コンサル転職・ポストコンサル転職の最新トレンド | フォルトナ代表・三石氏に聞く

フォルトナ株式会社。コンサル・ポストコンサル転職に特化した転職エージェント。戦略ファーム出身者、総合ファーム出身者、ヘッドハンター・オブ・ザ・イヤー2年連続受賞者など、トップエージェントが集う。2020年にはダイヤモンド社企画、大手人材紹介会社が選ぶコンサルティング業界におけるトップエージェント31人にも選出。近年はポストコンサル転職におけるVC、スタートアップ領域の支援にも存在感を増している。

コンサル市場は年々拡大しており各社積極的に採用を行っていることもあり、コンサル転職の人気も年々上昇している。またコンサルタント人口が増えたことでポストコンサル転職市場も盛り上がりを見せている。

今回は、コンサル・ポストコンサル転職に特化した転職エージェントであるフォルトナの代表・三石氏に最新トレンドをお聞きした。

コンサル転職は全方位に活況

ー現在、コンサルファーム各社の採用はどのような状況でしょうか?

リーマンショック以降、慢性的な人手不足が続く一方で、コンサル市場が拡大を続けていることから、即戦力であるファーム経験者は獲得競争が激化。各社、採用の母集団を広げるために、年齢や学齢・職歴、英語力といったハードルを緩和して対応している、というのが大きな流れです。

・戦略ファームのDX領域の強化
・総合ファームやITファームの戦略領域の強化
・SI企業や事業会社によるコンサルティング部門、コンサルティング会社の設立
・ファーム出身者の独立による新興ファームの設立
etc
コロナ禍で3-7月は一次的に採用をストップするファームもございましたが、現在はその反動も手伝ってか、コロナ禍以前よりも採用活況となっております。

コンサル転職のトレンドは引き続き「DX」

ートレンドとなるキーワードはございますでしょうか?

大手~新興ファームに至るまで、インダストリー、コンピテンシー、全方位で採用活況ですが、あえてキーワードを絞るとすれば、その中核には「DX(デジタルトランスフォーメーション)」のキーワードが内包されていると言えます。

コロナ禍前の時点で、すでに過半数のプロジェクトがDX関連と言うファームもありましたが、コロナ禍により、人々のワークスタイル、コミュニケーション、消費行動すべてが、一気に半ば強制的に変容したため、企業は自社を急ピッチで変革(Transformation)することを迫られ、DX関連案件の増加に拍車をかけたのでしょう。

ざっと列挙するだけでも、アフターコロナ、テレワーク、サイバーセキュリティ、クラウド、働き方改革、生産性向上、RPA/AIによる自動化、デジタルマーケティング、マーケティングオートメーション、IoT、ビッグデータ、EC、オムニチャネル、物流最適化 etc.
既存の業界のビジネスと先端テクノロジーを結び付けたX-Tech(クロステック)として、FinTech(フィンテック)、HealthTech(ヘルステック)、HR Tech、AgriTech(アグリテック)、EdTech(エドテック)、MedTech(メドテック)、不動産テック、RegTech(レグテック)などDX関連プロジェクトは多岐に渡ります。
※DXはバズワードと化している側面があり、どこまでをDXと呼ぶかは、人によって、ファームによって、定義が異なるところかと思います。

ファームtoファームで50代の流動化も盛んですし、IT企業がDXコンサル部署を立ち上げて、大手Sierや外資ITベンダー出身などの60代の人材を採用する動きもあります。

ーDX人材へのニーズが高い中で、例えば営業職から大手コンサルへ転職するのは難しいでしょうか?

営業そのものの経験だけですとハードルは高いです。DXを因数分解すれば「Digital:先進的技術」と「Transformation:変革」に分けられます。前者の経験が無ければ、後者でPR出来る経験が欲しいところです。

例えば、商品開発に携わった、営業企画で営業プロセスを改革に携わった、セールスフォース導入で業務プロセスやITツールに携わった、あるいは既存の枠組みを超えて、アライアンス推進などビジネスを大きく前進させた、などのプロジェクトワークや企画系、変革系のご経験をPRできれば可能性は高まります。

ー年齢についてはいかがでしょうか?

