コンサル転職を迷われている方や、現在コンサルタントとして活躍されている方から、コンサルの次のキャリア『ポストコンサルキャリア』についてご質問いただくことがあります。
コンサル人材の市場価値は非常に高く、ファームで経験を積んでいけば転職市場において引く手数多という状態になります。
そのため選択肢も多い分、あまり明確にどのような選択肢があるかという情報が世の中的に出回りにくいという側面があります。
本記事では、ポストコンサルキャリアの代表的な選択肢と、直近トレンドを踏まえた特徴的な事例についてご紹介したいと思います。
Contents
ポストコンサルの代表的な選択肢
もちろん出身ファームや在籍期間、経験プロジェクトなどによって変わってくる部分ではありますが、代表的なポストコンサルの選択肢としては以下の6つがあげられます。
- 大手事業会社(日系/外資系)
- スタートアップ
- PEファンド/VC
- フリーコンサル
- 起業
- コンサルtoコンサル
これまで「①大手事業会社(日系/外資系)」や「②スタートアップ」、「⑤起業」を選択される方が多かった印象です。
その中で「③PEファンド/VC」のファンドサイズの拡大や、「④フリーコンサル」市場の拡大、「⑥コンサルtoコンサル」の選択肢の増加を受けて、選択肢が広がってきている状況です。
上記の多くは既にご存知の方も多いかと思いますので、以下では最近のトレンドなど交えながら特徴的な事例をピックアップしてご紹介します。
直近増えている特徴的な選択肢例
ここでは、前段でご紹介した6つの選択肢のうち、特徴的な事例をピックアップしてご紹介したいと思います。
「①大手事業会社」におけるコンサル部門
ここ数年で急増しているのが、大手事業会社におけるコンサル部門の立ち上げです。
例えば、大手日系企業では以下のようなニュースが公開されて話題を集めました。
富士通の時田隆仁社長は24日、デジタル技術を活用して解決策を提案するコンサルティング事業の強化に向け、コンサル人材を現状の2000人から2025年度に1万人拡充する方針を明らかにした。同日発表した23年度から3年間の新中期経営計画に盛り込んだ。
NECは30日、デジタルトランスフォーメーション(DX)のコンサルタント人材を2025年度に1000人に増やす方針を明らかにした。23年度の2倍にする。顧客の経営課題を把握し解決策を提案できるようにする。
国内外の大手コンサルティングファームが群雄割拠するDX分野で、電通デジタルが競争力強化に本腰を入れている。社員数は当初の約700人から2500人に拡大。2030年までに5000人に倍増し、得意のクリエイティビティを生かしてさらなる事業拡大を目指す。
ベネッセグループは、全社でDXを推進し、複数の事業領域で着実に成果を上げている。その背景には、各事業部門の経営戦略に“入っていく”社内コンサルティング組織「DXコンサルティング部」の存在がある。
しかし、事業会社の社員がいきなりコンサルティング業を始めるのは難しい。そこでコンサルティング企業出身の人材を積極的に採用し、DXコンサルティング部では現在約40人のメンバーのうち約8割が中途社員で、その多くがコンサルティング企業から来ているという。
その他にも総合商社である丸紅がDXコンサルティングを行う「ドルビックスコンサルティング」を設立したり、その他の総合商社がコンサルティング事業部を立ち上げたりと、コンサル機能の強化に力を入れています。
こうした大手事業会社におけるコンサル部門(コンサル子会社含む)は積極的にコンサルファーム出身者を採用しており、直近で人気が拡大しているポストコンサルキャリアでもあります。
「②スタートアップ」におけるCS職
数年前から資金調達環境の影響もあり、コンサル出身者を採用するスタートアップも増えていきていました。
一方でポジションとしては、経営企画やBizDevといったものが多かった印象です。
しかし、直近ではそれ以外のポジションでの転職も出てきており、その一例としてCS(カスタマーサクセス)があげられます。
CSは比較的新しい職種ですが、今後もこうした新しい職種が生まれてポストコンサルの選択肢が増えるということも起きていくことも期待できます。
下記の参考記事では、以下3名が取り上げられています。
