大和総研転職大全 | 選考フロー、中途面接、難易度、強み・特徴を徹底解説

大和証券グループのシンクタンクとして高い人気を誇るのが大和総研である。

本記事ではそんな大和総研の転職大全として、詳細な面接内容から中途採用難易度、志望動機、求められる学歴を徹底的に解説していく。

コンサルファームではケース面接を始めとする特殊な選考が行われ、非常に難易度が高いと言われている。

また、コンサル業界自体が外から見えづらい業界であるため、転職前にリアルな実態を把握することも難しい。

そのため、「コンサル転職の成功率を上げる」「コンサル転職を通じて理想のキャリアを実現する」上では、コンサル業界への知見や対策ノウハウを持つエージェントを選ぶことをおすすめしたい。

Flow Groupは、コンサル転職に特化した転職エージェントで、戦略・総合コンサル出身者が徹底的に選考支援をすることに強みを持つ。

また、現役で自社でもコンサルティング事業を行っているため、コンサル業界に対して最新の動向や豊富な知見を有する。

横山 諒平
監修者

Flow Group代表取締役/コンサルタント

株式会社Flow Group代表取締役。慶應義塾大学経済学部卒業。
大学卒業後はデロイト トーマツ コンサルティング合同会社に入社し、製造業のクライアントを中心に中期経営戦略の策定やM&A実行支援、新規事業立案・立ち上げ支援に従事。
その後、株式会社リクルートライフスタイル(現株式会社リクルート)における事業戦略・予算策定、事業開発に従事。フリーコンサルとして独立後、2019年8月株式会社Flow Groupを創業。

コンサルマン
執筆者

コンサルマン

コンサルキャリア編集部。コンサルキャリアおよびコンサルマンは株式会社Flow Groupが運営しています。Twitterフォロワー1.9万人

なお、本記事を作成するにあたっては、実際に現役・元大和総研社員複数人にインタビューを行っているためぜひ参考にして頂きたい。

本記事でわかること
  • 大和総研の中途難易度
  • 大和総研の選考フロー~面接内容
  • 大和総研で求められる学歴
  • 大和総研への転職を成功させるためにやるべきこと

大和総研を含むコンサルへの転職を目指す上では、おすすめのコンサル転職エージェントの記事を参考にして頂きたい。

大和総研とは

株式会社大和総研は、大和証券グループのグループ会社として、1989年8月に設立された、シンクタンクである。

事業としては、経営ビジョン、M&A、事業再編、ガバナンス体制の整備、働き方改革の推進等を支援するコンサルティング事業だけでなく、システムコンサルティング、システムインテグレーション、データセンターサービス、アウトソーシングサービス、AI・データサイエンスを手掛けるシステム事業、経済・社会に関する調査研究・提言を手掛けるリサーチ事業も展開している。

会社名 株式会社大和総研
英語表記 Daiwa Institute of Research Ltd.
従業員数 1,740人(2022年3月時点)
本社所在地(国内) 東京都江東区冬木

大和総研の強み・特徴

大和証券グループとして成長を続ける大和総研だが、他のコンサルティングファームと比してどのような強み・特徴をもつのか。

ここでは、現役大和総研社員に話を伺い、そこから見えてきた大和総研の強み・特徴について解説しよう。

金融・証券領域に強み

大和総研の強み・特徴の1つ目は、何と言っても、大和証券グループにいるからこそ発揮できる金融・証券領域に強みを持っている点だろう。

ここでいう強みとは、金融・証券領域に関する知識が豊富であるため、領域独自の課題や進むべき企業の方向性等を熟知している点である。

前提知識が豊富なことは、他のコンサルティングファームと比べて、コンペに勝てるだけでなく、独自の付加価値を提供する上でも、大きな差別化要素となっている。

金融・証券業界にバックグラウンドを持っている社員が多いため、自ずと金融・証券領域のコンサルサービスが得意な組織となりますね。私はどちらかと言うと、金融知識は無い中での中途入社だったのですが、数年も経てば金融の専門家と呼ばれるくらいまでになりました。金融・証券関連の案件が多いこともあり、案件をこなしている間に勝手に金融のプロフェッショナル集団の一員になっています。

現役大和総研社員A

グループ会社向けの案件が豊富

大和総研では、大和証券グループの傘下にいる会社向けの業務・ガバナンス体制の改善、IT・DX化等の案件が多いことで、安定的な収益を得られることも強み・特徴である。

グループ各社においても、日々、事業を成長していく必要がある中で、大和総研へコンサルサービスを依頼することが年々、増えており、それの結果として、グループ会社、および、大和総研、双方の成長をお互いに促しているようだ。

