SAPコンサルとは?企業一覧、ランキング、つまらないと言われる理由から将来性まで徹底解説

ヨーロッパ最大級のソフトウェア開発会社であるSAP社が製造・販売するERP製品の導入や運用を支援するのがSAPコンサルである。

本記事ではそんなSAPコンサルの仕事内容やつまらないと言われる理由、将来性、主要企業一覧、各種ランキングまで徹底的に解説していく。

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横山 諒平
監修者

Flow Group代表取締役/コンサルタント

株式会社Flow Group代表取締役。慶應義塾大学経済学部卒業。
大学卒業後はデロイト トーマツ コンサルティング合同会社に入社し、製造業のクライアントを中心に中期経営戦略の策定やM&A実行支援、新規事業立案・立ち上げ支援に従事。
その後、株式会社リクルートライフスタイル(現株式会社リクルート)における事業戦略・予算策定、事業開発に従事。フリーコンサルとして独立後、2019年8月株式会社Flow Groupを創業。

コンサルマン
執筆者

コンサルマン

コンサルキャリア編集部。コンサルキャリアおよびコンサルマンは株式会社Flow Groupが運営しています。Twitterフォロワー1.9万人

本記事でわかること
  • SAPコンサルの仕事内容
  • SAPコンサルがつまらないと言われる理由や魅力、将来性
  • SAPコンサルの主要企業一覧
  • SAPコンサルの各種ランキング

コンサルへの転職を目指す上では、おすすめのコンサル転職エージェントの記事を参考にして頂きたい。

SAPコンサルとは

SAPコンサルタントとは、ドイツに本社を置くヨーロッパ最大級のソフトウェア開発会社であるSAP社が製造・販売するERP製品の導入や運用に関するコンサルタントのことである。

主な仕事としては、クライアントの経営改善のため、クライアントの業務内容やニーズのヒアリング、要件定義、SAPシステムの導入の企画立案、プロジェクトの進捗管理などの導入支援、導入後の運用、アフターフォロー等を手掛ける。

また、SAPコンサルタントには、主に総合系ファームの中の1つのサービスラインとして属している場合もあれば、SAPに特化したコンサルティングファームとしてサービスを展開している場合もある。

現在、主に利用されているSAPのERP製品は、2027年にサポートが終了するため、多くの企業がSAPコンサルタントに相談しながら、次世代製品への乗り換えを検討している状況にあり、引き合いが強い業種の1つとなっている。

SAPコンサルがつまらないと言われる理由

多くの企業から求められているSAPコンサルタントであるが、一方で「つまらない」という噂も出ているようだ。

ここではどのような点がつまらないのか、そして実態はどうなのかを現役SAPコンサルタントに聞いてみた。

仕事の内容がイメージしやすい

SAPコンサルがつまらないと言われる1つ目の理由は、他のコンサルタントの仕事に比べて仕事の内容がイメージしやすいという点が挙げられる。

取り扱う製品がSAPのERPであり、業務内容も導入・運用支援等、経験を積めば、ある程度「先が見えている」ことが多く、目新しいことが少ないようだ。

日進月歩で進むビジネスの中で、SAPコンサルタントの仕事は単調に思えてしまう社員もいるようだが、現役SAPコンサルタントはどのように思っているのだろうか。

単調な仕事かそうでないか、は捉え方次第だと思います。SAPと言ってもクライアントそれぞれで抱える事情や課題は異なりますし、仕事の進め方やクライアントのコミュニケーションの仕方等は、全然違います。今まで多くのSAPコンサルの仕事をしてきましたが、1つも同じような業務は無かったですね。少なくとも私は楽しく仕事をしていますよ。

現役SAPコンサルタントAさん

差別化が難しい

SAPコンサルがつまらないと言われる2つ目の理由は、他のSAPコンサルタントと差別化をつけにくく、自分らしく仕事ができないため、つまらないと感じる社員がいるようだ。

求められる知識・経験が似たもの同士になるのではないかと感じるため、「労働人材として他人と差別化できない」というつまらなさがあるようだが、実態はどうなっているのだろうか。

SAPコンサルタント間での差別化は可能です。知識等は同じようになってくるかもしれませんが、プロジェクトの経験値等は大きな差別化要因にもなりますから。同じ知識量でも、プロジェクトが初めてのコンサルタントと、100回を超えるプロジェクトの経験を持つコンサルタントでは雲泥の差ですよね。車のドライバーみたいなもので、ペーパードライバーもいれば、F1選手もいるように、SAPコンサルタントの中でも実力は全然違います。

