本シリーズはコンサル転職に際して出題される「ケース面接」の例題及び解答集である。
実際にケース面接を突破したことのある現役コンサルタントがケース問題を解き、回答や考え方をお見せする。
本記事では、「回答そのもの」に加え、その回答を導く為の「考え方」にも比重をおいて解説する。
Contents
問題
お題:コーヒーチェーンにおける飲み放題導入の可否を考えよ
想定の考える時間:10分
難易度:★★★★★
種類タグ:ビジネス系、施策判断
回答
(i)前提確認
今回前提は比較的わかりやすいが、面接の中では、"前提確認自体"が評価にもつながる為、怠らないことをおすすめしたい。
今回は以下の前提で進めていく。
- 10店舗ほどのコーヒー店を運営する地元密着型のコーヒーチェーンを想定
(ⅱ)メリット・デメリット整理
今回のような「施策の導入可否系」のケースは、「施策のメリット・デメリット」を整理することが重要となる為、実際に問題を解く前に、メリット・デメリットを言語化する。
「コーヒー飲み放題をお店に導入したら、どんなメリット・デメリットがありそうか?」を考えると、以下のような点があがった。
(デメリット)
・回転率が下がり、新規客が減る
・原価コストが上がる
(メリット)
・単価があがる
整理をすると以下の通り↓
(iii)売上分解
次に、売上を分解し、それぞれの要素に対してそれぞれのメリット・デメリットがどのように関連しているのかを整理する。
これは実際に仮定を置いて計算してしまうのが早い。
今回は、いくつか前提を設定し、「通常(飲み放題)」vs「飲み放題」のある店舗での1日の売上を計算した。
以下、前提↓
・席は10席、営業時間は8時間
・通常店の顧客単価は500円、飲み放題は2000円
・通常店は滞在時間は平均1時間=1時間で1回転、飲み放題店では滞在平均時間4時間=0.25回転
計算結果は以下の通り↓
上記の前提で、それぞれの1日当たり売上を計算すると、それぞれの店舗が1日当たり4万円の売上となった(まさかの一致。笑)
(ⅳ)結論
以上のようにフレームにて、関連性を落とし込んだら、次は文章で今回の結果を言語化しつつ、結論となる方針を整理する。
- 上記の整理の通り、飲み放題導入に際しては、「客単価」「回転率」を鑑みた判断が必要
- 客単価が2000円以上取れうる場合や4時間未満の滞在率を実現できる場合は、飲み放題を導入したほうが期待売上は高い
- なお、そもそも席数が多く広い店舗については、回転率ではなく、集客可能人数で試算を行うことが望ましい
- 前提として、コーヒーの原価は非常に安いと推察できる為、コストについては判断軸にいれていない
参考動画
ケース回答中の手元動画
ケース解答動画
ケース面接での想定質問・ディスカッション
実際の面接で聞かれそうな質問を以下に整理しておきます。ご自身の面接・ケース対策にご活用ください。
- そもそもの集客人数についてはどのような影響が考えられるか?
- 売上以外に考えるべき視点はどのような視点か?
- なぜ多くのカフェが飲み放題を導入していないと考えられるか?
あとがき
飲み放題の導入可否に関するケースは、「施策判断系」のお題では比較的メジャーな問題になるかと思います。
今回はあえて、数字に落とし込むアプローチをとりましたが、時間が足りない場合は、より定量的なアプローチでも良いかもしれません。
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