株式会社ASSIGN。20代-30代ハイエンドのキャリア支援に特化した転職エージェントで、 一人一人に向き合った支援で長期的なキャリア形成をサポートすることに強みを持つ。2021年には「ビズリーチ」が主催する「JAPAN HEADHUNTER AWARDS 2021」にて、取締役・奥井氏が、約4,600名のエージェントの中から総合的に最も高い結果を残したキャリアエージェントに贈られる 「ヘッドハンター・オブ・ザ・イヤー(大賞)」を受賞。
コンサルファームの採用ニーズはどのようになっているか。コンサル転職を成功させるためにはどのような準備が必要なのか。また、コンサル転職を通じて理想のキャリアを実現するためにはどのようなことを考える必要があるのか。
今回は、コンサル転職に強みを持つ転職エージェントである株式会社ASSIGNの取締役・奥井氏に話を聞いた。
コンサルファームの採用ニーズ
ー現在、コンサルファームにおいて、どのような人材の採用ニーズが大きいのでしょうか?
「現役コンサルのマネージャー層以上」や「テクノロジーの知見がある人材」の採用ニーズが大きい傾向にあります。
「現役コンサルのマネージャー層以上」のニーズが大きいのはコロナ禍だからというわけではなく、即戦力として売上貢献をしてくれるというファーム側から見たわかりやすいメリットがあるためですが、「テクノロジーの知見がある人材」のニーズ拡大は比較的最近の傾向です。
これまで多忙で転職活動がしづらかったマネージャー層以上の方々が、リモートワークの浸透で時間の捻出ができるようになったという面もこの動きを加速させています。
ーDXがバズワード化していますが「テクノロジーの知見がある人材」の採用ニーズが大きいというのはその文脈でしょうか?
仰る通りコロナ影響もあり、働き方改革を中心としたDXが大きなキーワードになっています。そうした背景もあり、コンサルファームとしても特に「テクノロジーの知見がある人材」の採用ニーズが大きくなっている状況です。
デジタル・テクノロジー領域の経験があるITコンサルだけでなく、SIer/SEの方もターゲットとなって拡大しています。
DX領域のコンサルティングを行う上ではビジネスとテクノロジーの両方の知見が必要ですが、後から身につけるという視点で見たときにやはりテクノロジーの方がイニシャルの学習コストが大きいためハードルが高くなります。
テクノロジーの知見があることはもちろん、SIer/SEの仕事はビジネスサイドで構想したものをITで実現することになるため、ビジネスサイドの視点にも触れる機会があることから、DX人材としての評価がされやすい傾向にあります。
ーSIer/SEの中でも特に採用ニーズが大きい経験などはありますでしょうか?
ITの上流工程から下流工程まで一連の経験があると強いです。最近のトレンドであるDX案件においては、事業や業務における問題をテクノロジーでどの様に解決するかを検討し、ソリューション提案を行います。
実際には、検討の結果としてシステム化をしない判断がなされる場合もありますが、大雑把に説明するとこのようなイメージです。
そのため、上流工程の経験も求められまし、加えて下流工程までの一連の経験があれば、実現可能性を考慮した上で検討やソリューションへの落とし込みができ、その後の開発においても手戻りが発生しづらくなるため、プロジェクトでのバリューが発揮しやすくなります。
上流工程についてもう少し詳しくお話しますと、SIer/SEと同様にコンサルも、カウンターパートやプロジェクト規模は変わりますが、社内外とコミュニケーションをとりながら、ベンダーマネジメントも含めてプロジェクトを進めていくことが求められるため、大規模プロジェクトでのPM経験が活かせます。
また、RFPの策定や要件定義の経験は、ビジネスサイドに近い業務になるためより評価がされやすくなります。
コンサルファームに受かる人の特徴
ー採用規模が拡大しているとは言え、コンサルファームへの転職は難易度が高いと思います。具体的にどのような方が受かるのでしょうか?
