中小企業やベンチャー企業をターゲットに、独自のポジションを築いているのがリブ・コンサルティングである。
本記事では現役・元リブ・コンサルティング社員へのインタビューを踏まえて年収構造・事情など、様々な視点からビジョンコンサルティングの年収について徹底解説していく。
本記事を作成するにあたっては、実際に現役リブ・コンサルティング社員複数人にインタビューを行っている。
- リブ・コンサルティングの年収(役職、年齢別)
- リブ・コンサルティングの年収比較
- リブ・コンサルティングで年収を上げる方法
- リブ・コンサルティングの年収のリアル(生活水準や口コミ)
リブ・コンサルティングを含むコンサルへの転職を目指す上では、おすすめのコンサル転職エージェントおよびリブ・コンサルティング転職大全の記事を参考にして頂きたい。
Contents
リブ・コンサルティングの役職別・年齢別年収
リブ・コンサルティングの役職 | 年次(目安) | 年収(目安) |
コンサルタント | 1年目~ | 400~600万円 |
シニアコンサルタント | 2~8年目 | 600~900万円 |
マネージャー | 5~13年目 | 800~1200万円 |
シニアマネージャー | 7年目~ | 1200~1500万円 |
ディレクター | 実力による | 1500~2000万円 |
パートナー | 実力による | 2000万円~ |
上記はリブ・コンサルティングの役職別・年齢別の目安年収である。
役職に紐づく形で年収レンジが定められており、年収レンジの中では評価の積み重ねで変わってくる。
コンサルタント
リブ・コンサルティングのコンサルタントは、リサーチ、データ解析、インタビュー、クライアント向け資料作成、タスク管理、クライアントへの報告等、幅広く担当する。
新入社員、第二新卒の大半、20代後半のコンサルティングファーム未経験者(事業会社経験者)は、コンサルタントとして入社することとなり、年収レンジは400~600万円程度となる。
シニアコンサルタント
リブ・コンサルティングのシニアコンサルタントは、コンサルタントに比べて、対クライアントの業務が多くなる。
主な作業としては、プロジェクト全体のスケジュール、および、報告資料のストーリーの構築、クライアントとの会議体や頻度等の調整、クライアントへの報告等を担当する。
シニアコンサルタントには2~8年目程で昇格するケースが多い。
また、20代後半~30代前半のコンサルティングファーム未経験者(事業会社経験者)は、シニアコンサルタントとして入社することが多い。年収レンジは600~900万円程度となる。
マネージャー
リブ・コンサルティングのマネージャーは、シニアコンサルタントやコンサルタントといったメンバーの上司として、プロジェクトの管理・運営を担当する。
また、マネージャー以上からは稼働率に加えて、売上、および、社内貢献活動が評価に加わる。
そのため、デリバリーだけでなく、提案活動、更には社内活動としてナレッジの共有、情報交換、社内イベント、若手コンサルの育成等の活動も実施する。
マネージャーには5~13年目で昇格するケースが多いが、メンバーのマネジメント能力を昇格の際には特に見極められる。
また、30代で事業会社にてマネージャーをに担当していた経験者(コンサルティングファーム未経験者)は、マネージャーとして入社することが多い。年収レンジは800万円~1,200万円程度となる。
シニアマネージャー
リブ・コンサルティングのシニアマネージャーは、マネージャーより売上評価の比重が高くなるため、プロジェクトのデリバリーの責任者としての活動よりも、クライアントへの提案活動に比重が高くなる。
また、クライアントワーク以外にも、社内活動(ナレッジの共有、情報交換、社内イベント、若手コンサルの育成等)のリーダーとしても活動する。
マネージャー以下よりも、更に、案件獲得と会社経営という視点での活動が重視される。
シニアマネージャーには7年目以降で昇格するケースが多く、年収レンジは、案件獲得のノルマの達成度合いで1,200万円~1,500万円程度と売上・経営貢献次第で変わることが特徴であると言える。
ディレクター
リブ・コンサルティングのディレクターは、基本的にはシニアマネージャーと担当業務が変わらないが、ノルマになる案件獲得の金額や経営視点での社内活動(シニアマネージャーへの育成、注力すべき分野・領域の検討等)が、更に高いものを要求される。
年収レンジは、案件獲得のノルマの達成度合いで1,500万円~2,000万円程度と幅広く変わることも特徴であると言える。
パートナー
リブ・コンサルティングのパートナーは、リブ・コンサルティングの顔としてクライアントからの案件獲得だけでなく、経営方針の決定等、会社役員としての活動を担当する。
