若き日の挫折を経て“人に寄り添い続ける”エージェントに。『ジャスネットキャリア』小山満也さんが語る、会計人材の転職市場

会計・経理・財務人材に特化した転職エージェントサービスとして、国内最大級の登録者を誇る『ジャスネットキャリア』

記事では、同サービスにて紹介事業部 部長・小山満也さんに会計人材の転職市場の動向や転職成功のポイントをお伺いしました。

小山さん自身もかつて公認会計士を目指されていたことが、運営会社のジャスネットコミュニケーションズ株式会社に入社したきっかけだとか?

そんな小山さん本人のストーリーと合わせ、記事をお届けします!

紹介事業部 部長・小山 満也さんのプロフィール

長野県の国立大学(工学部電気電子工学科)に入学後、それまでの目標を変更し会計士の道を目指すことに。その後、挫折と偶然の出会いを経て『ジャスネットコミュニケーション株式会社』に入社。

自らが公認会計士を目指していた経験から、経理や会計・税務分野について“人事部以上・経理部以下”の知識をもって転職者を支援できる点が強み。

「求職者ファースト」を理念に掲げ、同社を率いる立場として、現在は紹介事業部 部長を務めている。

公認会計士試験に2度の不合格。挫折のなか、ユーザーとして利用したジャスネットに誘われ入社

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− まずはじめに、小山さんがどのような経緯でジャスネットコミュニケーションズに入社されたのかを教えてください

私は大学時代、長野県の国立大学の工学部電気電子工学科に通っていました。実は現在の会計分野とは全く違い、中学・高校時代からずっと好きだった自動車に関わる仕事に就きたいと思っていたんです。

しかし、あれは大学2〜3年の時ですかね。他大学の有名な教授の特別講義を受講したとき、教授が「君たちみたいな大学出身では自動車開発に携わる仕事は無理。現実的には営業で働くことになるだろう」という言葉を投げかけられたのです。

きっと本来は「開発職に就きたいなら大学院に進んでもっと勉強しなさい」というメッセージだったと思うのですが、若かった私には鋭く突き刺さってしまった。

大学を卒業しても自動車開発に携われないのなら通い続ける意味がない...。

将来を夢見ていた学生から一変、大学はモノクロな存在となり、私はそのまま大学を中退してしまいました。

そこからは”手に職をつけたい”と考え、「医者は今から無理」「弁護士は畑が違う」「公認会計士なら数学が得意だから向いているのでは?」と消去法のようなかたちで公認会計士の道を目指すようになりました。そして、私は大手の会計士専門学校に通うことになります。

− その後、公認会計士には合格されたのでしょうか?

結果的には、2年間頑張ったのですが受かりませんでした。私は当時、実家のある茨城に住んでいたのですが、そこから専門学校のある東京・水道橋まで毎日電車で通学。

私なりの実感ですが人生の中でもっとも勉強した1年間だったと思います。ですが、結果はボーダーのギリギリで短答式試験に不合格。そして、独学で挑んだ2年目も続けて不合格でした。

2年連続の公認会計士試験不合格という挫折を味わった私は、もうこれ以上、親のすねかじりはできないと思い、会計事務所で働きながら勉強できないかと人材紹介サービスに登録しました。

しかし、実務経験のない私に合う仕事はなく、「紹介できる会社はありません」と遠回しに伝えられました。

ところがその日の夜に再度電話がかかってきて、後日また事務所に来てくれと。別の会社を紹介されるのかなと思い足を運んだら、人材紹介サービスの社長自ら「会計士の勉強を活かしてうちで働きませんか」とお誘いいただいたのです。

...なんとこれが、私がジャスネットコミュニケーションズへ入社したきっかけです。

採用需要はコロナ以前の水準に回復

− そのような入社秘話があったなんて! では、そんな小山さんにお伺いしたいのですが、最近の会計・経理人材の転職市場の動向はどのような感じなのでしょうか?

会計・経理人材の転職先には、大きく分けて「事業会社」と監査法人や税理士法人・会計事務所といった「会計系ファーム」の2つがあります。

事業会社のほうは、コロナウイルスの感染拡大に伴う最初の緊急事態宣言のとき、先行きが読めないということから全体的に求人をストップする流れがありました。

一方で監査法人や税理士事務所は、顧客である企業が潰れない限りは一定の仕事が発生し続けるので、ほとんど影響を受けていませんでしたね。

その後、事業会社も2020年の後半くらいから以前と同じくらいの採用需要に回復しています。

ハイクラスな会計人材には、監査法人とも対等に話ができる能力が求められる

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− 小山さんがこれまで多くの会計・経理人材を見られてきて、転職後にご活躍される人の特徴だと思うことはなんですか?

まず前提として、20〜30代の若手でも「経理経験者」であれば、ある程度どんな方でも希望に近い会社から内定が出る市況かと思いますので、経験者の方はさほど転職には苦労しないかと思います。ただコロナ禍を経て、他業種・他職種から経理にジョブチェンジする未経験の方が目に見えて増えてきていますね。

− では、会計・経理業務が未経験の方が転職を成功させるためのポイントはありますか?

これは経理経験者の転職成功のポイントでもあるのですが、一番は「コミュニケーション能力」を感じられるかどうか。経理の仕事は、机に向かってカリカリ一人で仕事をするイメージが強いかもしれませんが、実際はまったくそんなことはなくて。

例えば、社内で営業の方に領収書等の各書類の提出を催促したり、各部署の重役と予算計画の数字を調整したりなど、「交渉力」とまでは言いませんが、全社員と関わりながら進めていく仕事といえます。

逆にいうと、経理未経験であれば、会社がステップバイステップで経理業務を教えてくれるので、経理知識は後からでも大丈夫なケースが多いです。

− CFO人材としての転職など、ハイクラスな会計人材の転職の場合のポイントはいかがでしょうか?

