ケース面接例題&解答:マッサージチェアメーカーの売上向上施策

本シリーズはコンサル転職に際して出題される「ケース面接」の例題及び解答集である。
実際にケース面接を突破したことのある現役コンサルタントがケース問題を解き、回答や考え方をお見せする。

本記事では、「回答そのもの」に加え、その回答を導く為の「考え方」にも比重をおいて解説する。

中野周平
解答者

中野周平

欧州系戦略コンサルタントティングファームのローランド・ベルガー入社→フリーコンサルにて大小様々なファームの案件を経験→Webマーケティング系ベンチャーを2社を経験。現在は株式会社Flow Group代表取締役、とあるスタートアップのCMOを兼任。

コンサルマン
監修者

コンサルマン

コンサルキャリア編集部。コンサルキャリアおよびコンサルマンは株式会社Flow Groupが運営しています。Twitterフォロワー1.9万人

問題

お題:マッサージチェアメーカーの売上向上施策
考える時間:10分
難易度:★★
種類タグ:売上向上、BtoC&B、メーカー

回答

(ⅰ)前提整理

今回は以下を前提として、ケース問題を解いていきます。

  • 依頼主:国内大手マッサージチェアメーカー
  • 事業モデル:製造から販売まで
  • 販売チャネル:電気量販店、ECサイト、Amazon、等
  • 売上の対象:国内のマッサージチェア売上の増加

(ⅱ)現状分析/売上分解

今回はこのマッサージチェアメーカーの売上を対象×チャネル別に整理をしてみます。

対象:一般顧客向け(toC)、法人向け(toB)
チャネル別:店舗、オンライン

以下のような整理になります。

マッサージチェアメーカーの売上分解_ケース面接解答

(ⅲ)課題/注力領域の特定

上記で分解したチャネルについて、特に「オンライン」と「toB」チャネルで施策を考えることにします。

理由については、以下の2点が挙げられる。

  • 市場成長性:店舗販売に比べて相対的に伸びている為(オンラインチャネルに注力をすべき)
  • 新規チャネル開拓:現状toBチャネルについてはチャレンジを行っておらず、新規チャネルを開拓することで新たな売上を創出できる可能性がある為(BtoBチャネルに注力すべき)

マッサージチェアメーカーの課題・注力領域の特定_ケース面接解答

(ⅳ)施策出し

「オンラインチャネル」と「toBチャネル」についての施策を4Pのフレームワークで考え、以下のような施策を抽出↓

オンラインチャネル向け施策

a. (Product)若年層向けゲーミングマッサージチェアの開発:高価格帯のゲーミングチェアの売上が好調という情報を耳にしたことがあり、そのトレンドに乗るための商品開発。オンラインショッピングを使いこなす若年層向け商品であり、オンラインチャネルとの相性が良い。

b. (Promotion)ゲーム系インフルエンサーとのコラボプロモーション:上記のプロダクトをプロモーションしていく上では、従来のプロモーションチャネルでは響きにくい。セグメントにあったプロモーション方法を行っていく。

c. (Promotion)ゲーム系雑誌やメディアでのプロモーション:同上

e. (Place)ECでの購入の障壁となっている実物情報の不足をVRアプリ開発で解消する:実体験として、マッサージチェアをオンラインで買わない理由が「実物のサイズ感がわからない」と感じ、そのような課題を少しでも解消する為の施策仮説。VRというトレンドキーワードであり、話題性もあり、プロモーションにも効果が見込まれる。

toBチャネル向け施策

f. (Place)市場が伸びており店舗数が伸びている業種への営業活動(例)老人ホーム、フィットネスジム、サウナ施設:マッサージチェアへの需要がありそう、かつ、市場が伸びている事業者へ営業をしていくことで、BtoB売上創出を狙う。

g. (Place)福利厚生や健康経営に注力している企業への営業活動:一般企業で社員向けの福利厚生や健康経営に注力している企業が増えており、そのトレンドに乗るための施策。社員の離職率低下やエンゲージメント向上といったメリットを打ち出し営業をしていく。

h. (Price)サブスク型のリース価格の導入(初期導入コスト負担を下げる):toBチャネルの場合、購入台数が多く、初期導入費用がかさむのが拡大のボトルネックと仮説し、初期導入費が安く済むような価格プランを新たに作る。

フレームワークで整理すると以下の通り↓

マッサージチェアメーカーの施策整理_ケース面接解答

(ⅴ)施策評価/結論

施策を「実現性」「効果」で評価をし、優先度付けを行うと以下のような結論が導かれる↓

「まずは実現性及び効果が見込まれるf.やg.といったBtoBチャネル営業を行っていく。次に効果は不明瞭ではあるものの、商品リリース自体の実現性は低いa~cの施策を実行していく。」

ケース面接での想定質問・ディスカッション

実際のケース面接は以下のような質問やディスカッションが想定される↓

  • 現状、売上を上げる為にはどのような課題感が考えられるか?
  • 顧客セグメントという切り口で見ると、どのような課題感が見えてくるか?
  • 実店舗における売上改善施策はなにか考えられるか?

あとがき

一般的なメーカーのケース。「BtoBをやっていくべき」というやや"当たり前感”のある施策提示となってしまった部分は反省。一方で、老人ホームやフィットネスジム、健康経営等、具体的なターゲットを示せたのは、具体性がぐっとあがり高評価につながる点。

以上、参考になりましたら幸いです。

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