エージェントはコンサル転職希望者の何を見ているか?『type転職エージェントミドル』の視点と特徴

『type転職エージェントミドル』は、30〜40代のハイクラス・エグゼクティブ層向けの転職エージェントサービスです。

国内大手転職エージェントサービス『type転職エージェント』を手がける株式会社キャリアデザインセンターが運営しています。

そんな同サービスで、長年アカウントスペシャリスト※を担当している斉藤由梨さんに、コンサル転職を希望する人との面談で確認していることをお聞きしました。

転職支援のプロは転職希望者の何を見きわめて、どうサポートしているのか、その視点をお伝えします。

アカウントスペシャリスト・斉藤 由梨さんのプロフィール

一橋大学を卒業後、求人媒体の営業職から『type転職エージェント』のキャリアアドバイザーに転身。IT業界経験者を中心に転職支援を拡大していき、現在は組織のリーダークラスをメインに多くのハイクラス層を転職へと導いている。

キャリアアドバイザーとして最初に担当したIT領域を強みとしながら、コンサルタントの転職も多く支援。

キャリアアドバイザーとして常日頃、心に抱いているのは「候補者様の新しいキャリアの可能性を常に模索し、提案し続けたい」という気持ち。変化の激しい時代にあわせて、自身も変わり続けることを理念に掲げ、キャリア情報に対してアンテナを張り巡らせている。

※ アカウントスペシャリストとは:『type転職エージェント』の中のハイクラス・エグゼクティブ領域の転職支援に特化したコンサルタントのこと

コンサルへの第一歩は、日常的に課題意識を持って生活すること

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- はじめにお伺いしたいのはコンサル業界への転職のポイントについてです。コンサル業界未経験の転職希望者とはじめて面談する際、どのような点を注視されていますか?

面談では最初に、その方が「コンサル業界にどのようなイメージをお持ちであるか」を確認することから始めます。

というのも、コンサル業界未経験の方の場合、抱いているコンサルタントのイメージ自体が実態とズレていることがよくあるためです。お話を聞いていくと、フィットするのはコンサル業界ではないな...というケースも多いのです。

- もう少し深掘りすると、どのようなズレが多いのでしょうか?

コンサルタントの業務は、一言でいえば「クライアントの課題解決」。

最終的なミッションである「お客様の会社の成功」に意識が向いていなくてはなりません。その姿勢は、普段から仕事に対して課題感や問題意識を持ちながら仕事をしているかどうかに現れていると考えます。

もちろん、コンサルタントを志す最初のモチベーションは「もっとお金を稼ぎたい」とか「かっこいいビジネスマンになりたい」という憧れからでも構わないんです。

ただ、その目標を達成するためには日々の仕事で少しでも何かを改善しようとしているかが、結局のところコンサルタントの資質につながっているということ。

日常的に“何か課題を解決しよう”という考えが薄いのであれば、コンサルタント向きではないのかもしれません。

なので、面談の際には、今までの業務を通じてどんな課題解決をされてきたのか、日ごろどのような課題感をもって業務に取り組まれているのかをヒアリングし、コンサルタントとしての適性を確認させていただいています。

たとえ、まだ若手社員だったとしても、自社の経営や事業に対して関心が強い方や、日々の業務の中で課題を発見して取り組んでいる方など、「コンサルに転身しても活躍されそう」と思える方はいらっしゃいます。

そうした適性の有無と、コンサルタントの仕事への認識のズレがないかが、転職サポートの入り口としては重要だと考えています。

ポストコンサル転職の希望者には、なぜ実行側に移りたいのかを深掘って聞いている

- では逆に、ポストコンサル転職希望者に面談を行う際は、どのような点を意識して見られていますか?

コンサル業界から事業会社への転職を希望される方は「実行する側に行きたい」と仰る方が多いですよね。顧客の課題に対し提案はできるが、実行するかどうかの最終判断は顧客が行うという点に歯痒さを感じる方は多いと思います。

確かに、事業会社で働く魅力は、実行までやりきって成果を出せるところではあります。そこでもう一歩踏み込んで確認したいことは、「実行する側に移った際に得られる”何に”対して魅力を感じているか」ということです。

-と言いますと?

「実行する側に移ったら、実行するかの判断ができる」という点に魅力を感じている場合、理解しておかなければならないのが、事業会社で戦略実行の意思決定ができるのは一定以上の役職につかれている方のみということ。

比較的若くポストコンサル転職を行なった場合、はじめから決裁者にまわれるわけではないのです。チームで決まった意思決定に対し、手を動かす役割からスタートすることを受け入れる必要があります。

つまり、「実行する側に移って、実行すること」に魅力を感じていないと、現場での泥臭い仕事や行動量を求められることに対して「思っていたのと違う」ということになりかねない。そのあたりの認識は細かく確認するようにしていますね。

- ポストコンサル転職では年収は下がるイメージが強いですが、そういった話も面談ではされるのでしょうか?

