KPMG FASの年収や生活水準をインタビューから徹底解説

世界的にサービスを展開する4大監査事務所の一角であるKPMGにてファイナンシャルアドバイザリーサービスを担うのが、KPMG FASである。

本記事では現役KPMG FAS社員へのインタビューを踏まえて年収構造・事情など、様々な視点からKPMG FASの年収について徹底解説していく。

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横山 諒平
監修者

Flow Group代表取締役/コンサルタント

株式会社Flow Group代表取締役。慶應義塾大学経済学部卒業。
大学卒業後はデロイト トーマツ コンサルティング合同会社に入社し、製造業のクライアントを中心に中期経営戦略の策定やM&A実行支援、新規事業立案・立ち上げ支援に従事。
その後、株式会社リクルートライフスタイル(現株式会社リクルート)における事業戦略・予算策定、事業開発に従事。フリーコンサルとして独立後、2019年8月株式会社Flow Groupを創業。

コンサルマン
執筆者

コンサルマン

コンサルキャリア編集部。コンサルキャリアおよびコンサルマンは株式会社Flow Groupが運営しています。Twitterフォロワー1.9万人

本記事を作成するにあたっては、実際に現役KPMG FAS社員複数人にインタビューを行っている。

本記事でわかること
  • KPMG FASの年収(役職別・年齢別)
  • KPMG FASの年収比較
  • KPMG FASで年収を上げる方法
  • KPMG FASの年収のリアル(生活水準や口コミ)

KPMG FASへの転職を目指す上ではおすすめのコンサル転職エージェントも参考にして頂きたい。

KPMG FASの役職別・年齢別の年収

KPMG FASの役職 年次(目安) 年収(目安)
アナリスト/ジュニアアソシエイト 1~5年目 450~600万円
アソシエイト/シニアアソシエイト 4~8年目 600~1,000万円
マネージャー/シニアマネージャー 7~15年目 1,000-1,500万円
ディレクター 実力による 1,600万円~
マネージングディレクター/パートナー 実力による 2,500万円~

上記はKPMG FASの役職別・年齢別の目安年収である。

役職に紐づく形で年収レンジが定められており、年収レンジの中では評価の積み重ねで変わってくる。

アナリスト/ジュニアアソシエイト

KPMG FASのアナリスト/ジュニアアソシエイトは、主にリサーチ、データ解析、インタビュー、クライアント向け資料作成、タスク管理、クライアントへの報告等、幅広く担当し、期限内に作業を遂行することが求められる。

また、アナリスト/ジュニアアソシエイトでは、上司の指示に基づき、タスク単位での自己管理をしながら、能動的に作業を進めることが必要となる。

新入社員、第二新卒の大半、20代後半のコンサルティングファーム未経験者(事業会社経験者)は、アナリスト/ジュニアアソシエイトとして入社することとなり、年収レンジは450~600万円程度となる。

アソシエイト/シニアアソシエイト

KPMG FASのアソシエイト/シニアアソシエイトは、アナリスト/ジュニアアソシエイトの指示・レビュー・指導等のマネジメント、および、対クライアントの業務が多くなる。

主な作業としては、プロジェクト全体のスケジュール、および、報告資料のストーリーの構築、クライアントとの会議体や頻度等の調整、クライアントへの報告等を担当する。

アソシエイト/シニアアソシエイトには4~8年目程で昇格するケースが多く、20代後半~30代前半のコンサルティングファーム未経験者(事業会社経験者)は、アソシエイト/シニアアソシエイトとして入社することが多い。

年収レンジは600~1,000万円程度となる。

マネージャー/シニアマネージャー

KPMG FASのマネージャー/シニアマネージャーは、複数または大型のプロジェクトの責任者として、プロジェクト全体の課題やリスクを管理しつつ、クライアントの役員層と議論を重ねながら、計画的、かつ、高品質にプロジェクトを進める。

また、マネージャー/シニアマネージャー以上からは稼働率に加えて、売上、および、社内貢献活動が評価に加わる。

そのため、デリバリーだけでなく、提案活動による案件獲得、更には社内活動としてナレッジの共有、情報交換、社内イベント、若手コンサルの育成等の活動も実施する。

マネージャー/シニアマネージャーには7~15年目で昇格するケースが多いが、メンバーのマネジメント能力を昇格の際には特に見極められる。

また、30代で事業会社にてマネージャー/シニアマネージャーを担当していた経験者(コンサルティングファーム未経験者)は、マネージャー/シニアマネージャーとして入社することが多い。

