イグニション・ポイントはデロイト出身の創業者が立ち上げたベンチャーコンサルファームで、創業からわずか6年で売り上げを50倍に伸ばすなど非常に勢いのあるファームでもある。
本記事ではそんなイグニション・ポイントの転職大全として、詳細な面接内容から中途採用難易度、志望動機、強み・特徴を徹底的に解説していく。
なお、本記事を作成するにあたっては、実際に現役・元イグニション・ポイント社員複数人にインタビューを行っているためぜひ参考にして頂きたい。
- イグニション・ポイントの中途難易度
- イグニション・ポイントの選考フロー~面接内容
- イグニション・ポイントの強み・特徴
- イグニション・ポイントへの転職を成功させるためにやるべきこと
イグニション・ポイントを含むコンサルへの転職を目指す上では、おすすめのコンサル転職エージェントの記事を参考にして頂きたい。
Contents
イグニション・ポイントとは
イグニション・ポイント株式会社は、コンサルティング事業、イノベーション事業、インベストメント事業の3つの事業を専門とした企業であり、コンサルティング事業では新規事業創出、DX、経営戦略、AI、サプライチェーン等、様々な領域を手掛けている。
設立は2014年6月と大手のコンサルと比べると新しいベンチャーコンサルであるが、現在では東京本社意外に大阪、兵庫、沖縄に事業所を持つだけでなく、イグニション・ポイント フォース株式会社、イグニション・ポイント ベンチャーパートナーズ株式会社、株式会社MIRARGO、株式会社テラアクソンパートナーズの4つのグループ会社を有しており、成長著しい企業である。
会社名 | イグニション・ポイント株式会社 |
英語表記 | IGNITION POINT Inc. |
グループ従業員数 | 374人(2023年7月時点) |
本社所在地(国内) | 東京都渋谷区東 |
イグニション・ポイントの強み・特徴
成長を続けるイグニション・ポイントだが、他のコンサルティングファームと比してどのような強み・特徴をもつのか。
ここでは、現役イグニション・ポイント社員に話を伺い、そこから見えてきたイグニション・ポイントの強み・特徴について解説しよう。
新規事業創出に強み
イグニション・ポイントは、自社でも新規事業を複数創出してきた経験があるため、コンサルタントとしての理論的な知識を提供するだけでなく、実践的な経験・ノウハウもクライアントに提供することができる点が、大きな強みと1つとなっている。
従来のコンサルでは、知識面でクライアントにとって価値ある情報を提供しがちであるが、それだけだとクライアントにしかわからない現場の課題や問題を考慮しきれていない時もある。
しかし、イグニション・ポイントでは、自社の実体験を踏まえた現実的、かつ、実現可能なコンサルサービスを提供できるため、クライアントから好評を得ているようだ。
イグニション・ポイント自体が新規事業を開発してきた経験があり、そこで出てきた課題や乗り越えたノウハウを自社のコンサルサービスとして提供するために、日々、蓄積されています。そうした普段からの蓄えが競合他社との差別化になっているだと思います。
現役イグニション・ポイントA氏
事業間連携によるシナジー
イグニション・ポイントには、コンサルティング事業だけでなく、デジタルプロダクト・サービスや新規事業等を開発するイノベーション事業、スタートアップや事業会社等への投資を実施するインベストメント事業も存在する。
これらの事業部がイグニション・ポイントの成長を支えているが、これら3つの事業部同士が密に連携できることも特徴と言える。
クライアントによっては、3つの事業部を組み合わせ形で、共同で戦略立案から投資・開発までを実施することもあり、まさに伴走型のサービスをクライアントに提供することもあるようだ。
各事業部でビジネスを展開することは、もちろん、事業間連携によって、新規事業等に関するシナジーを創出し、多くのプレイヤーを巻き込み、社会的・経済的なインパクトを発揮できることもイグニション・ポイントならではの強みとなっている。
事業部どうしの連携は密にやっている印象です。他のコンサル企業だと縦割り組織もあるようですが、イグニション・ポイントは全くそんなことはありません。隣の席に他の事業部のチームがいるくらいの感覚なので、専門領域が違うだけで、1つのチームと言えるくらい連携しています。
現役イグニション・ポイントB氏
優秀なコンサルタントが多い
イグニション・ポイントの強みの1つとして、優秀なコンサルタントが多い点がある。