現役SAPコンサルタントBさん

資格勉強がつまらない

SAPコンサルタントは、SAP社が認定している資格を取ることで年収が上がったり、仕事が増えることがあるが、その資格勉強がつまらないとの声がある。

そもそも、資格勉強というのは、日々の積み重ねであり、捉え方次第では、地味な作業とみなしてしまうコンサルタントも一定数いるようだが、資格勉強を乗り越えてきた現役SAPコンサルタントはどのように考えているのだろうか。

資格勉強は「受け身な勉強」と捉えるか、「自主的な勉強」と捉えるか、で面白いかどうかが決まると思います。私は、後者であったので、比較的、面白く勉強することができました。新しい知識を得ることに喜びを感じることができる人であれば、資格勉強も楽しくなりますよ。

現役SAPコンサルタントCさん

SAPコンサルの魅力

つまらないとの噂されるSAPコンサルであるが、一方で、SAPコンサルならではの魅力もあるようだ。

ここでは、SAPコンサルの魅力について紹介したい。

需要が高い

魅力の1つ目は、何と言っても「需要の高さ」である。

現在、主に利用されているSAPのERP製品は、2027年にサポートが終了するため、多くの企業が次世代製品に関する検討・支援をSAPコンサルタントに依頼している。

人手不足と言われるほど、企業側のSAPコンサルタントの需要は高く、少なくとも2027年までには、「SAPコンサルは食う飯に困らないだろう」と言われているほどである。

需要の高さは、つまるところ、労働価値の高さを表しているため、SAPコンサルタントは労働市場の中では大変魅力的な仕事と言える。

ありがたいことに、引き合いは強いですね。少し休みたいくらい仕事がたくさんあります。それほど、需要が高い仕事であるということですので、労働従事者としては嬉しい悲鳴ですね。

現役SAPコンサルタントDさん

年収が高い

需要の高さからなのか、SAPコンサルタントは労働市場の中では、比較的、年収水準が高いことも魅力の1つである。

もちろん、経験にもよるが、豊富な経験を有するSAPコンサルタントは、他の大手のコンサルティングファームのマネージャーレベルと同水準、もしくは、それ以上の年収を受け取っている社員もいるようであり、年収面においても、魅力的な仕事と言えるだろう。

年収は良い方だと思います。今後、2027年に向けて需要が更に高くなっていけば、もっと良くなるかもしれません。まさに、年収は需要と供給で決まるんだなと感じますね。

現役SAPコンサルタントEさん

企業の経営知識を身に付けることができる

SAPコンサルタントと言うと、IT関連の知識は豊富に身に付きそうだが、加えて、企業の経営に関する知識を身に付けることもできるようだ。

理由としては、SAP製品の導入を企画するためには、クライアント企業の経営状態、目指す方向性、現場の現状、業務、課題等を深く把握する必要があり、この経験によって、企業経営の知識を身に付けることができるのだ。

IT関連だけでなく、普遍的な企業経営の知識も身に付けることができる点は、今後のキャリアを考えても、「持っておいて損はしない知識」になるはずだ。

SAPコンサルタントと言うとITの専門家と思われがちですが、決してそれだけではありません。経営の専門家と言われても良いくらい、経営の知識・ノウハウを学ぶことができます。SAPのERP製品はあくまで経営を良くするための方法であって、経営時代をどの方向に導くか、の方が重要なので。経営に関する課題もクライアントと一緒に考える方が、よっぽど良い経験になっていますね。

現役SAPコンサルタントFさん

SAPコンサルに求められる資格

SAPコンサルタントに求めれらる資格の1つに「SAP認定コンサルタント」がある。

これは、SAP社が認定しているITエンジニアやITコンサルタント向けの資格であり、資格保有者は、SAP製品の導入・開発・保守・運用等に携わるうえで必要な知見やノウハウを有しているとみなされる。

SAP認定コンサルタント資格は専門性が高く、また、SAP社特有の技術に関する高度な知識が求められるため、合格の難易度は非常に高いが、一方で、合格できれば、労働市場の価値が一気に上がるため、資格取得を検討している方は、ぜひ、チャレンジすることをオススメする。

