筋道を立てて物事を考え、論理的な結論を出す思考法であるロジカルシンキングは、ビジネスシーンで非常に重要な思考法と言える。特に、コンサル実務においてロジカルシンキングは必要不可欠と言っても過言ではない。
本記事では現役コンサルタントがロジカルシンキングの鍛え方・トレーニング方法について徹底解説していく。ぜひ参考にしていただきたい。
「ロジカルシンキング」について以下の記事も合わせお読みいただきたい。
Contents
ロジカルシンキングの鍛え方・トレーニング方法【全体像】
ここでは筆者がコンサル入社前~入社後にロジカルシンキングをトレーニングしてきた方法をご紹介する。
いずれの方法でも重要なポイントは"日常的に"鍛えるという点である。ロジカルシンキングについて正しく知った上で、実践する機会を最大化することで、飛躍的にロジカルシンキングを伸ばすことができる。
- "ロジカルシンキング"とは何かを理解する
- インプットした情報を整理する習慣を身につける
- 様々なフレームワークを使ってみる
- フェルミ推定・ケース演習を行う
- ディスカッションする
以下では各トレーニング方法について、詳しく解説していく。
ロジカルシンキングの鍛え方・トレーニング方法【初級編】
"ロジカルシンキング"とは何かを理解する
ロジカルシンキングを鍛える上でのファーストステップは、ロジカルシンキングについて正しく理解することである。
ロジカルシンキングについては多種多様の書籍や記事で解説されているが、定義がふわっとしている分、書籍や記事によって微妙に記載されいている内容が異なる。
そのため、簡単に書籍や記事の一文を謎るのではなく、いくつかの出所を組み合わあせて自分なりに腹落ちさせる必要がある。
たとえば書籍であれば、漫画で分かりやすく解説している入門編のものから、新しい切り口で考え方を掘り下げる上級者編のものまで、様々な書籍が出版されているため、2-3冊組み合わあせて読むことをおすすめしたい。
インプットした情報を整理する習慣を身につける
ロジカルシンキングを自分なりに理解できたら、トレーニングの次のステップとして「日々インプットした情報をロジカルに整理する」ことを習慣として行っていただきたい。
日々のニュースや、上司からの指示、友人との会話など「つまりどういうことか」「わかりやすく整理するとどのようになるか」という視点で整理してみて頂きたい。
そうした習慣を積み重ねることで、"ロジカルに物事を考える"癖がつき、相手の話を聞きながら頭の中で情報を整理できたり、自分の伝えたいことを整理した上で話したりできるようになる。
情報を整理する上ではただ頭の中で考えるだけでなく、紙やワード、パワーポイントなどを使ってアウトプットすることで飛躍的に学習スピードを上げることができる。
ロジカルシンキングの鍛え方・トレーニング方法【中級編】
様々なフレームワークを使ってみる
徐々に「日々インプットした情報をロジカルに整理する」習慣が身に付いてきたら、様々なフレームワークの活用にチャレンジしていただきたい。
フレームワークは複雑な事象を情報を漏れなくダブりなく整理する際に非常に有用であり、また時には共通言語として"MECE感"を担保してくれるため、議論を円滑に進める効果もある。
世の中には様々なフレームワークが存在するが、状況により最適なフレームワークは異なる。
今知っているフレームワークや、取っ付き易いフレームワークだけではなく様々なフレームワークを実際に利用してみることで、自身の引き出しを広げることができる。
フレームワークは知識であるため、簡単に身につけることができ、かつ一度身につければ定着しやすいため、ロジカルシンキングぜひ活用していただきたい。
ロジカルシンキングの鍛え方・トレーニング方法【上級編】
フェルミ推定・ケース演習を行う
ロジカルシンキングを鍛える方法の発展形として、フェルミ推定やケース演習を行うことも有用である。
フェルミ推定とは、掴みどころのない数量を何らかの推定ロジックによって短時間で概算することである。例えば、「日本の電信柱の本数は?」「マクドナルドの売上は?」というお題に対して、推定ロジックと自分が持つ情報を最大限に活用しながら算出する。
また、ケース演習は実際のビジネスシーンを題材にして、課題や原因を整理した上で解決策や打ち手を考えるものである。例えば「マクドナルドの売上を上げるには?」「日本の人口を増やすには?」といったお題である。
フェルミ推定やケース演習を行うことで、ロジカルシンキング力などを具体的に測ることができるため、コンサルティングファームをはじめ、Googleの採用面接でも取り入れられていることでも知られている。
逆説的ではあるが、フェルミ推定やケース演習を行うことで、ロジカルシンキング力を鍛えることができるため有用なトレーニングであると言えるのだ。(実際、筆者もコンサルファームの選考対策でフェルミ推定やケース演習を行い、ロジカルシンキング力が上がったという実感がある)
ディスカッションする
自分の中で情報をある程度ロジカルに整理することができるようになったら、ディスカッションをするというのもロジカルシンキングを向上させる上で有用なトレーニングになる。
ここで言うディスカッションは、あるお題に対して結論を出すために2人以上で議論することを指す。(必ずしも賛成・反対といった立場に分かれる必要はない)
ディスカッションを通じて相手の発言を自分の中で整理して、それを踏まえて論理的に自分の意見を発言するということを高速で回転させることができるため、情報をある程度ロジカルに整理することができるようになっていれば最も効率の良い鍛え方と言える。
ネックとしては他の鍛え方と異なり相手が必要になる点だが、もしご自身と同様にロジカルシンキングを鍛えたいという人がいればぜひトライしてみて頂きたい。
ロジカルシンキングを鍛える上でのポイント
上記のようにロジカルシンキングのトレーニング方法は様々だが、どれも日常的・継続的に取り組み必要がある。
ロジカルシンキングは数日で伸びるものではなく、継続していくうち徐々に向上していくものである。
その前提で日常的・継続的にロジカルシンキングに取り組んでいただきたい。
またロジカルシンキングは一度身につけば、自然とあらゆる場面で活用できるようになるため、その活用がトレーニングとなり、自然とロジカルシンキング力を向上できるというサイクルが回りだす。
そのため、最初こそ実感を得られにくいが、ある時から非線形的にロジカルシンキング力が向上していくため、ぜひ根気強く鍛えていっていただきたい。
マーケティングではロジカルシンキングを活用したカスタマージャーの作成も重要である。
カスタマージャーニーのメリットや作り方についてはこちらの記事で詳しく解説されているため、あわせてご確認いただきたい。
参考:カスタマージャーニーとは?Customer Journeyのメリットや作り方を徹底解説 - 株式会社Hub Works
また、おすすめのロジカルシンキング研修を紹介するので、あわせてご確認いただきたい。
参考:ロジカルシンキング研修|研修の導入を徹底サポートのキーセッション.jp