売上貢献、クライアントの役員との関係構築はもちろんのこと、育成、採用、ガバナンスの統制、多様性の促進等、様々な経営活動が求められる。
また、パートナーに昇格するためには、売上貢献だけでなく、社内で「顔が利く」存在になる必要もあるため、他の部署やグループ会社のパートナーからも、ある程度、認知されており、信頼されていることが重視される。
年収レンジは2,000万円~と売上・経営貢献次第で高くなっていく形になっている。
リブ・コンサルティングと他中小向けコンサルファームとの年収比較
ここではリブ・コンサルティングと他の中小企業向けコンサルファームの平均年収をご紹介していく。(出所:Open Work)
ここでご紹介する平均年収はあくまでOpen Workにおける回答者平均である点はご留意いただきたい。
ファーム名 | 平均年収 |
ビジネスブレイン太田昭和 | 784万円 |
リブ・コンサルティング | 750万円 |
山田コンサルティンググループ | 662万円 |
船井総合研究所 | 548万円 |
上記を見ると、リブ・コンサルティングの年収は上から2番目となっている。
かつリブ・コンサルティングの平均年齢は33歳と非常に若い組織であることを踏まえると、平均年収が750万円というのがかなり高い水準であることが分かる。
リブ・コンサルティングの従業員は約40%が20代であり、若い組織であるがゆえに平均年収が押し下げられているという実態があるようだ。
リブ・コンサルティングの社風としても本人次第でどんどん昇進させていく社風であるため、若くして高い年収を得るチャンスがあるファームとなっている。
リブ・コンサルティングの年収制度
リブ・コンサルティングの年収制度としては、年俸制を導入している点があげられる。
この特徴は、社員の考え方次第で、「ポジティブな効果」と「ネガティブな影響」が出ていると言える。
年俸制については、恩恵を受ける社員と、受けない社員で大きく二極化しますね。恩恵を受ける社員は、とにかく効率的に業務をこなす人です。そういう社員は、定時で帰宅することができるので、プライベートの時間も確保しつつ、給料ももらえます。つまり、時給換算でいうと高い給料をもらっているのと同じですよね。一方で、恩恵を受けていない社員は、とにかく残業が多い人ですね。みなし残業40時間を超えると追加の残業代を支給されますが、そこまで高くないので、長時間労働の割には給料はそこまで増えません。つまり、割に合わなくなってしまいます。実力主義を掲げている会社なので、しょうがないと思いますが。
元リブ・コンサルティング社員A氏
リブ・コンサルティングの評価制度
リブ・コンサルティングでは、半期ごと(年に2回)評価会が実施され、その都度、給与改定されるという評価制度を導入している。
各階級の従業員は、下記の通りの評価ウエイトで査定される。
まず、コンサルタント~シニアコンサルタントは、稼働率が評価の100%を占め、稼働率のノルマ(85%以上)を達成していることはもちろんのこと、従事したプロジェクトの貢献度合い(定例資料のストーリー構成、クライアントとのディスカッションの様子、成果物の品質等)を評価される。
また、マネージャー以上は、売上が評価の60~70%であり、稼働率が評価の10%を占め、社内イベントや仕組み作り等の社内貢献が評価の20~30%を占めており、職階が高いほど、売上のノルマ額は高くなる。更には、会社経営の貢献度合い(若手育成、新規顧客の開拓等)も評価される。
半年ごとに昇給・昇格のチャンスがあるので、社員のモチベーション維持・向上につながっていると思います。昇格できなかった社員であっても「次の半年、また頑張ろう!」ってなりますので。職位ごとに求められるスキルの水準や、年棒のレンジ等も社員向けに公開されており、「今の自分には何が足りないのか。」を羅針盤として確認できることも特徴だと思います。
現役リブ・コンサルティング社員B氏
リブ・コンサルティングの残業代
リブ・コンサルティングでは、みなし残業代として40時間分が給与に入っており、月間の残業時間が40時間を超えれば、その分の残業代が支給される。
残業代は少ないので、とにかく早く仕事を終わらせるスキルを身につけた方が良いと思います。また、実力主義であるため、「たくさん残業した = チームへの貢献度が高い」ではなく、「クライアントへ付加価値を提供した = チームへの貢献度が高い」で評価されます。なので、仕事の量より、仕事の質を高めることに注力することをオススメします。
現役リブ・コンサルティング社員C氏
リブ・コンサルティングの賞与
リブ・コンサルティングでは年俸制を導入しているため、賞与が無いことが特徴である。
