コンサルティングという仕事の認知度は上がっているものの、まだまだその実態が理解されておらず、各所でコンサルは「虚業である」「意味がない」「役に立たない」「高級派遣だ」として話題にあがることも多い。
本記事では、コンサルファームと事業会社のどちらも経験した筆者が、コンサルは本当に意味がない虚業なのか、そしてそう思われる理由について言及する。
- コンサルが虚業、意味がない、役に立たない、高級派遣と言われる理由
- コンサルの役割を踏まえた上記のリアルな実態
コンサルへの転職を目指す上では、おすすめのコンサル転職エージェントの記事を参考にして頂きたい。
また、よりリアルな実態を知りたい方は、こちらのコンサルの仕事内容の記事をご覧頂きたい。
Contents
そもそも虚業・高級派遣とは
まず、虚業・高級派遣の定義について明確にしておきたい。
虚業とは
虚業とは「空虚な事業」と言われ、実業の対義語で語られることが多い。
もう少し平たく言うと、実態が掴みにくく、人類や社会の発展に貢献しないように見える事業である。
筆者としては、架空の投資ビジネスやネズミ講、誇大広告を活用した低価値商品の販売などが虚業に該当すると考えている。
高級派遣とは
所謂派遣の方よりも難易度が高い業務を担い、より高いフィーを得る人々を高級派遣として語られることが多い。
超高度でクライアントに高い価値を提供するというよりも、お客さんの言いなりになって、綺麗な資料を作成する"作業者"というニュアンスが強い。
コンサルは意味がない「虚業」「高級派遣」なのか
上記定義に照らすと、必ずしもコンサルティングは「虚業」「高級派遣」ではないと言える。
なぜなら、筆者もコンサルタントとしてサービスの提供を、あるいはクライアントとしてサービスを享受し、その結果として事業成長や組織改革を実現したという経験があるからだ。
一方で、コンサルティングを「虚業」「高級派遣」であると主張する人たちは、以下のような根拠を引っ張り出してくる。
- アドバイス通りに実行したのに事業成長や組織改革を実現できなかった
- 数千万円払って渡されたのは100枚程度の資料で何ら利益を生まなかった
- 自社の実態を反映しない提言で、結局行動に結びつかなった
こうした声は実際にクライアントとしてコンサルティングサービスを享受した側から出てきた声として、コンサルタントたちは紳士に受け止める必要がある。
たしかにコンサルサービスの中で「虚業」「高級派遣」と言われるようなサービスも存在する。
しかし、それらはあくまでコンサルの一部に過ぎず、クライアントのディスカッションパートナーとして、価値を提供しているコンサルサービスも多い。この辺の状況は、ファームやチームによっても大きく異なる部分でもある。
一方で、価値のあるコンサルティングサービスと、価値のない「虚業」「高級派遣」と呼ばれるコンサルティングサービスでは何が違うのだろうか。
この両者の差異がコンサルティングが「虚業」「高級派遣」と呼ばれる理由なのかもしれない。
コンサルへの転職を成功させるためには
コンサルファームではケース面接を始めとする特殊な選考が行われ、非常に難易度が高いと言われている。
また、コンサル業界自体が外から見えづらい業界であるため、転職前にリアルな実態を把握することも難しい。
そのため、「コンサル転職の成功率を上げる」「コンサル転職を通じて理想のキャリアを実現する」上では、コンサル業界への知見や対策ノウハウを持つエージェントを選ぶことをおすすめしたい。
コンサルへの転職を検討している人は、コンサルキャリアを運営するコンサル業界の専門家集団であり、コンサル転職に強みを持つFlow Groupに登録して頂きたい。
コンサルを虚業というのは"理解"が足りていない
価値のない虚業と呼ばれるコンサルティングは、往々にしてコンサルティングへの"理解"が足りていないことで発生すると考えられる。
よく間違えられることだが、コンサルティングのアウトプットについて以下の2点を理解しておく必要がある。
- アウトプットは「結論」ではない
- アウトプットは「過程」である
アウトプットは「結論」ではない
価値のない虚業と呼ばれるコンサルティングサービスが生まれる理由の一つは、コンサルティングへの理解が足りないことであると述べたが、これはクライアント側だけでなく、コンサルタント側もである。
コンサルティングのアウトプットを「結論」だと捉えている人は多いのではないだろうか。
2-3か月待っていれば、コンサルタントから唯一無二の競合を圧倒できる「結論」が出てくると考えていないだろうか。
実際、コンサルタントにそんな能力はない。
各国の経済情勢、テクノロジーの進化、新たなサービスやプロダクトの出現やその影響値、自社が戦略を実行した場合の他社の対応など全てを正確に予測することはできない。
仮にそんな未来を予測できる能力があれば、別のことをすれば億万長者になれている。
これはクライアント側だけでなく、コンサルタントの中でも勘違いして、まるで未来を予測できるかのように「結論」を出す人が多い。
これでは虚業と言われてもしょうがいない。
アウトプットは「過程」である
では、コンサルタントのアウトプットは何かと言うと「過程」であると考えている。
未来が予測できない中で、その思考「過程」、検討「過程」が大きな価値になる。