年収レンジは1,000万円~1,500万円程度となる。

ディレクター

KPMG FASのディレクターは、基本的にはマネージャー/シニアマネージャーと担当業務が変わらないが、ノルマになる案件獲得の金額や経営視点での社内活動(マネージャー/シニアマネージャーへの育成、注力すべき分野・領域の検討等)が、更に高いものを要求される。

特にディレクターからは、担当するセクター、クライアント、および、サービスラインを越えて、社内全体の成長や利益のために行動することが求められる。

年収レンジは1,600万円~と売上・経営貢献次第で高くなっていく形になっている。

マネージングディレクター/パートナー

KPMG FASのマネージングディレクター/パートナーーは、KPMG FASの顔としてクライアントからの案件獲得だけでなく、経営方針の決定等、会社役員としての活動を担当する。

売上貢献、クライアントの役員との関係構築はもちろんのこと、育成、採用、ガバナンスの統制、多様性の促進等、様々な経営活動が求められる。

また、マネージングディレクター/パートナーに昇格するためには、売上貢献だけでなく、社内で「顔が利く」存在になる必要もあるため、他の部署のマネージングディレクター/パートナーからも、ある程度、認知されており、信頼されていることが重視される。

年収レンジは2,500万円~と売上・経営貢献次第で高くなっていく形になっている。

コンサルへの転職を成功させるためには

コンサルファームではケース面接を始めとする特殊な選考が行われ、非常に難易度が高いと言われている。

また、コンサル業界自体が外から見えづらい業界であるため、転職前にリアルな実態を把握することも難しい。

そのため、「コンサル転職の成功率を上げる」「コンサル転職を通じて理想のキャリアを実現する」上では、コンサル業界への知見や対策ノウハウを持つエージェントを選ぶことをおすすめしたい。

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KPMG FASの年収制度

KPMG FASでは、各プロジェクトでの成果を評価され、年度末の評価会で、それらの評価を総合した結果を踏まえて、賞与、および、昇給・昇格が決まるという年収制度を導入している。

この特徴は、社員の考え方次第で、「ポジティブな効果」と「ネガティブな影響」が出ていると言える。

各プロジェクトが終わった段階で、プロジェクトリーダーとのフィードバック面談が実施されることが多いです。被評価者としては「プロジェクトごとに評価してくれて、手厚い評価制度になっている」と感じる一方で、評価者には評価にかかる時間や負担が多くなっている印象でしたね。

元KPMG FAS社員A氏

KPMG FASの評価制度

KPMG FASの評価制度としては、各プロジェクトでの成果を評価され、年度末にそれらの評価を総合した結果を踏まえて、賞与、および、昇給・昇格の対象者を決める。

具体的な各階級の従業員は、下記の通りの評価ウエイトで査定される。

アソシエイト/シニアアソシエイト以下は、稼働率が評価の100%を占め、稼働率のノルマ(85%以上)を達成していることはもちろんのこと、従事したプロジェクトの貢献度合い(定例資料のストーリー構成、クライアントとのディスカッションの様子、成果物の品質等)を評価される。

マネージャー/シニアマネージャー以上は、売上が評価の60~70%であり、稼働率が評価の10%を占め、社内イベントや仕組み作り等の社内貢献が評価の20~30%を占めており、職階が高いほど、売上のノルマ額は高くなる。更には、会社経営の貢献度合い(若手育成、新規顧客の開拓等)も評価される。

アソシエイト/シニアアソシエイト以下は目の前のクライアントワークを一生懸命やれば、評価されます。一方でマネージャー/シニアマネージャーからはデリバリー、提案活動、社内貢献活動と評価対象が増えて、一気に評価の難易度が高くなりますが、年収もその分上がりますので、それ相応の評価制度になっていると考えています。

現役KPMG FAS社員B氏

KPMG FASの残業代

KPMG FASは固定残業代(みなし残業代)は無く、所定労働の7時間を超えると、残業時間として残業代が発生する。

M&Aや戦略案件が多くなるので、どうしても残業が発生してしまいます。その時は、「残業申請を忘れないように」と上司や同僚から声をかけらえることが多いですね。「申請を忘れて、残業代がもらえないと勿体ないぞ」って。(笑)