- アビームコンサルティングからSansanのCS職
- PwCコンサルティングからモノグサのCS職
- 日本IBMからモノグサのCS職
参考:コンサルの転職先で注目の職種「カスタマーサクセス」とは?年収減でも転職する理由
「④フリーコンサル」×「⑤起業」
フリーコンサル市場の拡大もあり、近年では「フリーコンサルでキャッシュを作りながら起業する」「50%フリーコンサル、50%事業立ち上げ」というスタイルが増えてきました。
一昔前までは起業と言えば、リスクを取りギリギリの生活をしながら挑戦するというイメージが強かったです。
ですが、コンサル出身者であればフリーコンサルという選択肢があるので、フリーコンサルとして稼働しながら生活資金や事業への投資資金を稼ぐということが難しくなくなりました。
もちろんフリーコンサルと起業の双方が"片手間"になってしまう分、難易度が高い選択肢ではありますが、直近で急激に人気があがっている選択肢です。
少しでもフリーコンサルという選択肢に興味がある方は、弊社のフリーコンサル向け案件紹介サービス『コンサルキャリアナビ』にご登録頂けますと幸いです。(独立するか迷っていると言ったご相談も可能です)
※弊社Flow Groupもフリーコンサルを行いながら事業立ち上げを行いました
「⑥コンサルtoコンサル」の中のブティックファーム
ポストコンサルキャリアとして位置づけるかは少し悩ましい選択肢ではありますが、コンサルtoコンサルの中でも新興系や専門領域に特化したブティックファームへの転職も直近で非常に盛り上がっています。
一昔前までは、大手ファームからブティックファームへの転職は「年収を下げる」「さらにハードワークになる」「仕事の規模が小さくなる」という選択肢と考えられてきました。
しかし、直近では働き方が大きく改善されながらむしろ年収が上がる事例が増えています。
本ケースでは、ホワイトな働き方や高年収、あるいは企業として成長局面に立ち会えることに魅力を感じて転職をする方が多いです。
また専門領域特化のブティックファームであれば、さらに専門性を磨いていきたいという方も多い印象です。
少しでも興味がある方は以下の参考記事を御覧ください。
意外と多い元上司・同僚からの誘い
ポストコンサルキャリアを考える上で見逃せないのが、元上司・同僚とのネットワークになります。
これはコンサルに入る大きなメリットでもありますが、その後様々なフィールドで活躍していく優秀な方々とネットワークを築けるというのは、ビジネスパーソンとして大きな財産になります。(そしてその効果は年齢を重ねれば重ねるほど実感することになります)
正社員採用は、企業としても非常に大きな決断になります。選考という限られた時間で、完璧に候補者の方を見定めることは難しく、期待していたロールを担ってもらえるか、カルチャーフィットするかなど、実際に入社してもらってギャップが発生してしまうこともあります。
そうした中で、実際に過去に一緒に働いていた人からの紹介経由というのは、企業・候補者の双方にとってリスクが少なく、安心して迎え入れることができます。
コンサルの場合は、プロジェクトベースで様々な人と働くこと、また転職が当たり前で様々な企業・業界に移っていく人が多いことから、副次的にこうした他社へ転職できるネットワークが構築できるというメリットがあります。
実際、筆者の周囲にもファーム時代の元上司や同僚の誘いから転職した人も多いですし、中には求人がオープンになっていないポジションに転職された方もいらっしゃいます。
さいごに
本記事では、ポストコンサルキャリアの代表的な選択肢と、直近トレンドを踏まえた特徴的な事例についてご紹介しました。
ポストコンサルキャリアは選択肢が多い分、キャリアの方向性を悩む方も多いのが実情です。
弊社Flow Groupには実際にポストコンサル転職を経験したエージェントが、実体験も踏まえながらご支援することが可能です。
また、コンサルへの転職を検討される方にとっても、その後のキャリアを見据えながら転職活動を行うことは非常に重要なので、弊社ではその観点からもご支援することができます。
ポストコンサル転職を検討されている方やコンサル転職を検討されている方は、ぜひ一度ご相談ください。