
働き方改革が叫ばれる中、激務の象徴ともされてきたコンサルティングファームではどのような変化があるのだろうか。
コンサルティングファームでの働き方や、働き方の変化について、現役コンサルの方々にお聞きした。
コンサルは本当に激務なのか
コンサル業界に興味を持つ方の中には、その激務っぷりを聞いて諦めてしまうという方が一定数存在する。
働き方改革が叫ばれ、変化の波が押し寄せる中、その実態について解き明かしていきたい。
コンサルへの転職を検討している人は、コンサル/ポストコンサル転職に特化したエージェントであるアクシスコンサルティングに登録すべきである。
詳細については以下の記事をご覧いただきたい。
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主要コンサルファームの月間残業時間
上記が主要コンサルファームの月間残業時間となっている。(出典:openwork)
各ファーム略称
RB:ローランド・ベルガー、ADL:アーサー・D・リトル、Mck:マッキンゼー、DI:ドリームインキュベータ、CDI:コーポレイトディレクション、BCG:ボストンコンサルティング、ATK:A.T. カーニー、DTC:デロイト、Bain:ベイン、AC:アクセンチュア、AB:アビーム
残業時間が100時間と最も多いファームがローランド・ベルガー、42時間と最も少ないファームがKMPG、アビームとなっている。
また、戦略ファームと総合ファームで見ると、戦略ファームの方が残業時間が多い傾向がある。
激務かどうかは「テーマ」「チーム」次第
但し、ミクロで見ると激務かどうかというのは、「テーマ」や「チーム」次第と言っても過言ではない。
なぜ「テーマ」や「チーム」次第で激務になるかという点について以下にて詳述する。
なぜ「テーマ」次第で激務になるのか?
近年はコンサルニーズの多様化が進んでおり、戦略ファームでさえも、PMOや業務改善、クライアントの指示通りの資料作成するなどの高級文房具的なプロジェクトも走っている。
所謂戦略案件と呼ばれるものは、どうしても激務にならざるを得ない。
もちろん時間が全てではないが、業界経験が豊富なクライアントが解ききれない課題に挑むにあたり、仮説→検証というサイクルを何回も、何十回も回す必要があるのだから、仕事量が膨大になるのは必然である。
一方、非戦略案件と呼ばれるPMOや業務改善、高級文房具的なプロジェクトなどは、仮説→検証というサイクルが相対的に少ない。
そのため、比較的ホワイトな働き方ができる傾向があるが、これは働き方改革が叫ばれる前からのことであり大きな変化は見られていない。
なぜ「チーム」次第で激務になるのか?
チームメンバー、特にチームをリードする立場の人間の志向性と、チームメンバーの力量によって激務かどうかが大きく変わってくる。
コンサルタントの業務はやろうと思えばどこまででもできてしまうため、自分たちで終点を決めて進めていくことになる。
その中で、仮にチームをリードする立場の人間が、とにかく時間が許す限りやり切りたいという志向性だった場合、どうしても激務になってしまう。
業界として働き方改革が叫ばれる中、徐々にこうした志向は抑えられつつあるが、それでもまだ存在している状況である。
また、チームメンバーの中で、求めれている役割に対して力量が足りていない人がいれば、当然他のメンバーでカバーする必要がでてくるため、激務の可能性が高まってしまう。
特に、中途入社間もない人が上位メンバーとしてアサインされた場合は激務になる可能性が高い。
朝が遅いコンサル業界
これは意外と知られていないことであるが、コンサル業界の朝は遅い。
もちろん人に寄るところも大きいが、7-8時の出社が当たり前である金融機関やメーカーなどとは対照的に、コンサル業界は9-10時出社の人が多い。
オフィスの近くに住むことを前提に考えると、仮に深夜2時まで仕事をしても、深夜3時に寝て、9時に起きれば6時間は睡眠時間を確保することができる。
退社時間だけを切り取ればたしかに激務だが、出社時間を踏まえると「退社時間が遅い」と声高に叫ぶ人全員が激務とは言えなさそうである。