現役KPMG FAS社員C氏

KPMG FASの賞与

KPMG FASでは年に1回、評価結果に応じた賞与が支給される。

また、会社全体の業績が良い場合は、金額が上乗せされることもあるとのことだ。

賞与額はコンサル業界だけでなく、全業界を見渡しても、たくさん貰える方だと思います。また、会社の業績が良いと、賞与額が増えるので、景気が良い時はつい期待してしまいますね。(笑)

現役KPMG FAS社員D氏

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KPMG FASと他社の年収比較

企業名 平均年収
KPMG FAS 1,243万円
デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー(DTFA) 1,053万円
PwCアドバイザリー 1,023万円
EYストラテジー・アンド・コンサルティング 897万円

上記はOpen WorkにおけるBIG4系のFASの平均年収の比較である。あくまでOpen Workにおける回答者平均である点はご留意頂きたい。

KPMG FASの平均年収は最も高く、全体的に高年収であるBIG4系のFASの中でも頭一つ抜け出す水準感となっている。

高年収を目指す上ではBIG4系のFASはもちろん、その中でもKPMG FASは有用な選択肢と言える。

KPMG FASの生活水準

以下ではKPMG FASの年収を踏まえたリアルすぎる生活水準を紹介する。

実際のインタビューを踏まえた内容であるため、ぜひ参考にしていただきたい。

アソシエイト/シニアアソシエイトの生活水準

KPMG FASのアソシエイト/シニアアソシエイトの場合、評価にもよるがおおよそ手取りは35万円程度になる。

例えば、一人暮らしの場合の生活水準としては以下のようなイメージである。

項目 収入 支出
手取り 35.0万円
家賃 9.0万円
食費 6.0万円
光熱費 1.5万円
通信費 1.5万円
交際費・趣味娯楽費 6.0万円
医療・保険費 1.0万円
衣服・美容費 1.0万円
交通費 0.5万円
雑費 1.5万円
貯金 7.0万円

手取り35万で一人暮らしであれば都心でも比較的余裕のある生活ができる。一方で、オフィスの近くに住むなど都心部に住もうと思うとなかなか厳しい水準ではある。(オフィス近くに住もうとすると12~15万円程度の家賃となる)

そのため、住まいとしてはオフィスから比較的アクセスが良い、東西線や三田線、千代田線などで15分程度離れたところに住んでいる人が多い。

とは言え、趣味娯楽へある程度自由に使えるお金が多く確保できるため、暮らしに困ることはほとんどないと言える。

食費に関してもそこまで切り詰める必要はなく、6万円程度使うことができる。手取り35万であれば余程豪遊をしない限り、月に7~10万円程度の貯金もできるため、かなり余裕のある暮らしができる。

また、自己啓発・スキルアップに関す社内研修はもちろん、会社が業務に必要と認めた公的資格(公認会計士、外国の会計士、不動産鑑定士、税理士、等)の入会金・年会費等について費用補助を支給する等、社員の自己成長を支援する取り組みも好評を得ているようだ。

マネージャー/シニアマネージャーの生活水準

KPMG FASのマネージャー/シニアマネージャーだと、年収が1,000万円以上になるが、基本給の手取りベースにすると約60万円程度となる。

マネージャー/シニアマネージャーでも独身の人もいるが、以下では配偶者・子ども(一人)と家族暮らしの場合の生活水準イメージをご紹介する。

項目 収入 支出
手取り 60.0万円
家賃 20.0万円
食費 10.0万円
光熱費 2.5万円
通信費 2.5万円
養育費 2.0万円
交際費・趣味娯楽費 4.0万円
医療・保険費 2.5万円
衣服・美容費 3.0万円
交通費 1.0万円
雑費 2.0万円
貯金 10.5万円

年収1,000万円で家族3人で暮らす場合は、大きな不自由をすることなく暮らすことはできる。

ただ配偶者+子供となると、住まいに関しては最低でも2~3DLKは確保したいところであり、東京都内の主要区に暮らす場合は家賃18~20万円ほどになる。

また子供の年齢にもよるが、習い事や塾、私立への進学もある程度は無理なく対応できるため、教育面での心配も大きくはない。ただし、年収1,000万円では決して贅沢な暮らしはできないという点を肝に命じて置く必要がある。