実際に学生時代に起業し、exitを経験した社員もいる等、事業を起こし、運営してきた経験を有するコンサルタントが多いため、クライアントの実態を考慮したコンサルサービスを展開できている。
実業の経験もあるコンサルタントの提言は、説得力が増し、クライアントにとっても有益となっているようである。
私は、他のコンサル企業を経験したことがありますが、イグニション・ポイントは優秀な社員が本当に多いと思います。特にマネージャー以上は全員優秀で盗むべきスキルがたくさんあります。そうした優秀なメンバーによるチームでサービスを展開するので、クライアントからも好評ですね。
現役イグニション・ポイントC氏
イグニション・ポイントの中途選考フロー
イグニション・ポイントの中途選考フローは年度によって異なるが、募集しているポジションがある限り、随時選考が行われている。
基本的には以下のような中途選考フローになる。
- 書類選考
- 一次面接
- 二次面接
- 最終面接
選考開始から内定獲得まで、転職活動は早くても1.5-2ヶ月を要する。
以下ではイグニション・ポイントの選考フローを分解し、それぞれについて詳しく解説していく。
イグニション・ポイントの書類選考・志望動機
イグニション・ポイントへの転職の第一歩は書類選考である。
書類としては、履歴書と職務経歴書が必要となり、日本語か英語の指定は特に無い。
書類選考で特に注意して見られる書類は、履歴書と職務経歴書であり、記述すべきポイントとしては、「なぜ、イグニション・ポイントで働きたいのか」、「イグニション・ポイントで実現したいことは何か」の2点が挙げられる。
例として、実際にイグニション・ポイントへの転職を成功させた2名の方の志望動機をお聞きしたので簡略化したものをご紹介する。
現在は、コンサルティングファームで戦略案件を担当しているが、実業経験が無いのにもかかわらず、事業開発等の提案をすることに違和感を感じている。一方で、イグニション・ポイントでは、自ら事業開発を行っているため、実体験に基づく現実的な提案をすることができると感じている。イグニション・ポイントで働くことができれば、イノベーション事業部の方々等と連携しながら、クライアントにとって”真”の価値を届けたいと考えている。
イグニション・ポイント転職成功者Dさんの志望動機
現職では大手のコンサルティングファームでコンサルタントとして従事している。自社ではワンプール制を取っているため幅広い案件に参画することができるが、一方で、最も興味がある新規事業開発等の戦略案件に携われるチャンスが少ないと感じている。イグニション・ポイントでは注力している領域の1つとして新規事業開発等があるため、イグニション・ポイントで働くことを通じて、事業開発等を中心に仕事をしていきたいと感じている。そして、今後は、事業開発・戦略案件の専門家として、クライアント、および、イグニション・ポイントの成長に貢献したいと感じている。
イグニション・ポイント転職成功者Eさんの志望動機
イグニション・ポイントの中途面接
ここではイグニション・ポイントにおける面接の内容について解説していく。
一次面接
- 面接担当者:マネージャー
- 質問内容:現職での業務内容、志望動機、イグニション・ポイントで実現したいこと
イグニション・ポイントの一次面接では、マネージャーが面接担当者になり、質問内容としては、現職での業務内容、志望動機、イグニション・ポイントで実現したいこと、等の応募書類の深堀り質問がメインになる。
特に、志望動機やイグニション・ポイントで実現したいことを論理的、かつ、情熱的に説明できるかを注視する傾向にあるため、事前の準備を怠らないようにしよう。
質問内容は普通の面接とあまり変わりません。ただし、イグニション・ポイントで働きたいことの熱意がどれくらいあるのか、を志望動機やイグニション・ポイントで実現したいことの説明を通じて確認する面接といった感じです。主体的に仕事に取り組んでいくんだという姿勢を出すことが大事になるかと。
イグニション・ポイント転職成功者Fさん
二次面接
- 面接担当者:シニアマネージャー
- 質問内容:現職での業務内容、志望動機、ケース面接
イグニション・ポイントの二次面接では、シニアマネージャーが面接担当者になり、簡単な現職での業務内容、志望動機等の説明の後、ケース面接に入る。
ケース面接では、コンサルタントに必要な仮説思考、論点思考、プレゼン力等を有しているか、を見られるので、必要にならば、ケース面接の教科書等に目を通しておくことをオススメする。