そうですね。特に外資系のコンサルティングファーム出身の方であれば、事業会社への転職で年収が下がることは基本的には避けられないかなと思います。ただ、年収の変動に関しては想定済みのこととして受け入れられている方が多い印象です。

ある意味、ポストコンサル転職における本気度が試される項目と言いますか。「年収が少々下がってでも本当に事業会社で実行側に移りたいのか」という意志を確認するための一要素でもあるかなと考えています。

ただ、全ての転職希望者の方が葛藤しないかというとそうではないですし、生活スタイルの維持というのは人によって最低ラインが異なるので、年収ダウンの幅はしっかり考える必要があると思います。

自分の成長志向と顧客志向を結びつける姿勢が大事

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-ここからは コンサル業界への転職について話を戻して伺いたいと思います。コンサル業界の面接では受け答えが重要という印象が強くあります。実際、面接で好印象を持たれるにはどのような点がポイントなのでしょうか?

ロジカルに自分の考えを伝えられることは重要ですが、かといって難しいビジネスの知識やフレームワークを駆使して話を展開する必要は必ずしもないかなと思っています。

それよりも繰り返しになりますが、日々の仕事を惰性的に行なうのではなく、常に課題意識や改善点を考えながらしている姿勢を伝えることが大切です。

付け焼き刃のコンサル用語を使うことよりも、面接官に「課題解決思考」の素養があることをエピソードから感じ取ってもらうことがポイントです。

逆に言うと、コンサル業界の知識が不十分でも、日ごろから考えて仕事している方であれば、我々との面接対策で、コンサルタント面接官にも太刀打ちできるようになります。

- 人柄や性格といった部分で、コンサル業界への転職が成功しやすい方の特徴はありますか?

内面的な部分で重要なのは「成長志向」です。コンサルタントとして、自分をより良くしていきたいという思考性はベースとして欠かせません。

ただ、この成長志向は自分自身にだけ向いているというのではなく、あくまでもお客様への価値提供を通して、と考えているかがとても重要です。

コンサルタントはクライアントワークなので、お客様の会社全体や関わっている部署を良くしたいと思える人でなければ、成長し続けるのは難しいのかなと思います。

-コンサル業界を志望する転職希望者が、エージェントの面談に臨む際のコツはありますか?

ご相談にいらした方のお考えを整理するのが我々の仕事ですから、キャリアの方向性が固まっていなくても気軽に面談にお越しいただければと思います。

ただ、スムーズに面談が進むケースは、「コンサルティング業界に転職し、どのように成長していきたいのか」をご自身なりの言葉で語れる方の場合が多いです。

現在置かれている状況と、未来に向けてどうなっていきたいかだけでも整理できていると、その方のキャリアをご提案する上で軸が定まりやすいです。

これはポストコンサルを目指す方の場合も同じで、「コンサル業界から事業会社に移り、その会社でどんな付加価値を出していきたいのか」をイメージしてからお越しいただけるのが理想ではありますね。

転職希望者の絡まった悩みを整理するのが我々の仕事。まずは話を聞かせてほしい

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- コンサル転職希望者が『type転職エージェントミドル』を使うメリットは何でしょうか?サービスの特徴を教えてください。

いわゆる一般的な転職エージェントのサービスである「転職相談・キャリア相談」に始まり、「候補企業のご紹介」「各書類の添削」「面接対策」など網羅的にバランスよく転職支援を提供できるのが弊社サービスの特徴です。

コンサル業界だけでなく、広く事業会社様とも繋がりがありますので、両方のキャリアの方向性を見据えて求人をご紹介させていただいております。あらゆる可能性の中から、自分にあった転職先を絞り込みたい方にフィットするサービスかなと思いますね。

- 他にメリットはありますか?

おそらく、給与など条件面について企業との間に入って調整・交渉を進められることがエージェントを利用していただく一番のメリットだと考えています。

特に、『type転職エージェント ミドル』では、キャリアアドバイザーが企業側の担当もしているため、応募先企業がどのような人材を望んでいるか、過去の採用の傾向、どこまで条件交渉できるかなどを熟知しています。

条件面について気掛かりなこともスピーディーに交渉、解決できるのが強みだと考えています。

- 斉藤さんが転職エージェントとして働いていて、やりがいを感じる瞬間はどんなときですか?

一番やりがいを感じる瞬間は、転職サポートをさせていただいた方が転職先企業でご活躍し、事業の成長に貢献されているところを目の当たりにしたときですね。

私は転職エージェントとしての支援歴は結構長いほうだと思いますので、昔にサポートさせていただいた方から「斉藤さんお久しぶりです!」とご連絡をいただくケースもあります。

ご自身の転職が3回目で、その都度、私にご相談いただいている方もいらっしゃいます。出会った方々のキャリアを長くサポートできるのもこの仕事の魅力だと思います。

- では最後に、記事を読んでいる転職希望者に一言メッセージをお願いします

少し仕事に行き詰まりを感じていたり、キャリアを考え直したいな、くらいの温度感でも構いませんので、気軽に相談していただけると嬉しいです。

そのような候補者様のモヤモヤとした気持ちを紐解いて、具体的なキャリアプランに落とし込んでサポートするのが我々の強みであり使命だと思っていますので。

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