
近年副業ブームが起きており、その波はコンサルティング業界まで押し寄せてきている。
実際、筆者の周囲にいるファーム所属のコンサルタントと話をしても「副業」という話が出ることは決して珍しくない。
コンサルタントの副業事情
一方で、そもそもコンサルタントは副業をしても良いのか明確に分かっていない人も多いのではないだろうか。
実際、各人が置かれている状況や所属しているファームによって大きく異なる。
そこで本記事では、コンサルタントの副業事情について解説する。
Contents
現役コンサルは副業できないことが多い
コンサルティング業界全体で見ると、副業はできないことが多いと考えて間違いないだろう。
その理由について、以下にて詳述する。
1. そもそもコンサルファームが副業認めていない
大手ファームではそもそも副業が禁止されていることが多い。
本業の空いた時間を使う副業という概念は、コンサルティングファームが持つクライアントファーストという思想とぶつかる部分があるためだ。
より突き詰めればさらに高い価値が出るかもしれない中で、また時間的な制約を考慮してプロジェクトを設計していく中で、"空いた時間"ができるという前提をファームとしても公に認めることは難しい。
2. 副業する余裕がない
また、仮にファームとして副業を認めた場合も、各コンサルタントが副業の時間を捻出することは決して簡単ではない。
プロジェクトのテーマや期間、クライアントの期待値、チームの力量によって大きく変わるため一概には言えないが、激務と言われるコンサルティング業界において、副業できる余裕がある人は珍しい部類だろう。
副業が認められているコンサルファーム
一方、一定の条件はあるものの副業が認められているファームも存在する。
▼副業が認められているコンサルファーム
- A.T. カーニー
- ローランドベルガー
- アクセンチュア
A.T. カーニー
外資系戦略ファームであるA.T. カーニーでは副業が認められているとのことである。
先日38歳の若さでA.T. カーニーの日本代表に就任した関灘氏のインタビュー記事(38歳A.T.カーニー新代表「関灘茂」の圧倒的努力)でも副業(兼業)について取り上げられていた。
A.T.カーニーでは兼業が許可されており、元代表で現日本法人会長の梅澤高明氏もDJや大学教授と兼業していることで知られる。また、OBの中には起業家や日本企業の経営陣、NPOなどの第一線で活動する人材も多い。
「福島の復興、宇宙カンファレンス、ナイトタイムエコノミー――。会長が50%勤務で兼業して、1円の売り上げにもならないことをやっているグローバルコンサルティングファームはそうそうないのではないでしょうか。カーニーの中で兼業している人や、卒業して社会課題にアドレスしているOBをどう応援、支援できるのか。カーニー自身が試行錯誤する必要があります。カーニー日本法人自体の経営もまた、1つの面白いテーマです」
ローランドベルガー
同じく外資系戦略ファームであるローランドベルガーでも副業が認められているとのことである。
ローランドベルガーのパートナーである福田氏のインタビュー記事(平成に取り残されるコンサルタント、令和に活躍するコンサルタント)でも明言されている。
ローランド・ベルガーはコンサルティングファームで唯一兼業が認められていて、なおかつベンチャー企業のアドバイザーなどになることが推奨されています。私がローランド・ベルガーにいるのは、この働き方を実現できるコンサルティングファームが他にないからです。
また、実際にローランドベルガーの現役パートナーがベンチャーの取締役として活動する事例も存在する。
アクセンチュア
外資系総合ファームであるアクセンチュアでも副業が認められているとのことである。
アクセンチュアの執行役員人事部長、タレントアクイジション担当のインタビュー記事(テレワークに週末副業。アクセンチュアが進める未来の働き方とは)でも明言されている。
申請をすれば兼業も認めていますので、土日にペンション経営をしている人もいれば、趣味として花屋で働いている人もいる。働き方にこだわらないことで、より採用のマーケットの可能性が広がっていきますし、そうした多様な意見や人材を取り入れることが、新しい未来創出型企業を作る最大の方法だと信じていますから
コンサルによる副業事例
筆者の周囲にも副業を行っているコンサルタントは多数存在している。
▼コンサルによる副業事例
- フリーコンサル or スポットコンサル
- 知人ベンチャー企業の手伝い
- 不動産投資
- webメディア運営(アフィリエイトやnote販売)
特に、現役コンサルタントによる副業としてのフリーコンサルというのは最近筆者の周囲にも増えてきた印象である。
1. フリーコンサルでの副業
フリーコンサルはあくまで個人としてコンサル業務を行うことである。
個人としてコンサル業務を行うと聞くと少しハードルが高く聞こえるかもしれないが、フリーコンサル向けの案件マッチングサービスに登録しておけば、簡単に案件を紹介してもらうことができる。
副業案件数は決して多くはないものの、最近では徐々に増えてきており現役コンサルタントでも決して無理な副業ではない。
▼実際に筆者が経験した副業例①
内容:インタビュー設計~インタビュー示唆だし
時間:平日夜、休日
報酬:時給5000円
▼実際に筆者が経験した副業例②
内容:役員向け報告資料作成
時間:土日2-3時間で、ミーティングは週1回で早朝や業務後
報酬:時給8000円
▼実際に筆者が経験した副業例③
内容:中小ファームのプロジェクト全般支援(リサーチから資料作成まで)
時間:平日朝・夜、土曜日(ミーティング含む)
報酬:時給1万円
現役コンサルタントが副業において、自ら企業を開拓して提案を行って案件を獲得することは困難であり、フリーコンサル向けの案件マッチングサービスを利用することが必要である。
一方で、フリーコンサル向けの案件マッチングサービス市場というのはまだまだ黎明期であり、各社で取り扱う案件が大きく異なる。
そのため、幾多あるサービスの中から質の高いサービスを見つ出す必要がある。
具体的には、高単価&独自案件が豊富なBTCエージェントは胸を張っておすすめできる。
以下の記事では、現役フリーコンサルである筆者や筆者の多くの知人の実体験を凝縮した本当におすすめできるサービスをご紹介している。
実体験に基づく内容であるため、これから副業でフリーコンサルをやろうとしているあなたの役に立つと確信している。
2. スポットコンサルでの副業
スポットコンサルとは、依頼者の要望に合わせて知見を提供するもので、日本最大級のスポットコンサルのマッチング事業で知られるビザスクに登録することが最初の一歩である。
ビザスクに登録しておき、インタビューしたいという依頼者とマッチングしたら、インタビューを受けることで報酬が発生する。
本業のコンサルティングワークでも有識者インタビューの際に使用する馴染みのあるサービスだろう。
自分の専門領域を持つコンサルタントであれば、依頼者にとって十分価値のある情報を提供することができる。
また、土日に1時間だけといった形で副業できるため、比較的やりやすい副業である。