二次面接はケース面接でほとんど時間を使いますので、ケース面接の対策をしておきましょう。コンサルタント出身者の方々も、可能であれば、念のために予習しておくことをオススメします。落ちてから後悔するのでは遅いので。
イグニション・ポイント転職成功者Gさん
最終面接
- 面接担当者:パートナー
- 質問内容:イグニション・ポイントの強みと弱み、イグニション・ポイントで実現したいこと
イグニション・ポイントの最終面接は、パートナーが面接担当者となる。
質問内容はイグニション・ポイントの強み・弱みと、イグニション・ポイントで実現したいことがメインとなる。
これらの質問を通じて、イグニション・ポイントを客観的に見れているか、そして、強み・弱みを踏まえて、イグニション・ポイントで実現したいことは何か、をストーリーとして語れるかどうかを注視している。
また、最終面接では応募者の人となりも注視しているので、誠実で、はっきりと質問に応えるようにできるようにしておくとアピールになる。
最終面接では、イグニション・ポイントを経営者としての目線で分析できているか、を注視している印象があります。弱みについては、パートナーを目の前にして、言いにくいかと思いますが、しっかりと客観的に分析できていれば、むしろ、好評価をもらえます。
イグニション・ポイント転職成功者Hさん
イグニション・ポイントの転職難易度
ここではイグニション・ポイントへの転職難易度や採用の傾向について解説する。
転職難易度
イグニション・ポイント社員はコンサルタントとしての経験だけでなく、事業開発の経験等も有していることが望ましいとされており、それは中途応募者に対しても求める傾向がある。
そうした高い基準を満たさなければ採用オファーまでたどり着けないため、選考も厳しく見るため、転職難易度は高めと言えるだろう。
優秀な応募者が多くなってきているため、選考における難易度も相対的に高くなってきていると思います。イグニション・ポイントでは優秀な社員が多いだけに、中途入社の人材にもその優秀さを求める傾向にあります。
イグニション・ポイント転職成功者Dさん
コンサル業界は他業界と比較して相対的に転職難易度が高いと言われている。
そんなコンサル業界の中でも他のコンサルティングファームと比較して転職難易度が高いイグニション・ポイントへの転職を目指す上では、コンサル転職に強みを持つ転職エージェントに登録して、専門的な対策支援を行うことをおすすめしたい。
求める人物像・選考基準
転職難易度の高いイグニション・ポイントの内定を獲得する上では、面接の限られた時間の中で、イグニション・ポイントが求める人物像を、自身の経験や人柄と合わせて十分にアピールすることが求められる。
具体的には下記のような経験やスキルセットを保有している人が比較的採用されやすいようだ。
- 論理的思考能力やプレゼン能力を有する人材
- チーム内のメンバー、および、他の事業部のメンバーとも円滑にコミュニケーションできる人材
- エネルギッシュで、ベンチャー志向のある人材
- 事業開発、マーケティング、戦略等の事業経験、もしくは、コンサルタントの経験を有する人材
- 事業開発や英語に関連する資格等を有する人材
イグニション・ポイントへの転職成功者が教えるやるべきこと
ここでは、イグニション・ポイントに転職を成功させた方々に、そのポイントをお聞きしたいので紹介する。
イグニション・ポイントへの転職を成功させるためにやるべきことは大きく3つあげられる。
イグニション・ポイントの分析
転職を成功させるための第一歩として重要になるのが、イグニション・ポイントの分析である。
イグニション・ポイントの特徴や強み、働いている社員の方々のストーリー等を分析することで、「なぜ、イグニション・ポイントで働きたいのか」、「イグニション・ポイントで実現したいことは何か」を整理するための自分なりの根拠を探すことができる。
その根拠無しには面接はおろか、書類選考にも通らない可能性があるので、必ず分析するようにしよう。
イグニション・ポイントのことを調べるのはMUSTです。コンサル業界全体だとたくさんの企業がいますし、ベンチャーコンサルの中でもたくさんの企業がいます。その中で、なぜ、イグニション・ポイントを選んだのか、を自分なりに腑に落ちて説明できるようにするためには、事前の企業分析は欠かせない作業となります。
イグニション・ポイント転職成功者Eさん
他の事業部やグループ会社に関する理解
イグニション・ポイントはコンサルティング事業以外に、イノベーション事業、インベストメント事業があるだけでなく、複数のグループ会社を有している。