深夜0時まで働いていると大きい声で激務を主張するジュニアで、出社が11時頃という人も少なくない。
海外とのテレカンでやむを得ない日もあるが、そうでないなら(勤務時間/仕事量を一定とすれば)8時出社すれば21時には帰宅できる。某外資系戦略ファームのマネージャー
コンサル業界でも進む働き方改革
今回のインタビューを通して、具体的に働き方改革が確認できたのは数社ではあったが、確実に働き方改革の波が押し寄せているとのことであった。
ここ数年で「入社1-2年目の若手は22時までに帰らせる」というルールができた。
遅くまで働けばいいというわけではないが、その分任せられる範囲/仕事量が少なくなるので、成長が遅くなっている。某外資系総合ファームのマネージャー
20時までに帰宅できるようなプロジェクト設計が求められ、メンバーが遅くまで残っているとマネージャーにマイナス評価が与えらえる。
某外資系総合ファームのマネージャー
また某社では、20時ごろになるとオフィスに人がほとんどいなくなるという話も聞こえてくる。
働き方改革のシワ寄せはシニアメンバーへ
いくら働き方改革を進めようとしても、それは社内の事情であって、クライアントの経営課題とは全く別の次元の話である。
前述の通り、戦略案件などになるとどうしても激務と言われるような仕事量にならざるを得ない。
その仕事量を捌けようがそうでなかろうが、ジュニアメンバーが必ず20時や22時に退社するということは、その分シニアメンバーがカバーする必要が出てくる。
更に某外資系総合ファームのマネージャーのコメントにもあったように、働き方改革によりジュニアメンバーの成長スピードが鈍化しており、時間当たりの生産性もなかなか上がらないという問題にも直面しているようだ。
働き方改革が叫ばれて、日に日に自分の仕事量自体が増えている。
今は気軽に提案書のドラフト作成をジュニアメンバーに依頼することもできない。某外資系戦略ファームのマネージャー
激務でもコンサルをやりたいか
働き方改革が叫ばれる中、コンサルは激務なのかという点について、数人の方にインタビューさせて頂きながら見てきたが、提供サービスを踏まえると、プロジェクトのテーマにも寄るが激務にならざるを得ないというのが実態のようだ。
一部ジュニアメンバーに対しては、付け焼き刃の働き方改革を推し進めようとしているものの、ジュニアメンバーの成長鈍化や、シニアメンバーへのシワ寄せなど、健全ではない状態を作り出してしまっている。
今の状態がこのまま突き進むはずもなく、激務という働き方を受け入れるのか、或いはコンサルティングという業態を転換していくのかといった何等かの方向性が求められる。
いずれにせよ、激務でもコンサルという仕事をしたいと思えることが重要で、そうした想いを持った人がコンサル業界に増えることを筆者としても願っている。
一方で働き方というのはファームやチームによって大きく異なる。
特に近年は急速に働き方改革を進めているファームとそうでないファームの差が開いている印象が強い。
そのため、コンサル転職を行う上では、コンサル業界に精通し、実態を正確に把握したエージェントから情報を仕入れる必要がある。
嘘のような話だが、コンサル業界について表面的な情報しか持っていないエージェントも実際に存在する。
具体的には、コンサル/ポストコンサル転職に特化したアクシスコンサルティングには絶対に登録すべきである。
こうしたエージェントの厳選というのは、やれば"なお良し"ではなく"絶対に"やるべきことである。
コンサル転職に本気であれば間違いなく上記の記事が役に立つと確信している。
様々なエージェント紹介記事があるが、明らかにおすすめできない大手エージェントを取り上げていたり、「おすすめ」と言いながら明らかに実体験があるはずもない5~10社も紹介していたりと悲惨な状況である。
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ぜひあなたの転職活動が成功することを祈っている。