グループ会社向けの案件が多いことは非常に良いことだと思います。他のコンサルティングファームが案件獲得に日々、苦労している中で、グループ各社から継続的に依頼が来たりするので、収益だけでなく、経験・ノウハウも大和総研の中で蓄積されます。そして、その蓄積された経験・ノウハウを活用して、外部のクライアントへ提案、および、付加価値のあるコンサルサービスを提供することができています。そして、また、外部のクライアントの案件で蓄積された経験・ノウハウをグループ会社に応用できたりするので、良い相乗効果が生まれていますね。

現役大和総研社員B

大和証券というブランド力

大和総研の強み・特徴の3つ目は、大和証券というブランド力により、クライアントからの信頼獲得がしやすいという強みが挙げられる。

名実ともに有名な大和証券のグループ会社という看板を上手く活用することで、競合他社とのコンペティションに勝つことができたり、新規の顧客開拓もしやすくなる等、大和証券のブランド力は大和総研の成長に大きく寄与しているようである。

大和証券の知名度、信用度は高いものがあります。例えば、ベンチャー企業なら新規開拓するうえで、自分達のことを信頼してもらうことから入らないといけません。しかし、大和総研の場合、そのハードルが低いので、本題に入りやすく、提案活動等をスムーズに進めることができた事例がいくつもありますね。

現役大和総研社員C

大和総研の中途選考フロー

大和総研の中途選考フローは年度によって異なるが、募集しているポジションがある限り、随時選考が行われている。

大和総研では基本的には以下のような中途選考フローになる。

  1. 書類選考
  2. 一次面接
  3. 二次面接
  4. 最終面接

選考開始から内定獲得まで、転職活動は早くても2-3ヶ月を要する。

以下では大和総研の選考フローを分解し、それぞれについて詳しく解説していく。

大和総研の書類選考・志望動機

大和総研への転職の第一歩は書類選考である。

書類としては、履歴書と職務経歴書が必要となり、日本語か英語の指定は特に無い。

書類選考で特に注意して見られる書類は、履歴書と職務経歴書であり、記述すべきポイントとしては、「どのような経験・スキルを持っているのか」、「なぜ、大和総研で働きたいのか」の2点が挙げられる。

例として、実際に大和総研への転職を成功させた2名の方の志望動機をお聞きしたので簡略化したものをご紹介する。

現職は、大手の総合系コンサルティングファームで働いている。日々、マネージャーとして顧客の課題解決の提案をしている中で、日本の企業を元気にさせて、日本の経済を活性化させるためには、金融領域の専門家になる必要があると考えている。そういった状況の中、金融領域のコンサルサービスを強みとする大和総研で働くことによって、現在のコンサルタントスキルに加えて、金融領域の知識を得ることができるのではないか、と思い、応募に至った。

大和総研転職成功者Aさんの志望動機

現在、証券会社で営業をしているが、顧客への提案を更にブラッシュアップしていくためには、コンサルタントのような論理的思考であったり、プレゼン力が重要になると考えている。大和総研では、証券関連の案件も参画できつつ、コンサルタントスキルも伸ばすことができると考えているため、大和総研で働くことによって、営業力を更に磨いていきたい。

大和総研転職成功者Bさんの志望動機

大和総研の中途面接

ここでは大和総研における面接について解説していく。

一次面接

  • 面接担当者:35~39歳(会社でいう課長レベル)
  • 質問内容:現職での業務内容、志望動機

大和総研の一次面接では、35~39歳(会社でいう課長レベル)の社員が面接担当者になり、質問内容としては、現職での業務内容、志望動機、等の書類選考の際の志望動機に関する深堀り質問がメインになる。

特に、面接において見られているポイントとしては、「自分自身の考えを論理的に分かりやすく説明できるか。」といったコンサルタントとしての基礎的な素養を注視している。

また、面接担当者が現場の社員ということもあり、業務内容に関する深掘り質問も多くなるので、事前に自分の業務内容の棚卸しと整理をしておこう。

志望動機と業務内容の深堀りが、一次面接では中心になります。両方とも、論理的に、かつ、分かりやすく説明することが重要になるので、頭の中でも良いですし、メモに書いても良いので、事前に説明する内容を整理しておくことをオススメします。ちなみに私はメモに書いて整理しました。そちらの方が、業務内容等を可視化できたので。

大和総研転職成功者Cさん

二次面接

  • 面接担当者:40~44歳(会社でいう次長レベル)
  • 質問内容:現職での業務内容、志望動機、大和総研で実現したいこと

大和総研の二次面接では、40~44歳(会社でいう次長レベル)の社員が面接担当者になり、一次面接の質問に加えて、「大和総研で実現したいことは何か」が多くなる。

ポイントとしては、「どれくらい大和総研の成長に貢献してくれるのか」ということを注視しているため、入社後のキャリアビジョンや、チャレンジ・実現させたいことのアイデアを用意しておくことをオススメする。