そんな中で、コンサルティング事業は、グループ会社を含めたイグニション・ポイント全体において、どのよう役割を果たしているのか、主な業務内容は何か、等を把握しておくことで、面接官へのアピールにつながる。
多くの応募者がコンサルティング事業のことまでしか理解していない中で、イグニション・ポイント全体まで視野を広げて理解できることをアピールできれば、良い評価を受ける確率が高いため、ぜひ、理解しておこう。
イグニション・ポイントはコンサルティング事業だけではないことは、多くの応募者が理解していますが、それぞれ、どういった事業をやっているのか、まで理解している応募者は少ないです。そういった中、イグニション・ポイント全体を理解している応募者がいれば、大きな差別化になりますので、ぜひ、トライしてみてください。
イグニション・ポイント転職成功者Fさん
主体的に行動できることのアピール
イグニション・ポイントはベンチャーコンサルであるため、社員は主体的に行動することが求められる。
デリバリーの中での仕事だけでなく、クライアントへの提案、イグニション・ポイントの社内活動への貢献、他の事業部の社員とのコミュニケーション等、様々な場面において主体的に行動できることをアピールすることで、イグニション・ポイントに相応しい人材であることを面接官に印象付けるようにできれば、選考を突破できる可能性が高まる。
ベンチャー企業なので、主体性は必須な要素となります。指示待ち人間と判断されてしまうと、選考に落ちてしまうので、主体性に動ける人間であることをアピールしまくってください。出し切ったくらいがちょうどいいです。(笑)
イグニション・ポイント転職成功者Gさん
イグニション・ポイントへの転職の魅力
ここでは、イグニション・ポイントの現役社員の声を参考にしながら、イグニション・ポイントに転職する魅力について改めて整理する。
花形案件が多い
イグニション・ポイントでは、新規事業創出、DX、経営戦略、AI、サプライチェーン等、コンサル業界で言う「花形案件」の領域が多いことが転職の魅力の1つと言えるだろう。
実際に戦略を検討したり、マーケティング施策等を検討することは、ポストコンサルのキャリアを歩むにしても、「替えの効く経験」となるため、そういったコンサルタントにとっての人気領域の案件に多く参画できることは魅力的である。
私は新規事業開発や戦略系の案件をずっとやりたくて、イグニション・ポイントに転職しました。すると、案の定、ずっとそういった案件に参画しており、おかげさまで専門家と呼ばれるくらいまでレベルアップできました。これからも、いわゆる、花形案件を歩んでいきたいと思います。(笑)
イグニション・ポイント転職成功者Hさん
評価制度が公平
イグニション・ポイントは、職位ごとに求められる期待値・役割を満たしているかを評価する「ロール&レスポンシビリティ評価」と、会社のバリューを元を行動指針を項目に分けて定義し、それらの項目に対して360度の多面評価で評価を行う「バリュー評価」の2つの項目によって、公平性、かつ、透明性を持って評価されることが特徴である。
そのような公平性、透明性を担保した評価制度により、社員は納得感のある評価を受け取ることができるため、自分自身の現時点のレベルや実施すべき取り組み等を把握できるため、着実に自分が納得するようなキャリアパスを歩みたい人にとっては、絶好の職場環境と言えるだろう。
前職と比べて、評価制度が徹底しているので、評価結果に関する不満は一切ないですね。むしろ、「こんなに詳細にフィードバックくれるですか?」と思うくらい、徹底していますので、恥ずかしいくらいです。(笑)
イグニション・ポイント転職成功者Dさん
社員への投資がすごい
イグニション・ポイントは、書籍購入費用として月3,000円程度を補助する書籍購入制度、スキルアップ等に寄与できる資格の取得にかかわる費用を全額補助する資格取得補助制度、国内外での大学でのMBA/MOTプログラムを受講する際に発生する費用を補助する制度等、を導入しており、社員への投資を惜しまないことも転職を検討する上での魅力の1つと言える。
最終的には会社の業績が上がることをゴールとしている制度ではあるが、一方で、社員一人一人が良いキャリアを歩めるように考慮している制度でもあるため、転職した際にはぜひ、有効活用したい仕組みである。
イグニション・ポイントは利益を得てもほとんどを社員への投資として還元している印象です。昇給・昇格もそうですし、資格補助制度も全て、社員への投資ですね。ほとんどの社員が有効活用していますよ。
イグニション・ポイント転職成功者Eさん