具体的には、主に次の3つ資格に分けられる。

アプリケーションコンサルタント

主に業務系システムに関する知識を証明するための資格である。

合格することで、企業の会計、サプライチェーン、人事領域における業務プロセスの知識、および、最適化を実現するためのスキルを有していることを証明できる。

デベロップメントコンサルタント

SAP製品の設計、実装(プログラミング)に関する知識を証明するための資格である。

合格することで、様々なシステムや開発手法を用いて、クライアントの課題やニーズに応じたSAPアプリケーションを開発・実装できるスキルを有していることを証明できる。

テクノロジーコンサルタント

主にインフラシステムの保守・運用に関する知識を証明するための資格である。

合格することで、SAPシステムで生じる問題点に対する技術的なアドバイス、運用面でのノウハウをクライアントに提供できるスキルを有していることを証明できる。

SAPコンサルの将来性

「SAPしか扱えないコンサルタント」、「2027年が終われば、需要も減るのではないか」というネガティブな意見が聞こえてきそうなSAPコンサルタントであるが、その将来性はどうなのだろうか。

結論としては、今後も価値ある仕事になり将来性は明るいと考えられる。

上記でも述べたように、SAPコンサルタントはIT関連の知識だけでなく、経営課題の知識・ノウハウも学ぶことができ、それらの経験は、これからの社会の中でも必要とされるスキルとなるからである。

また、2027年以降もSAP社は新しい製品を開発・販売し続けるわけであり、SAPコンサルタント自体の需要が無くなるわけではない。

むしろ企業のDXが叫ばれる中、今後は、更にSAP製品等の需要は高まる可能性があり、SAPコンサルタントの需要に関しても2027年以降も多いであろう。

IT、経営関連の知識・ノウハウを有していること、SAP製品は2027年以降も求められることを踏まえると、SAPコンサルタントの将来性は明るいと考えられる。

SAPコンサル主要企業一覧

ここではSAPコンサルの主要企業一覧をご紹介する。

以下では各社のSAPコンサルサービスの取り組みについて、簡単にご紹介する。

アクセンチュア

アクセンチュアは、約40年にわたるSAPの導入経験を持ち、現在も年に1,500件を超えるSAP導入プロジェクトの実績を積み重ねている。

SAPコンサルタントの数はグローバルで7.5万人以上、日本国内でも有数の認定資格者数を誇る豊富な経験とリソースが強み。

また、SAPのグローバルアワード「SAP Pinnacle Awards」では40以上の受賞歴があり、国内ではナンバーワンのSAP導入企業に掲げられる「ザ・ベスト・サービス・パートナー・アワード」を7年連続で受賞、ガートナー社の評価においても、「S/4HANA導入サービスのリーダー企業」と位置づけられている等、SAPコンサルタントのトップランナーの1社である。

会社名 アクセンチュア株式会社
本社所在地 東京都港区赤坂1-8-1 赤坂インターシティAIR
会社HP https://www.accenture.com/jp-ja

デロイトトーマツコンサルティング

デロイトトーマツコンサルティングは、SAPのグローバルパートナーとして30年間にわたりSAPコンサルティングを提供している。

具体的には、20ヵ国で170件以上の旧SAP ERP、SAP S/4HANA、SAP SuccessFactors等の導入実績をもとに、クライアントのデジタル変革の推進を、戦略策定から導入・保守・運用までEnd-to-Endで支援。

基幹系の業務全般、および基幹業務を支えるデジタルコアであるSAP S/4HANAを主軸としているが、グローバルでの組織再編や業務・システムの標準化による効率化、オンプレミスからクラウドへの転換戦略等、基幹系を軸として幅広いSAP案件を支援。

会社名 デロイト トーマツ コンサルティング合同会社
本社所在地 東京都千代田区丸の内3-2-3 丸の内二重橋ビルディング
会社HP https://www2.deloitte.com/jp/ja.html

EYストラテジー・アンド・コンサルティング

EYストラテジー・アンド・コンサルティングでは、SAP導入における戦略策定から定着化までの幅広い範囲で各種の支援を提供。

具体的には、EYストラテジー・アンド・コンサルティングの独自のSAP S/4HANAへの移行診断およびプログラム修正ツールである「ReSQ」を使用したSAP S/4HANA®の移行支援、SAP S/4HANA クイックアセスメント、SAP導入方法論の検討等、を支援。