10年ほど前まではコンサル転職「35歳限界説」がささやかれておりましたが、現在では、特にDX人材については、40代はもちろん、50歳の方でも、総合ファームのシニアマネージャーやディレクターとして転職する事例も出ています。

総合ファームの場合、チームミックスで価値を提供する前提で、重点強化領域への深い知見や業界のパイプラインを持つ方を、コンサルティング経験について多少目をつむり、採用しよう、というファームが出てきています。

コンサル転職で成功するためのポイント

ーコンサル転職を成功させるために押さえておくべきポイントはありますか?

内定を勝ち取ることに力点をおくならば、需要と供給の波を掴むことが近道です。需給バランスが崩れた場合、つまり採用需要に対して、転職市場の候補者が不足すると、採用ハードルが緩和されて、受かりやすい構図になります。

特に顕著なのが、今で言うとDXなどがまさにそうですが、以前で言うとデジタルマーケティング、サイバーセキュリティ、IFRSなどなど、新しいトレンドが出てきた際には、大きく需給バランスが崩れますのでチャンスと言えます。

自身の業界や、専門領域について、国内外のビジネストレンド、技術トレンドについて、アンテナを立てておくと、いち早く流行を掴めるかと思います。

また、複数のエージェントが推してくる求人は「需給バランスが崩れている中で他社ファームに先駆けて人員増強しておきたい重点領域」であることが多く、受かりやすいタイミング、と言えます。

大量離職を心配される方もおられるかと思いますが、信頼できる転職エージェントから情報を仕入れることで、正しく採用背景を知り、需要と供給の波を掴むこともできるでしょう。

一方で、転職の真の成功とは、狭義には、入社後の活躍や、目指すコンサル像に近づけていること。広義には、ご自身の人生におけるありたい姿、生き方に近づき、実現出来てこそ。

他の誰でもなく自分自身が理想とするライフスタイルを思い描き、目指してください。その手助けとして、様々な選択肢や気付き、具体的なアクションプランについてアドバイスと共に、長期視点で伴走してくれるエージェントを見つけると良いでしょう。

ー実際の選考ではどのような点を中心に見られるのでしょうか?

入社後に活躍できる人物か?再現性と定着性を見られます。そもそも現職にて活躍していない、と判断されれば、ノックアウトファクターになりえますし、現職での活躍が見て取れたとしても、転職後の再現性と定着性に懸念があれば、内定はおぼつかないでしょう。

お見送り理由に特に多いのは、①論理性、②コミュニケーション力、③知識/スキル、④マインドセットの4つです。
① ケースの出来がいまいち。話が冗長。質問と回答がずれる。回答が浅く表層的。話に一貫性が無い。思考スピードが遅い。など
② 表情が固い。目を合わさない。相槌が無い。合いの手が無い。暗い。覇気がない。変なところで笑う。会話が表層的で本音が見えない。など
③ 弊社で活かして頂ける知識/スキルが不足。XXについて深掘りしたところ知識が表層的で浅い。など
④ 自分視点が強い。貢献視点が弱い。主体性が無い。リーダーシップが弱い。他責志向が強い。コンサルについて憧れ先行でイメージが湧いておらず志望理由が浅い。志望動機が抽象的。志望動機に矛盾あり。自分視点が強い。柔軟性が低く早期離職懸念がある。など

面接の場の質疑においては、思考→発話を見られ、レジュメや過去についての深掘りでは、思考→行動を見られますので、自身の思考のクセ、行動のクセ、話す時のクセ、についてのノックアウトファクターは、矯正する必要があります。

ーコンサル転職を支援する上でフォルトナの強みはどういった点になりますでしょうか?

一言で言えば、オールフォルトナ(All FORTNA)とクオリティオブライフ(Quality of life=QOL)の支援にあります。前者のオールフォルトナですが、一騎当千のプロフェッショナルが有機的かつ機動的にコラボレーションする形で、互いに強みを活かし、より良い支援ができる体制になっています。

例えば、戦略ファーム、総合ファームなどプロフェッショナルファーム出身者によるケース対策をはじめとした綿密なサポート。パートナー/ディレクターなどハイクラス層の豊富な支援実績を持つメンバーによる長期的視点でのキャリア戦略/ライフ戦略。スタートアップ/VCに圧倒的強みを持ち、ヘッドハンター・オブ・ザ・イヤー2年連続受賞者による、コンサル卒業後のイグジットキャリア。FAS/再生ファーム/ファンドに強みを持つメンバーによるプロフェッショナルファームへのキャリア戦略など、担当コンサルタントの知見のみならず、多くのメンバーの知見を結集した最適な支援を提供することができます。

