大きく成長性のある介護・リハビリセンター事業
・TSUTAYAが保有する映画・音楽等の娯楽データを活かせるミニシアター事業
ケース面接での想定質問・ディスカッション
実際の面接で聞かれそうな質問を以下に整理しておきます。ご自身の面接・ケース対策にご活用ください。
- 医療・娯楽以外にどのような店舗ビジネスが考えれるか?
- 非店舗型ビジネスについて仮説は考えれるか?
- 他に強み・アセットはないのか?
あとがき・ケース対策中の方へのコメント
「経営再建」というテーマ上、他のケースのように"一事業の中での施策を考える"というスコープではなく、”新たな事業を考える”というスコープであり、やや他のケースとは毛色が異なる為、このようなパターンも対策はしておいていただきたい。
より詳しく知りたい方は、【ケース面接対策】TSUTAYAの経営再建施策を考えよ
また、本記事(フェルミ推定・ケース対策)に関するご質問はコメント・Twitter・問い合わせフォームにて受け付けているため、お気軽にご質問いただきたい。
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