一次面接に比べて、入社後の話が多くなります。なので、入社後にどのようなことをしたいのか、を考えておきましょう。「自分の経験・スキルをチームに共有して、チームの底上げを目指す。」、「提案活動を推進して、売上UPに貢献する。」等、具体的な構想を用意しておくことができれば、アピールになります。

大和総研転職成功者Dさん

最終面接

  • 面接担当者:45~49歳(会社でいう部長、もしくは、役員レベル)
  • 質問内容:現職での業務内容、志望動機、大和総研の強み・弱み

大和総研の最終面接では、45~49歳(会社でいう部長、もしくは、役員レベル)の社員が面接担当者になる。

また、面接担当者が部長、役員レベルの社員であることから、大和総研に関する客観的な意見を求められることが多い。

具体的にはコンサル業界における大和総研の強み・弱み、注力していくべき領域は何か、どのような人材を獲得していくべきか、等、経営陣としての視点での質問が来るため、現場レベルより、もう一段階、高いレベルでの意見を言えるように準備しておこう。

経営レベルの意見を求められても難しいと思うので、業界分析してみたり、ホームページで経営層が何を語っているか、等、できる範囲で分析し、自分で考えてみるのが、良いかと思います。質問の回答に答えはないので、自分なりの意見を論理的に説明できれば、問題とはなりません。

大和総研転職成功者Eさん

大和総研の転職難易度

ここでは大和総研への転職難易度や採用の傾向について解説する。

転職難易度

大和総研は中途採用を積極的に進めているとはいえ、金融・証券業界の出身者やコンサルティングファーム出身者等を中心に厳選して選考をしている傾向にあるため、中途採用比率も他のコンサルティングファームに比べるとやや低い(2021年度の中途採用比率:11%)。

そのため、転職難易度はやや高いと考えられる。

「本アクチュアリー会準会員以上」を募集の必須条件にする等、人材をかなり厳選している印象はありますね。その分、中途入社で入ってくる社員の方々は、優秀な人ばかりです。大和総研の方針として、誰でも獲得するという、戦略では無いということなんだと思います。

大和総研転職成功者Fさん

コンサル・シンクタンク業界は他業界と比較して相対的に転職難易度が高いと言われている。

そんなコンサル・シンクタンク業界の中でも他社と比較して転職難易度が高い大和総研への転職を目指す上では、コンサル転職に強みを持つ転職エージェントに登録して、専門的な対策支援を行うことをおすすめしたい。

求める人物像・選考基準

転職難易度の高い大和総研の内定を獲得する上では、面接の限られた時間の中で、大和総研が求める人物像を、自身の経験や人柄と合わせて十分にアピールすることが求められる。

具体的には下記のような経験やスキルセットを保有している人が比較的採用されやすいようだ。

  • 情報収集能力、文書作成能力、プレゼンテーション能力
  • コンサルタントスキル、もしくはITスキル等を保有する人材
  • 金融・証券業界に関する資格を持つ、もしくは、関連する組織の会員である人材(年金数理人、日本アクチュアリー会等)
  • 論理的、かつ、客観的に物事を考え、説明できる人材
  • 誰にでも円滑にコミュニケーションを取れる人材

大和総研への転職成功者が教えるやるべきこと

ここでは、大和総研に転職を成功させた方々に、そのポイントをお聞きしたいので紹介する。

大和総研への転職を成功させるためにやるべきことは大きく3つあげられる。

大和総研の強み・弱みの分析

大和総研への志望動機、面接対策に向けて、大和総研の強み・弱みを分析しておくことは、有効な手段と言える。

コンサル業界の中ではどういうポジションにいるのか、金融・証券業界の中ではどういうポジションにいるのか、等、競合他社と比べて、大和総研にどのような強み・弱みがあるのか、を分析しておくことで、自分なりの根拠に基づく志望動機と強み・弱みに関する意見を持つことができる。

そうすることができれば、書類選考、および、面接の際には大いにアピールできる。

転職の際には対象の企業のことを調べると思いますが、客観的な視点で物事を見れるということをアピールする意味で、強み・弱みを分析することは効果的だと思います。更に、「弱みについては、自分が○○して改善させます!」みたいなことを言うことができれば、高得点となりますね。ぜひ、トライしてみることをオススメします。