また、これは弊社のKPI設計/評価制度が要因ですが、フォルトナでは担当コンサルタントに「〇〇人/月の面談数、〇〇人/月の推薦件数」というようなノルマ、KPIを設けていません。

その結果としてフォルトナでは余裕をもって、候補者一人ひとりに寄り添うことができ、他社エージェントと比較してかなり多くの時間を注ぐことができています。かつ自分の担当を超えてコラボレーションして支援することができるのです。

後者のクオリティオブライフについて、弊社の理念にも紐づいておりますが、我々は、ご相談者のキャリアのみならず、人生をより豊かに、幸せに、ありたい姿に近づく支援をしたいと考えています。

その為、その伴走者である担当コンサルタント自身が、それを体現すべく、ありたい姿を描き、生産性を高め、いつかやりたいと思っていた様々なことにチャレンジし、WILLやビジョンの実現に向けて取り組んでいます。BAR運営をしたり、経営アドバイザーとしての副業をしたり。もちろん育児と仕事と趣味の並立だって、立派なありたい姿です。

我々も皆さんと同じくチャレンジしているのです。その様々な取り組みを、成功も失敗も社内でシェアすることで、集合知として、ご相談者へのアドバイスや支援に還元しています。ですから、キャリアの話だけでは無く、ありたい姿や夢やビジョンをぜひお聞かせください。

ポストコンサルの需要は根強い

ー次にポストコンサル転職のトレンドについて教えて下さい。どういった経験のコンサルタントのニーズが大きいでしょうか?

例えば、戦略コンサル出身者について、VCが出資しているスタートアップ経営者に右腕/社長室/経営企画として求められたり、海外展開を見据えて、海外戦略や進出支援の経験値を必要とされたり、メガベンチャーにて事業企画/推進をお任せしたいケースなどがあります。

また、ファンドにおいても、即戦力の経験者に次ぐポテンシャル候補として、戦略コンサルを挙げられるケースもございます。

業務コンサル、ITコンサルであれば、メガベンチャーでの事業企画/推進や、SaaS系スタートアップのプロダクトマネージャ/プロダクト開発として求められるケースや、社内ITとして求められるニーズなどがあります。

HRテック関連の企業や部門であれば、人事コンサル経験、不動産テック関連の企業であれば、不動産コンサル経験、というように、特定領域の知識・専門性もプラス材料となるケースもあります。事業内容や規模感によって異なりますが、全体的にポストコンサルの需要は根強いと言えます。

ーニーズが根強い中で転職活動がうまくいかない人もいるのでしょうか?

社格や年収、役職を気にする人は転職活動がうまくいかないことが多いです。事業会社からするとコンサル出身者の実力は認めつつも、一方で「実際に手を動かしてオペレーションを回せるか」「PL責任を持って高速でPDCAを回せるか?」といった点に不安を持っているのも事実です。

その中で、高い年収ではないと転職しない、CXOの肩書が無いと転職しない、SOが無いと転職しない、というスタンスの場合、そもそも選択肢が極端に限られる、ということもあります。

したがって、社格、年収、役職について、一度下げてでも実力/実績で勝ち取る、という気概が求められますが、「なんとなくコンサルから卒業したい」という方ほど、社格や年収、役職を気にする方が多いため、フォルトナでは、消去法の転職ではなく、人生におけるありたい姿(≒理想とする生き方)を一緒に描き、やりたいこと、成したいこと、を探すところから支援させて頂いています。

ーやりたいこと、成したいことは簡単に見つかるものなのでしょうか?