半年ごとに昇給・昇格のチャンスがあるので、そこで昇給・昇格が実現できれば、実質的には半年ごとに賞与がもらえる同等とみなせば良いと思います。また、賞与ではないですが、特に成果を出した社員には、半年に1度の全社表彰式で優秀成績者として表彰する取り組みもあります。これを材料に昇給・昇格をする社員が多くいるので、会社的にも「社員の昇給・昇格を増やしていこう」という取り組みが増えていることは間違いないです。
現役リブ・コンサルティング社員D氏
リブ・コンサルティングの生活水準
以下ではリブ・コンサルティングの年収を踏まえたリアルすぎる生活水準を紹介する。
実際のインタビューを踏まえた内容であるため、ぜひ参考にしていただきたい。
シニアコンサルタントの生活水準
リブ・コンサルティングのシニアコンサルタントの場合、平均で年収750万円くらいになるが、月々の手取りベースにすると約35万円程度となる。
年齢目安としては20代後半になるが一人暮らしの場合の生活水準としては以下のようなイメージである。
項目 | 収入 | 支出 |
手取り | 35.0万円 | |
家賃 | 9.0万円 | |
食費 | 6.0万円 | |
光熱費 | 1.5万円 | |
通信費 | 1.5万円 | |
交際費・趣味娯楽費 | 6.0万円 | |
医療・保険費 | 1.0万円 | |
衣服・美容費 | 1.0万円 | |
交通費 | 0.5万円 | |
雑費 | 1.5万円 | |
貯金 | 7.0万円 |
手取り35万で一人暮らしであれば都心でも比較的余裕のある生活ができる。
ただし、これはオフィスからある程度の距離がある居住地で、かつ、比較的倹約している場合の水準であることを留意いただきたい。
例えば、オフィスの近くに住むなど都心部に住もうと思うとなかなか厳しい水準ではある。(オフィス近くに住もうとすると12~15万円程度の家賃となる)
また、実際にはかなり遊んでいる(交際費・趣味娯楽費が高くなる)シニアコンサルタントもいるので、シニアコンサルタントによっては貯金が出来ていない場合もある。
マネージャーの生活水準
リブ・コンサルティングではマネージャーだと、平均で年収1,000万円くらいになるが、月々の手取りベースにすると約60万円程度となる。
マネージャーでも独身の人もいるが、以下では配偶者・子ども(一人)と家族暮らしの場合の生活水準イメージをご紹介する。
項目 | 収入 | 支出 |
手取り | 60.0万円 | |
家賃 | 20.0万円 | |
食費 | 10.0万円 | |
光熱費 | 2.5万円 | |
通信費 | 2.5万円 | |
養育費 | 2.0万円 | |
交際費・趣味娯楽費 | 4.0万円 | |
医療・保険費 | 2.5万円 | |
衣服・美容費 | 3.0万円 | |
交通費 | 1.0万円 | |
雑費 | 2.0万円 | |
貯金 | 10.5万円 |
年収1,000万円で家族3人で暮らす場合は、大きな不自由をすることなく暮らすことはできる。
ただ配偶者+子供となると、住まいに関しては最低でも2~3DLKは確保したいところであり、東京都内の主要区に暮らす場合は家賃18~20万円ほどになる。
また子供の年齢にもよるが、習い事や塾、私立への進学もある程度は無理なく対応できるため、教育面での心配も大きくはない。ただし、年収1,000万円では決して贅沢な暮らしはできないという点を肝に命じて置く必要がある。
年収1,000万円というとどうしても「高年収」という意識を持ってしまう人もいるが、家族3人暮らしの場合は都心に住むことは難しく(築年数やマンショングレードなど何かしらの妥協は必要)、外食などを頻繁に行くことも難しい。
そのため、リブ・コンサルティングのマネージャーでも、東京の練馬区や江東区、江戸川区、23区外に住んだり、あるいは千葉や埼玉で比較的アクセスの良いエリアに住む人が多いとのことである。
【現役社員が教える】リブ・コンサルティングで年収を上げる方法
以下ではリブ・コンサルティングで年収を上げる方法を「転職時」と「転職後」に分けてご紹介する。
転職時
転職の場合、「本人の希望年収」、「面接での評価」、「本人の専門性」を総合的に考慮して年収が決まる。
年収を上げる方法としては、「面接でのきちんとした受け答えができる」という前提ではあるが、基本的に他ファーム・企業から高い年収でオファーをもらっていることをチラかせながら提示された年収から+α乗せて「本人の希望年収」を伝えれば十分に年収を上げることは可能である。
また、リブ・コンサルティングは、クライアントの規模別(大企業、中小企業、ベンチャー企業等)、専門別(経営、戦略、事業開発、DX、IT、マーケティング、人事等)、業界別(製造、エネルギー、不動産、モビリティ等)といった様々なポジションで採用を募集しているため、「自分自身の専門性」と合うポジションを探し、専門性をアピールしながら、年収交渉することをオススメする。