将来的にCFOを目指されているような方の場合は、「年収をこれだけ上げたい」という自分中心の視点だけでなく、CFOとして転職先企業やひいては社会に対してどのような変化をもたらしたいのかというスケールで転職先選びを行うことが重要です。

我々もそのほうが候補者様にあった企業をご案内しやすく、入社後もうまくいっているケースが多いのかなと思いますね。

また、企業ごとに経営理念やカルチャーが異なりますので、ビジョンフィット・カルチャーフィットしているかも転職先選びの大事なポイント。

会社のビジョンに共感、またカルチャーに合っていないと、やはり居心地が悪くなってしまいますし、評価の価値観も合わなくなってしまうのかなと思っています。

− 事業会社に転職する場合、公認会計士は経営陣からどの部分が期待されているのでしょうか?

一人ひとり個別に期待しているというよりも「会計士の資格を取得している素養や勤勉さ、専門知識」を自社内でも発揮してくれるかを期待しているのではないでしょうか。

特に上場準備中の企業や上場企業の場合、自社のプレゼンスを高めるために「社内に会計士がいる」という部分は、会社の強みにしたいという本音はあるのではないかと思います。

企業が上場準備に入る際は、上場企業と同じ基準で経理業務を行わなければならないのですが、その時に監査法人の要求を全て受け入れるのではなく、監査法人と対等に話ができ、時には交渉や調整をプロアクティブにできる人材が企業のフェーズによっては求められている印象です。

高年収を狙うなら、給与テーブルが定まっていないスタートアップ転職が穴場

− 年収を上げることだけを目指すのは本質的ではありませんが、とはいえ多くの転職希望者にとって年収は関心が高いと思います。会計・経理人材が転職で年収を上げるためのポイントはありますか?

多くの会社では、ある程度すでに決まっている給与テーブルに基づいて、転職希望者も年収が提示されます。

つまり、一定の規模感の会社で給与の仕組みが整っている会社では、新入社員だけ給料が高水準ということはあまりありません。その点では、会社全体の給与水準が高い会社を選ぶのがまず一つの戦略。

もう一つは、まだ給与水準が定まっておらず、ある意味「言い値」で決まるようなスタートアップ企業・ベンチャー企業は、意外に思われるかもしれませんが年収がアップしやすいです。「700万円が希望ですか? わかりました、では700万円で採用します」というようなイメージです。

ただ注意が必要なのは、入社後の給与の上がり幅です。スタートアップやベンチャーの場合、相当頑張って入社時の給与水準を設定しているケースも多い。役職が上がらない限り、年収アップは見込めない可能性については、面接時に少し突っ込んで聞いてみてもいいでしょう。

− 外資系企業の場合はどうなのでしょうか?

外資系企業の場合は、日系企業と比べると給与の水準は高いです。ただし、社内で役職が上がっていくことのある日系企業とは違い、外資系企業は最初からポジション固定で人材を採用する傾向にあります。

平均年収は、外資系の中堅コンサルティングファームで900〜1,000万円ほど。BIG4と呼ばれる企業にマネージャーとして採用されると平均年収は1,200万円ほどになります。

しかし、先ほども申し上げた通り、入社時のポジションが変わることは稀なので、ポジションをあげて年収をアップさせようとすると、必然的に転職するしかないのです。そのため、外資系企業では転職が多くなりがちです。

私の言葉で候補者の人生は変わる。「人に寄り添う」気持ちを忘れず、信頼されるエージェントでありたい

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− ではそんななかで、『ジャスネットキャリア』の他社サービスにはない独自の特徴や強みを教えてください

弊社ジャスネットコミュニケーションズは、1996年に日本で初めて公認会計士が設立した会計・経理人材専門の人材紹介会社です。

現在ではご登録者数は67,000人を超え、これまで5,000社を超える企業・事務所と取引をさせていただいています。現在、国内では最も会計士のご登録が多い人材会社と自負しています。

そんな『ジャスネットキャリア』で掲げているのが「一生涯、サポート宣言」という言葉。会計・税務・経理・財務分野に携わる候補者様のキャリアに1回きりの“点”としてではなく、ライフステージの変化にあわせ一生涯お付き合いしたいというのが弊社サービスの姿勢です。

具体的な転職サポートとしては、「履歴書・職務経歴書の添削」や「面接の練習」「企業と候補者様の間に入り給与等の条件交渉」など、一般的な転職エージェントサービスが行なっている支援は一通りご提供しています。

また、弊社エージェントは企業の人事ではなく現場の財務・経理担当者から直接課題や要望をヒアリングできる専門知識を持っていますので、双方のミスマッチを極力ゼロにすることができています。

− なるほど、『ジャスネットキャリア』が会計・経理人材の転職支援に強い理由がわかりました。では最後に、小山さん自身の今後の展望を教えてください

常に考えているのは、企業と候補者様のマッチングの質を高めることです。求人サイトと違い、転職エージェントサービスは間(あいだ)にエージェントが介在することに意味があります。

そしてマッチングの質を高めるには、まず候補者様の気持ちに寄り添いコミュニケーションを取ることが大切です。弊社では「入社してくれればどの会社でもいい」というような、自社の利益第一の考えはございません。

もちろん、営利企業ですので利益を出すことは大切ですが、それは候補者様の利益の先に作り出すべきです。

私がかつて大学教授の一言で人生が変わったように、人の言葉には人生を変えてしまう力があります。私のコミュニケーションで候補者様の人生を左右しかねないからこそ、「人に寄り添うこと」を第一に真に信頼されるエージェントを目指していきたいです。

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