決して簡単ではありません。感覚値ですが、やりたいこと、成したいことが明確な方は5%程度しかいらっしゃらず、これまで見つかっていなかったものが、立ち止まって頭の中で考えただけで、急に見つかるものでもないため、まずは一歩踏み出し行動し、自分の胸に聞くことが近道です。

偶発的な出会いを含めて、様々な企業の人や想いに触れる中で、「この人と一緒に働きたい」「この経営者と一緒なら、上場までの景色を見ることが出来る」と、人に惹かれ魂を揺さぶられることもあれば、「このプロダクトを広めることを通じて、世の中のXXの社会課題解決に貢献したい」と、自身の過去の原体験と紐づき、やりたいこと、成したいことの輪郭を発見することもあります。

一方で、やりたいこと、成したいことが見つからない方は、ありたい姿(≒理想とする生き方)を中長期視点で目指しつつも、まずは自分が得意なこと、出来ること、を求めてくれる環境に一歩踏み出すことが、急がば回れで、結果的に近道となります。

ー様々な企業の中でコンサル出身者と相性が合わない企業もあるのでしょうか?

もちろんあります。事業会社において、まだ組織にコンサル出身者がおらず、はじめてコンサル出身者を採用したい、という場合、ミッション・役割に対して、入社前後の互いの期待値の相違が起こる可能性もあり、慎重にすり合わせておく必要があると同時に、入社後にギャップが起こる前提で、それも一緒に楽しんでいこう、自身で一緒に創り上げていこう、というマインドセットも重要です。

なお、フォルトナはコンサル・ポストコンサル転職に特化したエージェントとしてのブランドもあり、コンサル出身者の採用に好意的、積極的な企業が大半となります。

特に、経営陣や活躍しているエース社員の中に、コンサル出身者がいると、採用側としては安心感が高く、役割・ミッションについての期待値すり合わせも上手く、入社後のギャップが少ないことが多いです。

人生100歳時代を考える上でのコンサルキャリアの魅力

ー最後に、コンサル・ポストコンサル転職で多数の支援実績のある三石さんから見たコンサルキャリアの魅力を教えて下さい。

魅力は多岐に渡りますが、特に、心のセーフティーネット、多業界にまたがるコミュニティ形成でのメリットがとても大きいと思います。キャリアチェンジしかり、独立・起業しかり、新たなチャレンジの足を止める大きな理由の1つが、失敗したらどうしよう、という恐れです。

が、仮に失敗しても、コンサルに戻ることが出来る、というキャリアのセーフティーネット≒心のセーフティーネットが、一歩踏み出す後押しとなるケースを数多く見てきました。

ファームで一定の経験と自信を得た方との会話では、「コンサルであればいつでも戻れるので」、「コンサルであればいつでも内定を取れるので」、というコメントを自然と口にされる方が多くいらっしゃいます。それは決して虚勢では無く、前述のコンサル市場の拡大、経験者採用の渇望により、ひとたび選考を受けられれば、実際に複数オファーを勝ち取られる方が大半となります。

また、事業会社や独立、起業、留学などで、コンサルとしては数年間のブランク期間があったとしても、複数ファームからの内定を獲得される点は注目すべき点かと思います。

また、コンサルティング業界には、あらゆる業界・職種から人が集まり、そして、あらゆる業界・職種へと卒業していく為、しっかりとコミュニティを形成することで、生涯の資産になります。

最後になりますが、ある調査では、定年後65歳以降も働き続けることを希望しているシニアが過半数であるにも関わらず、4割が就業できず、就業出来ている方も、7割が定年前とは違う企業に転職をしている、というデータがあります。

自分には独立や起業なんてとても考えられない、性格に合わない、という方も多いと思いまが、セカンドライフとして定年後は会社の看板を外して、新たなチャレンジをする可能性が高まっています。

会社の看板を外しても、自分らしく生き生きと生きられるように、その時になってから慌てふためくことのないように、今から20-50年の余裕をもって、助走を始めませんか?

コンサル・ポストコンサル転職を検討されている方や、キャリア戦略を迷われている方はぜひお気軽にフォルトナHPの問い合せフォームよりご連絡ください。

>>フォルトナHP:https://fortna.co.jp/

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フォルトナ株式会社。コンサル・ポストコンサル転職に特化した転職エージェント。戦略ファーム出身者、総合ファーム出身者、ヘッドハンター・オブ・ザ・イヤー2年連続受賞者など、トップエージェントが集う。2020年にはダイヤモンド社企画、大手人材紹介会社が選ぶコンサルティング業界におけるトップエージェント31人にも選出。近年はポストコンサル転職におけるVC、スタートアップ領域の支援にも存在感を増している。

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