会社名 EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社
本社所在地 東京都千代田区有楽町一丁目1番2号 東京ミッドタウン日比谷 日比谷三井タワー
会社HP https://www.ey.com/ja_jp

PwCコンサルティング

PwCコンサルティング

PwCコンサルティングは、2019年に「SAP Pinnacle Award 2019」を受賞する等、長年にわたるSAPソリューションの導入経験を活かして、クライアント企業のSAP導入支援、運用だけでなく、SAPのテクノロジーを活用した共同開発等を提供。

2022年11月には、SAPジャパン株式会社と顧客データソリューション分野で協業を開始し、両社の強みを掛け合わせ、自治体や企業などに対し、顧客データソリューションに関するコンサルティングから構築・運用までを一貫して支援している。

会社名 PwCコンサルティング合同会社
本社所在地 東京都千代田区大手町1-2-1 Otemachi One タワー
会社HP https://www.pwc.com/jp/ja.html

KPMGコンサルティング

KPMGコンサルティングは、2001年からSAPジャパンの日本における展開にあたり、今後両社の関係をさらに強化していく方針で合意する等、長年にわたり、SAP製品の導入・普及を支援している。

2019年には、SAP社がERP製品の標準サポートを終了することにともない対応が求められる企業への支援を目的に、「SAP ERP 2025年対応支援室」を発足し、業務を開始する等、サポート終了への対応に注力している。

会社名 KPMGコンサルティング株式会社
本社所在地 東京都千代田区大手町1丁目9番7号 大手町フィナンシャルシティ サウスタワー
会社HP https://kpmg.com/jp/ja/home.html

SAPコンサルランキング

ここではSAPコンサルに強みを持つ企業について、各種ランキングをご紹介する。

総合満足度ランキング

下記はSAPコンサルファームについて、openworkにおける総合満足度をランキングにして比較したものである。

総合満足度には、「待遇」「社員の士気」「風通しの良さ」「社員の相互尊重」「20代の成長環境」「人材の長期育成」「法令順守の姿勢」「人事評価の適正感」が含まれている。

# コンサルファーム名 満足度
1 アクセンチュア 4.33
2 デロイト・トーマツ・コンサルティング 4.29
3 PwCコンサルティング 4.23
4 EYストラテジー・アンド・コンサルティング 3.79
5 KPMGコンサルティング 3.71

年収ランキング

ここではSAPコンサルファーム別の平均年収ランキングをご紹介する。(出所:Open Work

ここでご紹介する平均年収はあくまでOpen Workにおける回答者平均である点はご留意いただきたい。

なお、各社とも対象職種を「コンサルタント」に絞った平均年収を記載している。

# コンサルファーム名 平均年収
1 PwCコンサルティング 955万円
2 アクセンチュア 934万円
3 デロイト・トーマツ・コンサルティング 934万円
4 EYストラテジー・アンド・コンサルティング 875万円
5 KPMGコンサルティング 860万円

激務度ランキング

ここではSAPコンサルファーム別の平均残業時間ランキング(=激務度ランキング)をご紹介する。(出所:Open Work

ここでご紹介する残業時間はあくまでOpen Workにおける回答者平均である点はご留意いただきたい。

# コンサルファーム名 平均残業時間(h)
1 デロイト・トーマツ・コンサルティング 63.1
2 PwCコンサルティング 62.4
3 EYストラテジー・アンド・コンサルティング 53.1
4 アクセンチュア 52.1
5 KPMGコンサルティング 43.4

コンサルへの転職を成功させるためには

コンサルファームではケース面接を始めとする特殊な選考が行われ、非常に難易度が高いと言われている。

また、コンサル業界自体が外から見えづらい業界であるため、転職前にリアルな実態を把握することも難しい。

そのため、「コンサル転職の成功率を上げる」「コンサル転職を通じて理想のキャリアを実現する」上では、コンサル業界への知見や対策ノウハウを持つエージェントを選ぶことをおすすめしたい。

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会社名 株式会社Flow Group
会社HP https://consul-career.com/corp/
所在地 東京都新宿区市谷田町3丁目8 市ヶ谷科学技術イノベーションセンタービル 2F 
法人番号 5011001129632
厚生労働省 有料職業紹介事業認可番号 13ーユー315272
適格請求書事業者登録番号 T5011001129632

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