年収1,000万円というとどうしても「高年収」という意識を持ってしまう人もいるが、家族3人暮らしの場合は都心に住むことは難しく(築年数やマンショングレードなど何かしらの妥協は必要)、外食などを頻繁に行くことも難しい。

一方で、交通費支給、社保完備、カフェテリアプラン制度、財形貯蓄制度、公認会計士企業年金基金等、社員が経済的に苦しまないようにする制度も用意しており、多くの社員が実際に利用している。

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【現役社員が教える】KPMG FASで年収を上げる方法

以下ではKPMG FASで年収を上げる方法を「転職時」と「転職後」に分けてご紹介する。

転職時

転職の場合、「本人の希望年収」、「面接での評価」、「本人の専門性」を総合的に考慮して年収が決まる。

年収を上げる方法としては、「面接でのきちんとした受け答えができる」という前提ではあるが、基本的に他ファーム・企業から高い年収でオファーをもらっていることをチラかせながら提示された年収から+α乗せて「本人の希望年収」を伝えれば十分に年収を上げることは可能である。

特にKPMG FASは、M&A、事業再生、フォレンジック対応等を主なサービス領域としているため、M&Aに関するアドバイザリー、事業再生プロジェクト、財務デューディリジェンス、更には、不正防止支援等の経験を有している応募者は、需要が高く、高い年収オファーを提示される可能性が高くなる。

弊社が提供しているコンサル領域は主に、経営戦略、M&A、事業再生・事業変革(リストラクチャリング)、不正・不祥事(フォレンジック)の4つとなります。したがって、これら4つの領域の経験を有している応募者の方は、比較的、年収交渉を有利に進めることができると思います。

現役KPMG FAS社員E氏

転職後

KPMG FASへの転職後の年収は役職や評価に大きく依存することになる。

そのため、アソシエイト/シニアアソシエイト以下は目の前のプロジェクトで成果を出すこと、マネージャー/シニアマネージャー以上は売上ノルマの達成、社内活動等で成果を出すことが非常に重要になる。

実際、現役KPMG FAS社員に話を伺うと以下にようなTipsがあがっていた。

転職後は、とにかく貪欲に成果を出すことに集中することが良いかと思います。クライアントワークはもちろん、組織貢献等も評価材料になるので、「社内に顔を売る」という意味を含めても、可能ならば組織貢献活動も頑張っておいて損はありません。

現役KPMG FAS社員B氏

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KPMG FAS現役社員が教える年収の"リアル"

各プロジェクトの評価を踏まえた総合評価で昇給・昇格、および、賞与額が決まるという特徴を持つKPMG FASであるが、KPMG FAS社員に現状の年収に対してポジティブ・ネガティブに思うことをお聞きした。

リアルな生の声であるためぜひ参考にしていただきたい。

ポジティブ

年収水準はさすがBIG4ということもあり、全業界の中でも高い水準だと思います。高い年収を転職理由の1つとして、中途入社してくる人も多いですね。

現役KPMG FAS社員C氏

昇格すれば、グッと年収が上がるので、仕事のモチベーションが高い社員が多いイメージですね。昇給・昇格を目指すことは、ビジネスマンとして素直な気持ちだと思いますし、活躍の場も広がるので、みんな昇格目指して頑張っています。マネージャーからは年収1,000万円を軽く超えるわけですから。

現役KPMG FAS社員D氏

ネガティブ

賞与が年に1回しか支給されないことに不満を持つ社員がいるかもしれません。しかし、その分、賞与額は高く、また、月給も他の会社と比べても高い方と思うので、年収額という観点では満足している人が多いと思います。

現役KPMG FAS社員E氏

経営戦略やM&A案件が多いので、労働時間が長くなりがちですが、一方で報酬が多いため、仕事量・質に見合った対価を受け取っているのだと感じています。

現役KPMG FAS社員B氏

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この度は弊社記事をお読み頂き誠にありがとうございます。 弊社「株式会社Flow Group」は
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コンサルキャリアは株式会社Flow Groupが運営しています。当社は厚生労働省から有料職業紹介事業の認可を取得し、求職者の転職支援と企業の採用支援を行っています。

会社名 株式会社Flow Group
会社HP https://consul-career.com/corp/
所在地 東京都新宿区市谷田町3丁目8 市ヶ谷科学技術イノベーションセンタービル 2F 
法人番号 5011001129632
厚生労働省 有料職業紹介事業認可番号 13ーユー315272
適格請求書事業者登録番号 T5011001129632

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