本シリーズはコンサル転職に際して出題される「ケース面接」の例題及び解答集である。
実際にケース面接を突破したことのある現役コンサルタントがケース問題を解き、回答や考え方をお見せする。
本記事では、「回答そのもの」に加え、その回答を導く為の「考え方」にも比重をおいて解説する。
Contents
問題
お題:ヤクルトレディの売上を伸ばすには?
考える時間:10分
難易度:★★
種類タグ:ビジネス系、toC×サービス系、手書き回答
回答
(ⅰ)前提のすり合わせ
まずはいつもどおり"主語”の明確化を行います。ヤクルトレディといっても一個人なのか?チームなのか?配達所なのか?ヤクルト全体なのか?といくつか主語の候補が存在します。今回の考える範囲を「とある配達所の売上向上」と定義します。
主語だけではなく、"ヤクルトレディ"のようなややビジネスとして"わかりにくい事業"については、ビジネスモデルも定義しておくと、より施策が考えやすくなります。
今回は、訪問員=ヤクルトレディがお宅に訪問してその場で商品を販売する「成約型ビジネス」と定義します。
Tips
実際のワークの中では、ビジネスモデルの定義は、次のステップ(仮説だし)の中で「ビジネスモデルも定義したほうがいいなぁ」と思い、前のステップに戻って定義します。このように、問題を解きながら前提を固めていく意識も重要となります。
(ⅱ)売上分解
課題や施策の仮説がパッと思いつき辛いお題だった為、まずは"売上"を分解することにしました。
まずは「単価✕数量」で切り分けて、「単価」については「配達所の為商品変更の権限はない」という仮説のもと、今回は考えないものとします。
次に「数量」を分解していきます。今回は以下のように分解しました。
- 数量
- 訪問数
- 人数
- 一人当たり訪問数
- 成約率
- 購入本数
- 訪問数
(ⅲ)課題特定
分解をした上で、次にそれぞれを改善する施策を考えていきます。
が、その前に、
すべての指標に対して施策を考えていくよりも、課題を絞った中で施策を考えていくほうがスマートだなぁと感じた為、「訪問数」「成約率」「購入本数」のどこが最も課題か、を仮説ベースで決めることにしました。
指標 | 課題感 | 理由 |
訪問数 | ✗ | ・人数を増やす、効率化は、明確な施策であり、既にやっている可能性が高いと判断 |
成約率 | ◯ | ・上記、2指標に比べて取り組みが進んでいない可能性が高いと判断 |
購入本数 | ✗ | ・購入本数を増やす=ヤクルトを飲む量を増やす、ことでもあるので、一配達所が取り組む課題として難易度が非常に高い |
上記で、課題を「成約率」と絞り、次にその課題を分解していきます。以下のように「外的要因と外的要因」に分けて課題を分解しました。
- 成約率が低い理由
- 外的要因
- 地域/ターゲット
- 内的要因
- ヤクルトレディの質
- トーク
- 外見
- モチベーション
- その他
- ヤクルトレディの質
- 外的要因
(ⅳ)施策出し
上記で分解した課題に対して、アイディアベースで施策を羅列していきます。
以下の通り、いくつかの施策を出していきます。
(ⅴ)施策の一覧化&評価
最後に施策にA~Fのラベルを付け、一覧化。
そして、優先度が高い、実行すべき施策を抽出する為に、施策の評価を行っていきます。
評価軸については、実現性(Feasibilty)とインパクト(Impact)で評価をすることにしました。
評価は数値に落とし込み、各評価軸を1~3の数値で評価し、かけ合わせた数値で優先度をつけていきます。
※数値の大小は、感覚でつけつつ、ツッコまれたら一応回答ができるように評価付けを行います。
最終的には以下のような形で施策を提案していきます。
「ヤクルトレディの売上向上する上で最も解くべき課題を、訪問した際の”成約率”と定義し、その課題も内的要因・外的要因で整理し、それぞれに対しての改善施策を考えました。(表を見せる)
それぞれの施策を実現性とインパクトで整理したところ、実現性が高く、そこそこインパクトが大きいであろう”営業スクリプト作成&改善”という施策がもっとも有効であると評価しました。」
最終的な手書きアウトプット
最終的には以下のような手書きのメモが完成↓
ケース面接での想定質問・ディスカッション
実際の面接で聞かれそうな質問を以下に整理しておきます。ご自身の面接・ケース対策にご活用ください。
- 他にどんな施策が考えられる?本当にスクリプトの改善になるか?例えば、採用とかってどう思う?
あとがき・ケース対策中の方へのコメント
今回の反省は、施策の仮説出しにもう少し時間を使ったほうがよかったかなぁと思います。
最終的な施策が「営業スクリプトの作成」という点が、ややビジネス的な観点から見て、本当にそれが1番の施策なのか?という違和感を感じます。(今あらためて考えると、そもそもの採用の部分が重要なビジネスのように感じている)
なのでこれが面接だった場合、もう少しクリエイティブでフラットな視点で「どんな施策を出せば、面接官を唸らせられるか?」という視点で考えてみても面白かったかなぁと思います。
以上、参考になりましたら幸いです。
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