現状は事実だとしていた前提も、明日になれば大きく変わってしまう可能性がある中で、前提が変わってもその度にクライアントが戦略をアップデートできるように、その「過程」を提供するのである。
「BCG 次の10年で勝つ経営」より。
— コンサルマン (@mr_grayhair) June 11, 2021
コンサルに求められるのはこうしたことを踏まえた「提言内容」だけじゃなくて、「提言していくプロセス」も変えて行く必要がある。クライアントメンバーを巻き込まずに検討を進めたり、2週間に1回程度のミーティングで検討を進めたりするのは時代に合ってない。 pic.twitter.com/Fh8T2kqbZW
そのために、コンサルタント側は積極的にクライアントを検討に巻き込まなければいけないし、クライアント側も毎週コンサルタントから提供される資料を待っているだけではいけない。
アウトプットが「過程」であるということを、コンサルタント側もクライアント側も理解した上で進めたプロジェクトというのは、筆者の実体験ベースだとプロジェクトの目的を達成できている。
コンサルへの転職を成功させるためには
コンサルファームではケース面接を始めとする特殊な選考が行われ、非常に難易度が高いと言われている。
また、コンサル業界自体が外から見えづらい業界であるため、転職前にリアルな実態を把握することも難しい。
そのため、「コンサル転職の成功率を上げる」「コンサル転職を通じて理想のキャリアを実現する」上では、コンサル業界への知見や対策ノウハウを持つエージェントを選ぶことをおすすめしたい。
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コンサルが虚業と言われる理由
ここでは、コンサルが虚業と言われる理由を、噂レベルなのか、本当にそうであるのかを含めて紹介したい。
所詮は外部の人間である
コンサルタントが、虚業と言われる理由の1つに「所詮、会社の外部の人間であり、仮にプロジェクトが失敗したとしても責任を取るわけではない」ということが挙げられる。
コンサルタントという仕事は、クライアントの経営課題を外部の視点から客観的に分析し、解決策を提案することであるが、それ故に、「実際には事業を抱えている仕事ではない」と思われているようだ。
しかし、事業会社、コンサルティングファームともに経験している現役コンサルタントに話を聞いてみると、そのような考えは、どうやら、異なるようだ。
事業会社からコンサルティングファームへ転職してきましたが、コンサルが虚業だなんて思ったこと無いですね。正直、事業会社の人と同じくらいのレベルで責任を持って仕事に取り組まないと、結局のところ、信用を落としてしまいますので。「結局、外部の人間だから」という偏見は持たない方が良いと思います。
現役コンサルタントA氏
実務経験が無い
事業会社で経験するような現場の実務経験が無い、もしくは、乏しいこともコンサルが虚業と言われている理由になっている。
実際、社会人になってから、コンサルティングファームしか経験してきてこなかったコンサルタントも一定数いることも事実である。
しかし、「実務経験が無い」という考えは、近年では、徐々に無くなってきており、コンサルタントでもプロジェクトによっては、クライアント先の現場の方と実務経験をこなすこともあるようだ。
昔は、確かに「机上の空論」を並べるコンサルタントもいたと思います。しかし、近年は、それだけでは飯を食っていけないので、実務までを支援するプロジェクトが増えてきており、そこで実務経験を積み重ねるコンサルタントも増えてきました。実務を経験することで、提案にも磨きがかかるので、良い効果が出ていると感じます。
現役コンサルタント社員B氏
事業会社・ベンチャーで上手くいかない人が多い
コンサルティングファームから、起業、もしくは、事業会社・ベンチャーへ転職したが、上手くいかない人が多いという噂も、コンサルが虚業であるという認識を広げている原因となっているようだ。
起業、事業会社、ベンチャー企業では、泥臭い仕事をしなければならない時があるが、コンサルは「上から目線の口だけで、いざ行動するとなると、何もできない」ことが多いようだ。
実際はどうなっているのだろうか。
事業会社やベンチャー企業を経て、今は、コンサルタントとして働いている社員に実態を聞いてみた。
正直、事業会社やベンチャー企業へ転職して、そこで上手くいくかどうかは、半々くらいじゃないですかね。しかも、上手くいくかどうかは、「コンサルだから」というのは関係無く、単に会社の文化・仕事のやり方が合わなかった時が多いと思います。それは、事業会社出身者でも起こることですから、気にすること無いと思いますね。起業にしても同じです。誰が起業しても、成功する確率は少ないですから。
現役コンサルタント社員C氏
コンサルが虚業と呼ばれる根源的な原因
それではいよいよ本記事の主題である、コンサルティングが「虚業」と言われる根源的な原因について言及しようと思う。
コンサルティングが「虚業」と言われる原因として大きく以下の2点があげられる。
- コンサルタントの質
- クライアントの間違った違い
コンサルタントの質
「過程」ではなく「結論」を追い求める場合、そのコンサルティングは虚業でしかなくなってしまう。
なぜなら、未来を予測できないにも関わらず、未来を予測できるとして行う提言など「誇大広告を活用した低価値商品の販売」と全く一緒であるからだ。
