本シリーズはコンサル転職に際して出題される「ケース面接」の例題及び解答集である。
実際にケース面接を突破したことのある現役コンサルタントがケース問題を解き、回答や考え方をお見せする。
本記事では、「回答そのもの」に加え、その回答を導く為の「考え方」にも比重をおいて解説する。
Contents
問題
お題:あるコンビニエンスストアのスマホバッテリー事業買収における論点整理
想定の考える時間:10分
難易度:★★★★★
種類タグ:論点整理、買収/M&A
回答
(ⅰ)前提整理
まずは面接官への初期的な質問を通じて以下のようなポイントを確認します↓
- 今回買収を行うスマホバッテリー事業者はどのような事業者か?
- 今回の買収の目的はなにか?
上記の2質問に対しては、以下のような回答が返ってきました。
- スマホバッテリー事業者はスマホバッテリーをOEMで開発し国内に販売するメーカー
- 買収目的の論点も含めて論点整理下さい。
上記を前提として論点整理を行っていきます。
(ⅱ)論点出し
早速いくつか論点を出していきます。
買収の目的(Why?)
まずはじめに「なぜ買収をするのか?」というWhy?に着目した大論点を設定します。
「ゴール」と「必要性」
- 買収するゴールはなにか?(ゴール):今回の買収のゴールは「純粋な投資」なのか「自社事業とのシナジー創出」の為なのか?という最終的なゴールを整理する論点を設定します。例えば、買収のゴールが”投資益を目的としたスタートアップ投資”と”コンビニで販売できるプライベートブランド創出を目的とした投資”では検討すべき項目が変わってきます。
- 上記を実現する上でM&Aはなぜ必要か?(必要性):上記の目的を実現する上で、M&Aが必要な理由も明らかにする為に論点を設定します。仮にプライベートブランドづくりが今回のM&Aの目的だった場合、それは自社単体では出来ないのか?買収ではなく業務提携では難しいのか?等の検討が必要になります。
買収したいアセット(What?)
上記の論点でゴールと必要性が整理できたら、次は「何が必要なのか?」の整理を行う為の論点を設定します。
(ややWhy?と被る部分はありますが念のため整理します)
- 上記のゴールを達成する上で、必要なものはなにか?今回の買収で手に入れたいものはなにか?:例えば、ブランド、販路、人材、等が挙げられます。仮にプライベートブランドづくりが目的の場合は、おそらく「製造ノウハウ」や「カスタマーサポート」といった機能が本論点に対する答えになりそうです。
買収先候補(Who?)
買収する目的と何を買収すべきかが明確になったら、次は「誰を買収するべきか?」という論点を設定します。
- 誰を買収するのか?:「他に買収可能なスマホバッテリー事業者はいないのか?」「A社が適切なのか?」といった論点を整理し、「誰を買収すべきか?」という中論点に答えていきます。
買収金額(How much?)
買収となると、買収の金額も大きな論点となる為、大論点として設定しました。
- 買収金額はいくらか?
買収方法(How?)
最後に、買収の方法(How)を大論点として設定します。
買収時と買収後の2つの中論点に整理しました。
- (買収時)買収の方法は?:株式の種類や出資比率、等
- (買収後)買収後の事業運営はどうするか?:社名を変える/変えない、経営陣を残す/残さない等
(ⅲ)論点整理
最終的には以下のような形で論点を整理しました↓
以上、「コンビニエンスストアのスマホバッテリー事業買収における論点整理」のアウトプットとなります。
ケース面接での想定質問・ディスカッション
実際のケース面接は以下のような質問やディスカッションが想定される↓
- 誰?の部分で1社を選定していく上で、他にどのような論点や評価軸が考えられるか?
- コンビニエンスストアがスマホバッテリー事業を買収してどのようなシナジーを発揮できそうか?
あとがき
論点整理系ケースは非常に難易度が高いものの。買収における論点構造は比較的型がある為、型を覚えることが出来れば攻略はできそう。
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