採用面接において、20代ではポテンシャルとはいえ思考力の深さは勿論のこと、マインドや論理的なコミュニケーションなどコンサルトしての素養が重視され、30代では職種との親和性が重視されます。
求められるマインドとしては「素直さ・謙虚さ」「思考の柔軟性」「主体性」などが挙げられます。
まず、目の前のことに愚直に取り組むことができる「素直さ・謙虚さ」というのは当然見られます。
また相手の(妥当な)意見を受け入れた上で、それをベースに思考を再構築できる「思考の柔軟性」も求められます。その観点を踏まえると、面接中に自分の意見に固執してしまうのは危険です。
面接官から指摘された場合には、「仰るとおり〇〇という観点もありますね。それを踏まえると△△ということになります。」のような形で、当初の意見を訂正できるくらいの柔軟性が必要です。
また、未経験であってもプロジェクトではバリューを発揮しなければいけません。
しかし、プロジェクトにおいては、言われたことをやるだけではなかなかバリューを発揮することはできませんので、自分自身で仮説を立て行動する「主体性」が求められます。
一方、30代では20代に求められる要素だけではなく、「要件定義からテスト・稼働まで一貫して経験を積んできた」「Fintechの領域に詳しい」など「何をやってきたのか」「何ができるか」という質問に対して明確な回答ができる必要があります。
また、これらの経験を相手が魅力的だと思えるような表現も準備しておかなければなりません。
その他の注意点としては、採用ニーズの大きいSIer/SEの方でも、ファーストインプレッション(髪型、服装、話し方など)やコミュニケーションのとり方でNGが出ることもあるため、それらについても気配りが必要です。
コミュニケーションの観点では、結論から話せるか、質疑に対して応答がずれていないか、急な質問に対しても自信を持って答えられているかがポイントになります。
ASSIGNの強み・特徴
ーASSIGNは具体的にどのような強み・特徴があるのでしょうか?
ASSIGNでは転職支援ではなく、将来像を共に描き、その達成に向けて伴走していく"キャリア支援"を行ってくことを大切にしています。
そのため、単に求人を紹介するのではなく、なりたい姿から必要な経験を分解した上で、次の会社で得るべきスキルや環境を棚卸したキャリアプランを提示します。
また選考対策においても、深掘りの観点や注意点を共有し、オーダーメイドでの対策を実施しています。
その上で、模擬面接を通して、エージェントからのフィードバックによってアウトプットの完成度を高めています。
転職後においても、必要に応じて中長期的なキャリア支援をサポートしており、将来像に近い案件情報の定期的なご連絡や、スキルアップセミナーの限定配信を実施しています。
目先の転職だけでなく、理想のキャリアやライフプランを実現できるよう、伴走型エージェントとして最大限バックアップしていることが大きな特徴だと思います。
ーその中でSIer/SEの方々の実績も多くあると思いますが、実際どの様な強みがあるのでしょうか?
ざっくり申し上げると、SIer/SEならではのキャリアに対する不安ポイントを抑えた上で、それを解決するようなキャリアプランを描き、伴走できることが強みになっているのだと思います。
SIer/SEからの転職の場合も、一般的な転職の理由として挙げられる、労働に対する年収の低さや裁量権に対する不満といった理由はもちろんありますが、それ以上に相談が多いのが、以下のようなSIerの方ならではの転職理由です。
- ソリューションドリブンが合わなかった
- 同じソリューションばかり扱うため技術を広げられない
- クライアントのために働くことは好きだが、もっと課題ドリブンで仕事がしたい
まず、①について、ソリューションドリブンというのは、ソリューション(ITシステムなど)中心で仕事をすすめる、という意味です。企業がSIerに仕事を頼むときには要件定義を行った上で、システム開発を委託する流れが一般的です。
もちろん、”企業の課題を見つけて提案”というパターンもありますが、その場合もソリューションありきでの提案になってしまう傾向が強いため、ソリューションドリブンとなってしまうことが多いです。
②についてもソリューションドリブンであることが大きく影響しています。SIerの場合には昇進をしてもIT戦略や業務要件定義に関わることができるというわけではなく、PM(プロジェクトマネージャー)や管理職業務の割合が高まっていく傾向が強いです。
また、現場でプログラマーとして手を動かし続けたり、運用保守を行い続けたりすることも珍しくありません。つまり、昇進したとしても、良くも悪くも似た領域の延長線上の業務に従事していくことになります。
最後の③については、入社前と入社後のギャップによるところが大きいと私は考えています。
つまり、入社前には、“テクノロジーを使って面白いことができる!”と思っていたが、実際に入社するとシステムの全体像が決まった後の要件定義以降のERPの導入やCRMのリプレイス案件が多く、あまり面白さを感じられない、というパターンです。
特に新卒の場合、しっかり会社の現場のことまで把握して就活することは簡単ではないため、IT業界に関わらず起こっていることかもしれません。
こういった、SIer/SEならではのキャリアに対する不安ポイントを抑えた上で、これからのキャリアでそれをどのように解消しうるかを、複数のキャリアプランとともに提示できることが、SIer/SEの方々から信頼いただけている要因だと考えています。
ー具体的に歩みたいキャリアをイメージできていない人も多いかと思いますが、どのように解像度を上げていくのでしょうか?