大和総研転職成功者Aさん

大和総研におけるシステム、リサーチ、コンサルの違いの分析

大和総研ではシステム、リサーチ、コンサルの3つの事業に分けれているが、「それぞれどのような役割を果たしているのか」を分析し、「その中で、なぜ、自分はコンサル事業のメンバーとして入社したいのか」ということを説明することをオススメする。

これができれば、大和総研のことをしっかりと調査していることのアピールになるだけでなく、分析し、考えた上でキャリア選択できる人材なのだということもアピールできるので、ぜひ、事前に調査しておこう。

システムは何となく分かる人がいると思いますが、「リサーチ」と「コンサル」は、似て非なるものなので、よく調べておきましょう。「コンサルもリサーチするじゃん。」という意見が出てきそうですが、リサーチでは、コンサルよりも調査の範囲が広く、内容も深いので、実際の業務内容は全然違うので、注意です。

大和総研転職成功者Bさん

面接対策

大和総研では、面接が3回もあるだけでなく、各面接担当者の役割・質問内容が異なるため、様々な準備をする必要がある。

特に、大和総研の強み・弱みという、ある意味、デリケートな部分については、「言い過ぎず、言わな過ぎず」といった絶妙なニュアンスで話す必要も出てくるため、事前に説明の仕方等を練習しておくことが重要となる。

面接が3回もあるので、疲れます。ただし、どの面接担当者の方々も、気さくでアットホームな雰囲気の方ばかりなので、構えすぎず、リラックスして臨むことをオススメします。「緊張しすぎて、言いたいことを言えなかった。」だと、後悔しちゃいますので。

大和総研転職成功者Cさん

大和総研への転職の魅力

ここでは、大和総研の現役社員の声を参考にしながら、大和総研に転職する魅力について改めて整理する。

経済の知識が付く

大和総研は金融・証券領域に関するコンサルサービスを得意としていることもあり、他のコンサルティングファームに比べて、経済に関する知識が早期に、かつ、深く身に付けることができるという魅力がある。

経済というのは社会、および、ビジネスの根幹になる概念であるため、その知識を蓄えることができるのは、コンサルタントとしてだけでなく、社会人としても大きな武器となるため、転職者にとっては大きな魅力の1つである。

正直、中途入社する前は、初心者レベルでしか経済のことを知りませんでしたが、大和総研に入ってからは「専門家」と言われるレベルにまで成長できました。上司や同僚の方々も、みなさん、良い人なので、素人質問しても嫌な顔一つせず答えてくれるので、入社当時は、とても助かりました。

大和総研転職成功者Dさん

福利厚生が良い

大和総研では、社員の満足度を向上させるために、様々な制度を用意していることも、魅力の1つである。

例えば、休暇に関しては、一般的な有給休暇や、育休・産休はもちろんのこと、「配偶者の海外転勤等の場合に、最長5年間の休職が可能となる」配偶者転勤同行休職や、「生理による体調不良のほか、不妊治療、更年期による体調不良の際に、月に2日まで有給休暇として取得することができる」エル休暇、等も用意されている。

また、社員の資産形成をサポートするための財形貯蓄制度、従業員持株会、確定拠出年金、つみたてNISA(給与天引き)等の制度も用意されており、社員にとっては安心して業務に打ち込める環境が整っている。

働きやすさや、休暇の取りやすさ等は、業界でも非常に優れていると思いますし、みんな、積極的に取得・活用しています。私は資産形成サポートと、奨学金返済サポート貸付を利用しており、経済的な支援をしてもらっているため、かなり助かっています。

大和総研転職成功者Eさん

賞与が高い

3つ目は、何と言っても、賞与が高いことが挙げられる。

大和総研では年収の10~30%を賞与として受け取ることができ、評価次第で多くの賞与を獲得できる。

また、賞与の頻度としても半期ごとであるため、社員としては半期ごとに多くの賞与を獲得できるチャンスが来るため、モチベーションの源泉にもなっている。

会社員として働く以上、賞与が高いことは、働く上で大きな魅力と言えるだろう。

賞与が高いのは、やっぱり嬉しいですね。モチベーションにもなりますし、経済的に余裕が出てくるのは、安心して生活できますので。賞与の支給日になると、みんな、機嫌が良さそうですよ。(笑)

大和総研転職成功者Fさん

コンサルへの転職を成功させるためには

コンサルファームではケース面接を始めとする特殊な選考が行われ、非常に難易度が高いと言われている。

また、コンサル業界自体が外から見えづらい業界であるため、転職前にリアルな実態を把握することも難しい。

そのため、「コンサル転職の成功率を上げる」「コンサル転職を通じて理想のキャリアを実現する」上では、コンサル業界への知見や対策ノウハウを持つエージェントを選ぶことをおすすめしたい。

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