未来を予測できないことなど、いちビジネスマンとして当たり前に分かっていなければいけないことではある。
残念ながら今のコンサルティング業界では、そんな当たり前のことを浸透できないほど急激に規模を拡大してしまっている。
もちろん全コンサルタントや、全ファームに当てはまることではないものの、そうした質の低下というのが実際に起こっている。
クライアントの間違った期待
また、クライアントの間違った期待というのも存在する。
稀にコンサルタントがなんと言おうと「いいから『結論』だけ持ってきてください」というクライアントもいる。
コンサルティングも商売であり、他ファームとの競争がある中で、特に得意先のクライアントからそのような要求があれば、仮にそれが間違った期待でも、"それっぽい"アウトプットを出さざるを得ない。
そうしたクライアントの間違った期待から出てきたアウトプットについて「アドバイス通りに実行したのに事業成長や組織改革を実現できなかった」というコメントが出てくるのである。
言い換えると「コンサルタントに未来を予測しろと言ったのにできなかった」と言っているようなものなのであり、こうして行われたコンサルティングは虚業となってしまう。
コンサルへの転職を成功させるためには
コンサルファームではケース面接を始めとする特殊な選考が行われ、非常に難易度が高いと言われている。
また、コンサル業界自体が外から見えづらい業界であるため、転職前にリアルな実態を把握することも難しい。
そのため、「コンサル転職の成功率を上げる」「コンサル転職を通じて理想のキャリアを実現する」上では、コンサル業界への知見や対策ノウハウを持つエージェントを選ぶことをおすすめしたい。
コンサルへの転職を検討している人は、コンサルキャリアを運営するコンサル業界の専門家集団であり、コンサル転職に強みを持つFlow Groupに登録して頂きたい。
それでも"高級派遣"コンサルが増えるのは顧客ニーズの変化
現在、クライアントを取り巻く環境が劇的に変化していることを受けて、コンサル各社のサービスも多様化している。
その中で、「高級派遣」が増えるはクライアントニーズの変化によるところが大きい。
これだけコンサルが持つノウハウやフレームワーク、それらを持つ人材が世の中に出回ったことで一昔前のように、コンサルの提案だけが価値を持つ時代は終わったと言える。
その中でより現場により沿った支援が求められているが、コンサル業界自体が競争激化に晒される中で、ただ現場に入り込むだけでなく、できるだけ長くそばにいる必要がある。
そこで一部のコンサルファームは以下のようなモデルで現場に入り込んでおり、これが「高級文房具・派遣」や「御用聞き」と揶揄されてしまうもう一つの要因だと考えられる。
- 「何でもやります」コンサル
- 全て言いなりの「全肯定」コンサル
- 「PPT/Excel/議事録代行」コンサル
「何でもやります」コンサル
「何でもやります」コンサルは、プロジェクトとも呼べないもので、スコープを明確に決めずにクライアント先に派遣し、「何でもやります」という派遣モデルである。
人手不足やリモートワークの浸透で人材育成がうまく進められていないクライアント側にとっても、コンサルタントを派遣してもらえるのは大きなメリットとなっている。
全て言いなりになり「全肯定」コンサル
次の全て言いなりになり「全肯定」コンサルは、クライアントがどんな意見を言っても、すべて肯定してクライアントの見せたい絵を見せることに終始するコンサルである。
クライアントがある程度柔らかい意見を言っても、それを汲み取り構造化するとともに、足りないパーツをリサーチして、最終的に綺麗なドキュメントにしてくれる。
「PPT/Excel/議事録代行」コンサル
最後の「PPT/Excel/議事録代行」コンサルは、一応プロジェクトという体を成してはいるものの、基本的には作業代行で、クライアントの指示に基づき手を動かすもので、クライアント側の働き方改革を受けて益々需要が増加している。
これらは決して一部の総合ファームだけで行われているものではなく、某戦略ファームも行っていることである。
まとめ
一部のファームやチームによって「虚業」「高級派遣」と呼ばれても仕方がないコンサルティングを行っているものの、コンサル業界全体で見れば決して「虚業」「高級派遣」ではない。
事業会社でコンサルティングを受けたことがある筆者としても、コンサルが「虚業」「高級派遣」ではないというのは強く感じており、コンサルは魅力的な仕事であることは間違いない。
「虚業」「高級派遣」ではなく本当に価値のあるコンサルティングを行う上では、「どのファーム」の「どのチーム」で、「どのようなメンバー」と働くかに掛かっていると言っても過言ではない。
そのため、転職にあたっては業界に精通しているエージェントから生の最新情報を収集することが必須である。
コンサルファームではケース面接を始めとする特殊な選考が行われ、非常に難易度が高いと言われている。 また、コンサル業界自体が外から見えづらい業界であるため、転職前にリアルな実態を把握することも難しい。 そのため、「コンサル転職の成功率を上げる」「コンサル転職を通じて理想のキャリアを実現する」上では、コンサル業界への知見や対策ノウハウを持つエージェントを選ぶことをおすすめしたい。コンサルへの転職を成功させるためには
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