リブ・コンサルティングは様々な案件を取り扱っているので、絶えず人が足りない状況になっています。なので、中途人材への需要が高いため、年収に関しては交渉しておくことをオススメします。面接時に言いにくい場合は、転職エージェントにお願いしても良いと思います。低い年収で了承すると、低い職位で入社することにもなるので、後々、後悔しないようにしておいた方が良いです。
現役リブ・コンサルティング社員B氏
転職後
リブ・コンサルティングへの転職後の年収は役職や評価に大きく依存することになる。
そのため、シニアコンサルタント以下は目の前のプロジェクトで成果を出すこと、マネージャー以上は売上ノルマの達成、社内活動等で成果を出すことが非常に重要になる。
実際、現役リブ・コンサルティング社員に話を伺うと以下にようなTipsがあがっていた。
昇給・昇格のための評価基準があり、プロジェクトの責任者等は、それを基に評価しようとしているため、評価される側の社員も行動に起こしやすい仕組みになっていると思います。なので、社員としては、会社が公表している「求められるスキル・経験」を目指して、日々、頑張れば良いかと。もちろん、最終的には人間が決めることなので完全ではないですが、ある程度、1人の評価者の評価だけでなく、複数の声も合わせて評価するため、できるだけ公平に評価しようとしています。
現役リブ・コンサルティング社員C氏
リブ・コンサルティング現役社員が教える年収の"リアル"
年俸制、半年ごとの昇給・昇格のチャンスがある、等の特徴を持つリブ・コンサルティングであるが、現役リブ・コンサルティング社員に現状の年収に対してポジティブ・ネガティブに思うことをお聞きした。
リアルな生の声であるためぜひ参考にしていただきたい。
ポジティブ
半年ごとに昇給・昇格のチャンスがあるのは、社員・会社の両面としても良いことだと思います。社員はモチベーションが維持できますし、会社も「モチベーションが下がった社員が退職する」というリスクを減らすことができます。これが、年に1回だけだと、昇給・昇格できなかった場合に「また、来年頑張ろう」とはなりにくいと思うので。もし、昇給・昇格のチャンスが年に1回で、それを逃したら、私なら他社へ転職すると思います。(笑)
現役リブ・コンサルティング社員D氏
年俸制、かつ、残業を良しとしない文化は、子育て世代にとってはかなり嬉しいですね。私は、子どもの保育園の迎えがあるので、定時に帰らないといけないですがチームメンバーの理解もあって、実現できています。子育て世代だけでなく、他の社員にとっても、良い文化だと思います。
現役リブ・コンサルティング社員E氏
ネガティブ
コンサル業界なので、他の業界に比べると年収水準は高いですが、やっぱり大手のコンサルティングファームと比べると見劣りすることは否めないですね。おそらく、中小・ベンチャー企業等、契約金額があまり高くない案件も受注しているので、若干、「薄利多売」状況になっていることが理由にあると思います。大手のコンサルティングファームは、大企業を中心に高金額の案件ばかりで、それを社員の給料として還元している傾向にあるので。まあ、大手のコンサルティングファームが積極的ではない中小・ベンチャー企業へコンサルサービスを提供していることが、リブ・コンサルティングとしての差別化になっているので、何とも言えないですが。
現役リブ・コンサルティング社員B氏
あえて、ネガティブを言えば、やっぱり残業代があまり高くないことに対して不満を持つ社員がいることだと思います。特に若手社員に多い印象ですね。やっぱり、プロジェクトでの多くの業務に追われることが多くなるため、労働時間が長くなってしまうのに、給料にあまり反映されないことに不満を抱えているのでしょう。「頑張って、這い上がれ!」というのは簡単ですが、今の若手世代はそうもいかないと思うので、メンタルケアや業務の分担等のサポートをしてあげることが、マネージャー以上の社員には必要になってくると思います。
現役リブ・コンサルティング社員C氏
コンサルファームではケース面接を始めとする特殊な選考が行われ、非常に難易度が高いと言われている。 また、コンサル業界自体が外から見えづらい業界であるため、転職前にリアルな実態を把握することも難しい。 そのため、「コンサル転職の成功率を上げる」「コンサル転職を通じて理想のキャリアを実現する」上では、コンサル業界への知見や対策ノウハウを持つエージェントを選ぶことをおすすめしたい。コンサルへの転職を成功させるためには
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