ASSIGNではその方が長期的な目標を見つけていくために、「価値観」「キャリアプラン」「マーケットバリュー」という3つの観点で整理します。
価値観というのはその人の得意なこと・好きなことであり、誰しもが持っているものです。キャリアにおける価値観は「キャリアにおいて何を大切にしたいか?」という問いに対する答えです。
この価値観を具体的なキャリアプランに落とし込んでいきます。
そのキャリアプランが将来的に価値があるものなのかを照合します。いくら自身の価値観に合っていたとしても、そのキャリアに将来性が無いのであれば、努力に見合った結果や成果が出づらく、最悪そのキャリアがなくなる可能性もあります。
このような意味で、マーケットバリューもまたキャリアにおいて大切な要素です。
ASSIGNでは、転職というアクションはあくまで「点」であると捉えており、転職だけでなく、転職後も含めてキャリアを「線」と捉えてプランを作っていく必要があると考えています。
そのため、転職後もパファーマンスが発揮できるよう上記の支援や、目標のキャリアを歩む上でのプロジェクトの選び方、優秀なコンサルとしての動き方などの情報提供も行っています。
私自身も、支援させていただいた方とは今でも連絡を取っていますし、日々キャリアや仕事に関する質問などのご連絡を頂くことも多いです。
ー"キャリア支援"行う上ではただ求人紹介を行う以上に業界や仕事に深い知見が必要になってくると思います。
仰る通り、業界や業務に深い知見があるというのもASSIGNの強みです。そのため、両面型エージェントの体制を貫いています。
例えば、SIer/SEからコンサルに転職した場合に、多くの方が躓くのが「ソリューションベース」の考えから「課題ベース」の考え方への転換が求められるということがあげられます。
いままでは、自社がもっているITソリューションを使ってどのように問題解決を行うかが求められていたのに対して、コンサルでは問題や課題に向き合った上で、どのように解決や達成をするべきかを考えます。
結果としてITソリューションを用いることはありますが、根本的な考え方が全く異なり、視座や思考の仕方、仕事の進め方もガラッと変わります。
このような、転職者がよくつまづくポイントや様々なキャリアプランなどを深く理解し、それに対して一緒に対応をしていくからこそ、候補者の方々にキャリア支援の伴走者として選んでいただいているのだと思います。
ーコンサルは選考の難易度の高さも有名ですが、選考支援の面でASSIGNの強みはどういった点になりますでしょうか?
コンサルの選考は大きくは「志望動機」の確認と「ケース」面接に分けられます。
「志望動機」に関しては、先程の通り価値観を深掘した上でキャリアプランを徹底的に磨き込んでいくので、一人一人に向き合った支援で長期的なキャリア形成をサポートしていくASSIGNならではの強みが活きる領域です。
また、「ケース」については実際にコンサル出身者が模擬面接を行っています。
最近では、「ケース」も紙に書いてじっくり考えるという形式ではなく、ディスカッション形式のものが増えているため、実務経験のあるコンサル出身者が模擬面接を通じて対策を行えるというのは強みだと思います。
「ケース」についてはコンサル特有のものですし、気なる方も多くいらっしゃると思いますので、もう少し詳しくお話させていただきます。
そもそも「ケース」の目的は、クライアントのディスカッションパートナーとしてふさわしいかどうかを確認することです。その上で論理的思考力とコミュニケーション力を見ています。こ
こを理解せずに、相手を論破しようという姿勢で望むと、コンサルとしての適性がないと判断されてしまいます。
また、対策する上で気をつけていただきたいのは、アウトプットを大切にするということです。ケース対策の書籍は色々とありますが、インプットするだけでなくアウトプットもするようにしていただければ幸いです。
今、SIer/SEからコンサル転職が魅力的な理由
ーコンサルファームからSIer/SEの方の採用ニーズが大きいとのことですが、コンサル転職は魅力的なキャリアなのでしょうか?
まず、知的好奇心が旺盛であり、クライアントワークが好きという価値観をお持ちの方にとっては非常に有力な選択肢になると思います。コンサルティングファームはプロジェクトベースで3か月や半年といった周期でガラッと内容が変わります。
私自身も、「2週間の準備でクライアント5年目と対等に話せるようになりなさい」と指導されたこともありますが、それくらい勉強量も多く、知に貪欲である必要があります。
また、自社で何かを成し遂げるという要素より、クライアントの課題達成に魂を込める仕事である要素が強いため、クライアントワークが好き、ということも重要です。
さらに、コンサルを経た先に自分のありたい姿がある方にとっても、魅力的なキャリアだと思います。
例えば、SIer/SEからコンサルを経験することで、IT企画(IT投資計画やロードマップ策定など)や業務企画(BPR推進など)、DX推進といったネクストキャリアを描くことができます。
事業会社でこのような経験を短期間ですべて積むことは難しいため、それらが比較的短期間のうちに経験できるコンサルは、そういった意味でも有力なオプションになり得ると思います。
現在はテクノロジーを前提として事業が展開され、個々人にもテクノロジーへの理解が求められてきています。
その中で、SIer/SEの方がビジネスサイドへの理解を深めたり、事業目線を身につけることで、その方の可能性が大きく広がり、また市場価値も高まると考えています。
ー現在コンサル転職を迷われているSIer/SEの方々にメッセージがあればお願いします。
日々の業務に向き合う中では、なかなかご自身のキャリアに向き合う時間が取れない方も多いかと思います。
その一方でコロナを契機として、ご自身の働き方などを考えた方もいらっしゃり、多くの方にとってキャリアについて考えることが身近になってきていると感じています。
キャリアについて考えることはご自身にしかできないため、今回のインタビューが少しでも多くの方にご自身の価値観や将来像を考えるきっかけになれば嬉しい限りです。
ASSIGNでは多くのSIer/SEの方のキャリア支援をさせて頂いていますが、SIer/SEの方の中には、現状や将来に対して不安を感じていらっしゃる方もいらっしゃいます。
例えば、
- 要件定義以降からのシステム開発にしか関与できないビジネスモデルに限界を感じる
- 将来は管理職業務が多くなってくることにより、自身の成長が不安
- 自社のシステムやパッケージの提案に留まり、課題解決のためのフラットな提案になっていない
といったお声をよくお聞きします。
将来的なキャリアが明確でなくても、漠然とした不安がある、もしくはキャリアについて改めて考えたいという方は、お気軽にご相談ください。
>>無料キャリア相談
ASSIGNの概要
20代-30代ハイエンドのキャリア支援に特化した転職エージェント。 一人一人に向き合った支援で長期的なキャリア形成をサポートすることに強みを持つ。2021年には「ビズリーチ」が主催する「JAPAN HEADHUNTER AWARDS 2021」にて、取締役・奥井氏が、約4,600名のエージェントの中から総合的に最も高い結果を残したキャリアエージェントに贈られる 「ヘッドハンター・オブ・ザ・イヤー(大賞)」を受賞。
▼ASSIGNの特徴
- 単なる求人紹介に留まらない中長期的なキャリア形成のサポート
- コンサル出身者によるリアルな選考対策
- Bizreachにて実績上位3%となる最高ランク認定、「ヘッドハンター・オブ・ザ・イヤー(約4,600名の頂点)」を受賞などの豊富な実績
各コンサルファームが採用を積極化していることもあり、とりあえずコンサルをおすすめするという転職エージェントも少なくない。
そのような中でASSIGNは自らの価値を"キャリア支援"と定義して、 一人一人に向き合った支援で長期的なキャリア形成のサポートに力を入れている。
その結果として、創業4年目ながらBizreachの評価や転職支援数など、数々の実績を積み重ねている。
コンサル業界がここまで多様化する中で、実際に筆者の周囲にも「とりあえず」でコンサルに転職したものの、その後にキャリア迷子になる人も多く、キャリアプランの策定は"絶対に"やるべきことであると言える。コンサル転職を検討している人はまずは無料のキャリア相談を行ってみて頂きたい。